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『追試』@栃木SC通信

2008年2月17日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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赤井秀行は俯きながら悔しさを滲ませた。

「左は嵌っていたのに、右はそうではなかった。自分のサイドからやられてしまった」

対横浜Fマリノス戦、右サイドバックに配された。立ち上がりは無難に応対するも、チームの旗色が悪くなるに連れて、必然的に仕事量が増えた。試合は一方的な展開になり、前半45分だけで3失点を喫する。許したゴールは全て赤井のサイドからだった。非が赤井ひとりだけにないことは付記して置く必要があるだろう。ただ、斎藤雅也と佐藤悠介が組んだ左サイドは攻撃面で柱谷幸一監督から一定の評価を得たことから、余計に拙さが際立ち、心象を悪くしたのは事実だろう。

「こっちの右サイドがルーズになっていたところを、うまくやっていないところを、(相手の)左サイドから作られた」と右寄りに構えていたボランチ向慎一は横浜の試合巧者ぶりを認めながら、他方で「喋って、コーチングで改善できた。右に寄り赤井、(小林)成光さん、FWを動かせれば、もう少し防げた」と臍を噛み、「CB、ボランチもひっくるめて声を掛けてやりたい」と続けた。

互角に渡り合えたのは最初の20分間だけだった。出方を窺いつつ綻びを見つけた横浜は容赦なく、徹底的に栃木SCの右サイドを突いてきた。前線から引いてきた大島秀夫が安定感のあるポストプレーで起点を構築し、リターンパスをボランチがサイドへと叩く。スピードに乗った左ワイドの小宮山尊信はいとも簡単に背後を突いた。オートマチックに事が運ぶ。このトライアングルが、崩れることはなかった。シンプルな攻撃だが、破壊力は抜群であり、かつ効果的だった。

「サポートの位置が的確だった」

赤井は連動した動きとポジショニングに、ただ脱帽するしかなかった。

スムーズな連携が図れていた横浜。対照的に栃木SCはコミュニケーションが不十分だった。頭に思い描いている図を共有できているか否か。その差が如実に現れたのがサイドでの攻防だった。

赤井は突破された原因を探り、語った。

「コミュニケーションがとれていない」

具体的には「マークのずらし方」ということになる。CBとワイド、さらにはボランチを含めた周囲との歯車が、まだ噛み合っていない。無理もない。チームは始動して日が浅く、パートナーが変わることも多々ある。

柱谷監督は異なる視点から問題点を分析する。

「照井のところがやられた。赤井をリードしてやらないと」

赤井の対面の小宮山にボールが渡る以前、つまりクサビに対して照井が「がっと」潰しに行っていれば、大島のポストプレーは安定感を欠いたはずである。しかし、それが思うようにできなかった。照井の「準備不足から」である。それでも、向が指摘したように、声を掛け合えれば幾分か事態は好転したかもしれない。横浜が選手間で主張しながらプレーしていたのに比べて、栃木SCは総じてあまりにも大人しかった。キャンプを経て、打ち解けてきているとはいえ、まだ遠慮している部分があるのかもしれない。要求が少な過ぎた。もっと、意見をぶつけ合ってもいいはずである。

対横河武蔵野FC戦では横浜戦から大幅なメンバーの入れ替えをすると断じた柱谷幸一監督だが、「45分しかやっていない。スタートから(使う)」と赤井には“追試”を受けさせる。

「今日の反省を生かして、ガンガン行きます」

気持ちを切り換えて横河戦に臨む決意を述べた赤井。足早にバスへと歩を進めた。

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