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意識の差異@栃木SC通信

2008年2月 4日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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投宿した千葉駅近くのホテルを出た際には、淡雪だったのだが内房線で南下するに連れて、車窓からの風景は真っ白に。一部では電車の遅れが既に出始めているとのアナウンスが流れる。市原スポレクパーク(愛称:いいでんパーク)の最寄駅である八幡宿で下車。粒がでかい。ぼた雪がしんしんと空から落ち始めていた。昨日のトレーニング終了後、天候が悪くても4面あるコートのうち1面が人工芝であることから、予定通り午前9時から練習開始とのことだったが、人っ子一人居ない。クラブハウスに打ち合わせに来ていた千葉県サッカー協会関係者の方が言う。「午前の予定は全てキャンセルだよ」。当然、そこには栃木SCも含まれていた。前日に続き、またしても空振りである。ちょうどホテルを出る時間、8時くらいにクラブハウスに栃木SC側からの連絡が入ったとのこと。マネージャーに確認を取ってから、現地に向かうべきだったと激しく悔やむ。

午後には雨が雪に変わるだろう。萎えそうな己を鼓舞しながら、クラブハウスで待機させて頂いた。『アンダースロー論』(渡辺俊介著)に目を通しながらも、やはり外の様子が気になって仕方がない。時が経てば・・・目論見は外れた。吹雪き始める。事態は更に悪化の一途を辿る。一面、見事なまでの銀世界にデコレーションされた。ラインなど引けやしない。豪雪地帯のうらぶれた駅舎で本数の少ない電車を待つ。積もっていくばかりの雪を眺めていると、そんな感覚に陥った。関東にしては異常。聞けば青梅マラソンを始めとする各種大会等が中止になったそうだ。時を同じくて千葉市内でキャンプを張っていたサッカー日本代表も被害に遭ったそうだ。

背中を丸めながら独り寂しく待ち惚け。寂寥感を漂わせたスポーツライターを見るに見かねたのか、施設の方がホットドリングを差し入れてくれた。有り難い。しばしの雑談。「年に1回は大雪になるんですよ。その1回にあたってしまいましたね」。巡り会わせが悪かったようだ。「純白。綺麗ですね」。素直な感想なのだろう。他意はない。些か心に刺さったが・・・。「新芽が出た時も、同じくらい感動するんですよ。芝生には疎いのですが」。どうやら養生が明けた天然芝のグラウンドの景色は新雪が積もった時と比肩するらしい。「幼稚園児が蜘蛛の子を散らしたように、ふかふかの絨毯に一目散なんです」。目を輝かせ、続ける。「でも、消毒剤を踏んでから入らないと駄目なんです」。確かに、施設利用説明書にも記されている。いい芝生でサッカーを楽しんでもらいたい。グラウンドキーパーさんの強い思いにより、ちと厳格なルールがこしらえられたという。管理は徹底している。試合中、シュートを外す。プレーに納得がいかない。感情に任せて芝を蹴る。すかさずジャッジは黄色い紙を提示する。度が過ぎると施設から追い出されもする。良質な環境を整える努力を怠らないグラウンドキーパーさんの気持ちを汲んでいるからこその対応である。その他にも芝生保護のために年齢別に時間内で行われる試合数が限定され、ダッシュ・ターン等はピッチ内の同じ場所では禁止など、細かな取り決めもあった。芝生の維持、管理に細心の注意を払う。安易な比較を承知で、栃木はどうなのだろうかと考えてしまった。申し訳程度に焦げ茶の草が生えている。そんなイメージしか浮かばないことが悲しい。県内の全ての芝生を見たわけではないことから、大きなことは言えないのだけれども。サッカーに対する意識の差異を感じずにはいられなかったのも事実である(サッカー専用グラウンド数が圧倒的に少なく、陸上と兼用であるから管理の方法も違ってくるのだろうが)。

午後は室内でのトレーニングに変更との連絡をもらった直後、駅へと向かう道中で再度、連絡が入る。室内でのトレーニングも中止、つまり本日は休養日となった。自然に完敗。成すすべがないことは理解できても、落胆を隠せない。遥々、千葉まで来たのに。その思いはどうしたって強い。キャンプをがっつり取材する予定が大幅に狂ってしまった。平日に日帰りで通うことは難しい。再訪するのは合宿最終日。プロコーチの練り上げられたトレーニングを集中的に、サバイバルに身を置くことで飛躍的に成長する若手のギラギラしたものも目にしたかったのが、叶わず。未練をたっぷりと残したまま、地元へと戻ることにした。

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