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1ボランチの功罪

2008年2月 8日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

あっさりと中央をかち割られての失点。南アフリカワールドカップアジア3次予選、対タイ戦において日本は度肝を抜かれるミドルシュートを叩き込まれた。4-4-2の中盤をこれまでのボックス型からダイヤモンド型へと移行したことで、ボランチが2枚から1枚になった。1ボランチになった際、サイドに引っ張られるなどバイタルエリアは自ずと薄くなる。そのウイークポイントを上手く突かれた格好となった。

1ボランチの功罪を挙げるならば、4バック+ダブルボランチが形成するブロックの強度が多少落ちるものの、攻撃に割ける人数は増すということになる。極端に攻め込まれるケース、ポゼッションで劣ることのないアジア勢との対戦を考慮すれば、プラス面が大きい極めて合理的な策である。初戦のタイとは力量に幅があった。引いて守りを固めてくることは戦前から分かりきっていた。攻勢に立てるのだから厚みのある攻撃を継続させれば、いずれは破綻をきたす・・・はずだったが、崩しきれなかったことで流れの中からゴールは奪えず。サイドアタックも不発。だが、やろうとするサッカーの方向性は伺えた。世界をアッと驚かすのだから、僅か3試合で岡田監督が思い描いているサッカーが具現化されるはずがない。易々と事が運んでしまっては面白みに欠ける。

今後のことに目を向けてみる。バーレーン、オマーンとタイよりも格上の相手と対戦しなければならない。試合展開は日本優位で進むだろうが、攻守の切り換え時に鋭利なカウンターが繰り出される可能性が高い。タイとの大きな違いである。カウンターを浴びても中沢、阿部の2CBと1ボランチ鈴木の3枚で対処できるのか。容易ではないだろう。となると、所属チームではボランチを担う遠藤と中村憲剛のサポート、さらに両サイドバックの内側への絞込みのタイミングが重要になってくる。幸い、東アジア選手権があることで、戦術を深める機会は用意されている。攻撃での行き詰まりの改善、守勢に回った際に連携を図り連動して窮地を凌げるか。最高のシミュレーションが行える。浮き彫りになってきた課題に対して、どうのようなアプローチをするのか。注視したい。そして、例え毎試合、失点を喫しても極上の果実を得るために、安直にボランチを2枚に戻すのではなく1枚でいけるところまでチャレンジしてもらいたい。世界と同じことをしていても追い付くことはできても、追い越せないのだから。オリジナリティを出すにはリスクは必ず伴う。モヤモヤ感は当分の間、払拭されないだろう。それでも今は耐え忍ぶしかないのだ。

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