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『コミュニケーションを深め、柔軟な発想を持つ』@栃木SC通信

2008年2月10日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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『ベクトルを合わせることの重要性』

キャンプを振り返り、佐藤悠介が言う。

「方向性は見えていると思うので、いいキャンプだったと思う」

収穫はフォーカスした守備面だろう。アタッカー陣が怪我を負ったことで必然的にキャンプは守備を中心としたトレーニングにならざるを得なかった。連日、ビデオを見ながらトレーニングで浮き彫りとなった課題を修正した。入念にチェックを繰り返したことで、柱谷幸一監督が守備のキーファクターとする「チャレンジ&カバー、ラインコントロール、スクリーン、ボールへのアプローチ、サンド」などの共通理解が図れた。例えばDFは鷲田雅一、ボランチは落合正幸が軸であるが、パートナーが変わろうともベースの部分がしっかりと構築されたことで守り方にブレが生じない。ジェフリザーブズ(1-0)、国際武道大学(2-0)、ソニー仙台(3-0)とのトレーニングマッチ3試合を完封できたのは、守備組織が段階を踏んで仕上がってきているなによりの証拠だろう。天候に恵まれなかったキャンプだったが、「予定通りやれた」と柱谷監督が口にしたのは、「守備はかなりやれている」との手応えを掴んだからに違いない。

「どうやって11人で守るのか。どこでプレッシャーを掛けるのか。ファーストDFのコースの限定の仕方など、当たり前のことだがチームが同じ方向を向く。ひとりが取りに行っているのに、周囲が動かないのでは意味がない。皆が同じ方向を向くことが今回のテーマだった」

佐藤は何度も「同じ方向を向く」ことの重要性を説いた。ベクトルが同じということは、つまりコミュニケーションが取れているということ。この時期、トレーニングマッチの勝敗よりも、攻守におけるイメージがどれだけシンクロできているか。その点に重きを置くべきだと強調する。それは柱谷監督の目指すサッカーにどれだけ近付けているのかを測るバロメーターを知っているからこその発言なのかもしれない。

佐藤は言う。

「ボクは昔、監督とやっているので(志向する)サッカーが理解できている。完成度とか。これをやれば、これくらいの状態になることが分かっている」

指揮官の理念を叩き込まれている選手が、佐藤以外にも在籍していることはチームの完成度を促進する。個が突出していてもユニットとして機能しなければ過酷なリーグを勝ち抜き、テッペンになど辿り着けない。新加入選手が大半を占めるチームが、一致団結して目標を達するには目線を合わせなければならないのは言わずもがなである。

他方で、先送りになってしまった攻撃に関しては個のレベルアップの必要性を感じてもいる。

「J1、2のチームもそうだが点を取るところですね。いいトレーニングを監督がしてくれてもPボックス内での個人のアイディアとかクオリティは選手が持っているもの(が関係してくる)。シュートが枠に飛ばない、シュートが入らないのは僕自身も含めて個人の練習になってくる。11人でボールを運んで攻めて守るが、最後の部分は個人的な問題になってくるので、そこの精度を上げていきたい」

 

『柔軟な発想力』

昨季と体質的に似通った部分があるのかもしれない。

「真面目で言われたことはしっかりやるが、そればっかりになるのは困る」

佐藤は現在のチーム状態をそう把握し分析した上で、「自分で考える必要がある。局面、局面で色々なことが起こるので個々で修正をする。グラウンドで起こっていることを自分達で考え、対応していく。その力を付けていかなければならない」。そのために、上野優作と共にこれまでの経験を若手に還元していきたいと考えている。

表現こそ違うが、柱谷監督も対応力について言及している。

「ゲームでの90分の使い方。相手のやり方に対してどう戦っていくのか。極端に固めた戦術で戦うのではなく、柔軟に考えてやっていく。それが90分のペースを作る。ひとつのカタチしかなく、相手が対応してきたら、相手のペースで終わってしまう。いろんなことを自分達が使えるようにならないと」

臨機応変に戦わなければならない。その一例としてショートパスを持ち味とするヴァンフォーレ甲府を引き合いに出した。細かいパスを繋いで引っかかって逆襲を食らうのでは意味がなく、大きなサイドチェンジや大胆に背後を突くパスを混ぜるなど、その場の状況を読みきる力を養うことを求める。ひとつのことを突き詰めて徹底的にやるのではなく、バランスよく試合を運び、相手が守り難いサッカーを展開する。ソニー仙台戦を見た限りでは、高いラインを押し下げるのに長いボールを、サイドから意識的に使った。浅いラインが深くなれば中盤が空き始め、バイタルエリアから崩せるし、トップがボールを受けられるようにもなる。ボールを付け難い中央から侵略するのではなく、サイドを有効活用する。分かり易いビビットな単色ではなく、色彩に富んだサッカーを理想系として掲げる。

言われたことをただ単に忠実に実行するのではなく、頭を柔らかくしておくことで刻々と変化する局面で思考を停止させることなく正しい判断ができるようにする。今年も攻守両面で「アラート(用心深い。敏感な)」な状態を持続させることがポイントになってくるだろう。

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