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TMレポート:対湘南ベルマーレ戦@栃木SC通信

2008年3月 2日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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平塚から世界へと飛翔した中田英寿が愛した大神グラウンドは、かつての親会社であったフジタが売却したことにより、今は松蔭大学が所有、使用している。相模川(馬入川)に面している点は一緒であるが、湘南ベルマーレの練習グラウンドは馬入ふれあい公園サッカー場へと2006年に移転。「ヒデも悲しんでいました」とは広報の方の弁。中田英寿が唯一、Jでプレーしたクラブであることを嬉々として話してくれた一方で、「最も愛した河川敷とグラウンド」に話題が及んだ際には、寂しげだった。

さて、湘南とのトレーニングマッチである。場所はもちろん、馬入ふれあい公園サッカー場。栃木SCの並びはGK小針清允、4バックは左から斎藤雅也、鷲田雅一、川鍋良祐、岡田佑樹、中盤の底には落合正幸と向慎一、左ワイドに佐藤悠介、右ワイドに小林成光が入り、2トップには上野優作と松田正俊が指名された。前半の交代は34分にGK小針から武田博行(筆者計測)。

開幕を翌週に控えトップチームがジュビロ磐田との非公開マッチを行った湘南はサテライト主体のメンバーで臨んできた。

これまではDFラインの前でアンカー役を担っていた落合が前に出ては果敢にプレスをかけ、奪ったボールは佐藤へ。起点はこの日も左に設けられた。前線にどっしりと松田が構え、左右のスペースへと相棒の上野が流れる。ボールの循環が向上したのは、前線にボールが収まり、人が動くことでスペースを生み出せるようになったからである。また、サイドでボールを持ち過ぎる嫌いがあった佐藤の稼動域が左から中央まで広がり、ボールタッチ数が格段にアップし、シンプルにさばけるようになったことも好循環の一因だろう。松田のポストプレーから佐藤がオーバーラップしてきた斎藤に叩いた一連のプレーは、うまく連動できていた。序盤の勢いそのままに佐藤がロングレンジから強烈なシュートを放ってゴールを脅かすものの、前半も半ばに差し掛かると形勢が逆転する。受けに回ってしまい、立て続けに窮地を招いてしまう。GK小針の好守と相手のミスに救われるも、時間の使い方、90分間のゲームマネジメントをどうするのか。考えていかなければならない課題のひとつが浮かび上がった。ペースが落ちてしまうことと、握っていた手綱を明け渡すことがイコールであってはならない。劣勢の展開を変えたのが松田である。クサビから自分の間合い、ボールをミートできる位置にボールを置いて左足を振り抜き、佐藤と斎藤のホットラインから供給されたクロスに詰めた(クリアされる)。スローインからゴールを割られそうになるも、またしてもGK小針が耐え凌ぐと栃木SCがゴールを陥れる。向が執拗にフォアチェックし、奪取したボールを佐藤に繋ぐと左サイドをえぐり、マイナスのクロスを上野がスライディングシュートで先制。試合開始当初は落合が前方、後方に向が控える縦関係だったが、これだと推進力が殺がれる。2人の間で特段、取り決めがないことから、状況に応じて前後を使い分けられれば、中盤をかき回せるに違いない。

後半の頭に栃木SCは佐藤、落合、岡田、上野の4人がアウト、石舘靖樹、久保田勲、山崎透、稲葉久人がイン。岡田の抜けた右サイドバックにCBの川鍋がポジションを移し、鷲田と山崎が2CBを組んだ。その他の交代は以下の通り。小林→高安亮介(12分)、松田→深澤幸次(15分)、向→鴨志田誉(17分)、斎藤→入江利和、川鍋→赤井秀行、鷲田→照井篤(20分)、武田→柴崎邦博(37分)。

後半から登場の山崎。向のCKを頭でジャストミートし、あっさりと追加点をもたらす。足が止まったことで湘南のプレスが甘くなったのを尻目に、栃木SCはスピーディでアグレッシブな攻撃を繰り返す。山崎のクロスバー直撃のヘディングシュートを皮切りに、向と2トップの一角に入った深澤が目が覚めるようなミドルシュートでゴールを強襲。「決定機を決めきる。2-0、3-0にすれば相手に『強い』という印象を与えられる」と柱谷幸一監督はリードを更に広げられなかったことに些か不満げだったが、湘南を圧倒できたことで若手にとってはかなりの自信になったのではないだろうか。前後半に1点ずつを決め、シャットアウトした栃木SC。柱谷監督の誕生日を勝利で飾った。

「攻守に締まりのあるいいゲーム」

柱谷監督は対湘南戦をそう振り返り、付け加えた

「高安、深澤、川鍋、石舘など状況により使い分けられる目処が立った」

先の4選手は複数のポジションをそつなくこなせることを実証した。高安は本来のワイドからひとつ下がったサイドバックを(この日はワイドでの起用)、深澤は貪欲にゴールを狙ったFWと左ワイドを、川鍋はCBと「守備固め」(柱谷監督)のために右サイドバックを、石舘はFWと本職の左ワイドを。先週の水曜日、対大宮アルディージャ戦で先発、湘南戦でもスタートから起用されたメンバーが開幕のピッチに立つ11人と捉えても差し支えはないだろう。ほぼ陣容が固まったことから、湘南戦は本番を想定したテストを幾つか実施した。高安を後半途中からスーパーサブとして投入し、深澤をFWでトライさせ、逃げ切るために川鍋を右サイドバックに配した。GK小針、CB鷲田、ボランチ落合、ワイドの佐藤、トップの横山聡(松田)と代えのきかない背骨となるスペシャリストに、ユーティリティ性のある選手を絡ませることで戦力に厚みをもたせ、アクシデントにも即座に対応できる態勢を整えた。勝ち点3を取るための準備は着々と、滞りなく進んでいる。

開幕まで2週間は守備面での計算が成り立つことから、セットプレーを含む攻撃のオプションを増やすこと、コンディションの調整をすることの2点に時間と神経を割く。来週からはシーズン中を意識したトレーニングを入れる。プレシーズンマッチとなる対アルテ高崎戦では18人枠、3人交代、集合時間、食事のとり方をシミュレーション。リーグ戦を戦っている雰囲気を徐々に醸成していく。

トレーニングマッチ 湘南ベルマーレ0(0-1、0-1)2栃木SC @馬入ふれあい公園サッカー場

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