ホーム > 栃木SC通信 > プレーバック:対ジェフリザーブズ戦@栃木SC通信
プレーバック:対ジェフリザーブズ戦@栃木SC通信
2008年5月 1日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
※メンバーが大幅に入れ替わっているために参考にならない可能性大
否が応でも気になる。ホーム第2戦目の観客動員数のことである。1万2539人を呑み込んだ開幕戦。どれだけの人が再び、栃木SCの試合を観戦するためにスタジアムまで足を運んでくれるのか。昨季は6153人が前期3節のホーム試合で1613人と約4分の1に減少した。
朝から雨が降り注ぐ悪天候に加えて、日程が詰まっていたために「女性、高校生以下無料」のイベント告知は遅れた。幸運にも雨は上がる。メインスタンドはそれなりに埋まったが、バックスタンドとゴール裏の人影はまばらだった。場内アナウンスによれば観衆は2648人。先週の約5分の1になった。J昇格規定のひとつである「3000人」には届かなかった。無料チケットの絶大なるパワー、人を集めることは容易ではない、ということを改めて痛感させられた。
アウェーの対FC刈谷戦。山田智也と吉田賢太郎のゴールで2―0と勝ち点3を持ち帰って来た。3連勝を狙い臨んだジェフリザーブズ(ジェフ)戦。並びはGK原裕晃、4バックに左から高野修栄、谷池洋平、照井篤、北出勉、ボランチに堀田利明と久保田勲、左に石川裕之、右に小林成光、シャドーに横山聡、ワントップに山下芳輝の4―5―1。開幕戦とスタメン11人は変わらず。遠征組をミックスさせることはなかった。
スメタンの平均年齢が22歳以下と若いジェフは、中盤をボックス型にしたオーソドックスな4―4―2だった。
「入りの10分が悪かった」。小林が振り返ったように栃木SCは防戦一方だった。宇野勇気のミドルシュートを皮切りに、ジェフに攻めたてられる。「左サイドを積極的に使うのがうちのスタイル」という越後監督の言葉通り、蓮沼剛と入江利和のコンビでサイドの主導権を握る。前掛かりに来られたことで栃木SCは全体が引いてしまう。ジェフはタッチ数の少ないパスで組み立てを図る。バイタルエリアを使用し、ボランチがクサビを打ち込み、ワンクッション挟んでからサイドに展開。両サイドからクロスを上げた。
栃木SCはこの攻撃に耐えきれなかった。破綻する。入江が入れたアーリークロスから蓮沼にダイビングヘッドを突き刺された。「地元だから期するところがあり、いい仕事をした」(越後監督)と称賛された入江(作新大卒)。昨シーズンの開幕前、栃木SCの練習生としてテストマッチに出場していた。思わぬところで恩返しをされてしまった。
失点後に立て直したかった栃木SCだが、ジェフの勢いをいなしきれず、しばらく手を焼くことに。特にアシストを記録した入江から供給される高精度のクロスに苦しめられる。
「起点になれるところがなかった」と堀田がいうように、両サイドと山下にボールが収まらなかった。攻撃のカタチを見出せない。それでも、セットプレイから照井が枠をかすめる惜しいヘディングシュート、小林もヘディングシュートにボレーシュート、とゴールに迫る。照井のボール処理ミスを堀川恭平に突かれそうになるも、GK原が粘着力のある守備でカバーした。難を逃れ、横山聡に立て続けに好機が訪れるも、ジェフのGK瀧本雄太が魅せる。18歳は好守を披露し、ゴールを割らせなかった。
0―1とリードされて迎えた後半。カウンターから横山聡、山下がゴールに襲い掛かるも、ネットは揺らせなかった。しかし、「堀田のボールが良かったからリスタートから取れる予感はした」と高橋監督。CKから照井が基本に忠実な叩きつけるヘディングシュートで試合を振り出しに戻す。照井は栃木SCに移籍後、嬉しい初ゴールとなった。「空中戦で勝負できればと思っていたが、逆にやられてしまった」。敵将は悔しさを滲ませていた。
同点ゴールで波に乗った。久保田の直接FK、相手ゴールキックミスから山下がドリブルシュート、堀田が抑えの効いたミドルシュートを放つ。が、クロスバーに嫌われる、シュート角度が厳しかった、パンチングされてしまうなど、ゴールは遠かった。サイド攻略からゴールを陥れるために吉見康之を途中投入するも機能しなかった。思惑通りに事は運ばない。ジェフの足が止まり、自分達の時間帯に持ち込んだものの、あとひと押しが足りなかった。スコアを1―1から動かせず痛恨のドロー。勝ち点2を取り逃がした。
JFL前期3節 栃木SC1―1ジェフリザーブズ @グリスタ 観衆2648人
〈ジェフリーザーブズ〉GK瀧本雄太、DF野沢健一、川上典洋、竹田忠嗣、入江利和、MF小沼純矢、宇野勇気、河野太郎(→野沢和良)、蓮沼剛、FW堀川恭平(→鳥養祐矢)、渡邉健雄
『最初の10分と吉見と厚み』
開始間もなく相手にオープニングシュートを許したまでは開幕戦と同じ。しかし、そこからの展開が異なった。
FC琉球戦では左サイドの石川裕之と高野修栄、右サイドの小林成光と北出勉の両サイドを軸にアグレッシブに仕掛けた。サイドアタックを繰り返し、優勢に試合を運ぶ。そのままの良い流れの中で先制点を奪い、反撃を跳ね返し、逃げ切った。
立ち上がりから前に出られたこと、山下芳輝のポストプレイに固執せずにサイドを有効利用できたこと。果敢な姿勢と柔軟な発想が勝機をたぐりよせた。
一方、ジェフリザーブズ(ジェフ)戦。左サイドに起点を設けられ勢いに飲み込まれてしまう。圧力に抗いきれず、2試合連続無失点記録が途絶える。キックオフの笛が吹かれてから僅か4分の出来事だった。
「入りの10分。相手が猛烈な勢いで攻め込んできた。それに対応できなかった。20分くらいイニシアチブを握られてしまった」(高橋監督)
DFラインとボランチが押し下げられたことで、いいように中盤でボールを回され、サイドチェンジも織り交ぜられた。圧倒的な劣勢に立たされる。「(地域を挽回するために)高い位置にボールを蹴り込んだり、(タッチラインに)ボールを切ったりする」(堀田)メリハリが必要だったが、守から攻への切り替え時に中途半端な場面が目に付いた。繋ぐのか、それともクリアするのか。曖昧だった。
先手を取る。本来は栃木SCがすべきことをジェフにやられてしまった前半の10分間だった。「流れが悪いと全員が感じ取れていれば・・・」。堀田は唇を噛んだ。
時間を少し巻き戻したい。横河武蔵野FCとのテストマッチ。結果は1―1のドローだったのだが、内容では完敗だった。ロングボールを多用され、サイドからの侵略を許し、DFラインはゴール前に釘付けにされた。状況はジェフ戦と似ている。「相手のやり方に気づくようにすべきだった」。キャプテンの北出は“対応力”の乏しさを反省材料に挙げていた。表現こそ違うが要旨は堀田と一緒である。
シーズン前に得た教訓をリーグ戦で活かさなければならなかったのだが、思うに任せなかった。自分達のリズムではない時間帯をいかにして乗り切るのか。試合の中での修正能力を磨かなければならない。
「交代カードを切るのは難しかった。山下、横山(聡)は体力が落ちているわけではなかった。吉見(康之)を投入して勝ちきるつもりだった」。手元に2枚も残さていた交代カードをなぜ切らなかったのか。問われた高橋監督の応えだ。
1点ビハインドの後半16分。石川アウト、吉見イン。直後、セットプレイから同点弾が生まれた。形勢は引っくり返る。栃木SCの上げ潮ムード。都合3度もジェフゴールを脅かした。一気に押しきれる、逆転弾が決まる空気は醸成されていた。だが、観衆が沸いたのはロスタイムに獲得したCKのシーンだけだった。手綱を手元へと引き寄せたはいいが、ラスト20分、好機を作り出せなかった。
追加点を取れなかった一因は、吉見を使い切れなかったことにある。「山下にクサビを入れてからサイドにはたけば吉見が生きる。1対1の勝負ができる環境を整えなければ」と堀田。開幕戦でも途中から登場した吉見であるが、爆発的なスピード、強烈なパンチ力のあるシュートを披露する機会には恵まれなかった。吉見の持ち味が引き出されるのに絶対不可欠なスペースを構築する共通意識が、チームに浸透していないからだ。手っ取り早いのは右サイドに相手を寄せて、吉見の主戦場である左サイドのスペースを空けてからサイドチェンジすることだが、これすらも満足にできていないのが実状である。吉見と他の選手の考えをすり合わせなければならない。でなければ、せっかくのジョーカーが宝の持ち腐れとなる。
また、「山下と横山(聡)に任せればゴールを取れると思っている。(人数をかけて)ゴール前に迫れれば良かった」と高橋監督は悔やんだ。同様の意見を山下も述べていた。つまり、全体が押し上げ、単発で攻撃を終わらせることなく、波状攻撃を行うことが大切である、ということだ。シュートは2桁16本も打っているのに1点しか奪えなかったのは、攻撃に厚みがなかったからでもある。
ジョーカーの効果を最大限に発揮させ、能力のある前線の2人だけに依存することなく個々人のゴールへの意識を高めなければ「勝ちきれない試合。負けに等しいドロー」は減らない。
最初の入り方、留めの刺し方を再考することが求められる。
※後期の回顧録は明日、アップします。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: プレーバック:対ジェフリザーブズ戦@栃木SC通信
このブログ記事に対するトラックバックURL:
- 新着記事
- カテゴリー
- Pages
- Comments
-
- TrackBacks
-
- Tags
- Feed
- Search
-
コメントする