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『実り多き遠征』@栃木SC通信

2008年6月30日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

okinawa5.JPG決断は下された。

玉のような汗が黙っていても噴き出してくる気候条件。疲労はいつも以上に早く体を蝕む。体温の上昇は脳に熱をこもらせ正確な判断を困難にする。

前線から相手を追い回せば、足が鈍るのは目に見えていた。 そこで、ラインを深く保ち、背後のスペースを消去することを選んだ。目の前でボールを動かされているぶんには構わない。ただし、個々が受け持つゾーンに相手が入ってきたら厳しく潰しに行く。例えばサイドバックにはオーバーラップを仕掛けるなど持ち場を放棄するリスクを避けさせた。マークを受け渡しながら守ることで体力の消耗を出来る限り軽減させる。攻撃参加したことで息が上がり、戻りきれずに穴を空けることを嫌ったのである。赤井秀行と岡田佑樹の両サイドバックは守りに比重を置いた。高位置に顔を出した回数は数えるほどだった。内へ絞り込みセンターバックのカバーに回るなど、専守防衛に徹する。

全体が間延びし、バランスを欠き、足を攣るなど先に悲鳴を上げたのは、地の利があるはずのFC琉球(以下、琉球)だった。自信たっぷりに柱谷幸一監督は勝因を語る。

「ここまでいい準備をしてきた。トレーニングの成果により体力が落ちなかった」

栃木では体感できない沖縄の暑さと湿度。出来ることは自ずと限られてくる。それを見越し、みっちりトレーニングを積んだ。練りこんだ戦術、守備の約束事は見事なまでにはまった。90分間コンパクトな守備ブロックは破綻することなく、球際で激しく体を寄せたことでコースを切るなど決定的なシュートを許さず、連続失点を4試合で止めることにも成功する。

序盤からリズムよくボールを回す琉球に対し、栃木SCは焦れずに我慢できた。入念な下準備がなされていたからであり、落合正幸曰く「ボールの取りどころがはっきりしていた」ことが小さくない。落合と鴨志田誉が位置する、ボランチラインで引っ掛けてから、いい状態でボールを持てた時だけ攻撃に人数を割く。ポゼッションよりもカウンターに的を絞った。

「攻め込まれていたというよりも、攻めさせていた」

佐藤悠介は前半をそう振り返る。フィニッシュに持ち込まれる回数の多さには苦言を呈しつつも、概ね内容には満足そうだった。前節、オブラートに包むことなく「何もない」と吐き捨て、会場を後にした口振りとは明らかに異なっていた。普段は味わうことのない、味わいたくもない状況で、「柔軟に頭を使いながら戦った」結果の勝利に手応えを掴みもした。佐藤は続ける。「こういう状況のゲームの対処としてはよかった」。今後に繋がる確かなものを手に入れられた充実感が窺えた。

それは指揮官も同じだった。

「栃木もこれから暑くなる。ゾーンでブロックを作って守れた、この試合をベースにしたい」

自分達のストロングポイントを前面に押し出すだけのサッカーに、相手の長所を引き出しながら体力を削いでいき、粘り強く戦うことで一瞬の隙を見逃さずに仕留める戦い方が加わった。思い出されるのは昨季の対FC岐阜戦。綺麗な3ラインが進撃を阻み、効率よく2ゴールを叩き出しての完勝だった。ニューウェーブ北九州戦では5バックを、ファジアーノ岡山戦ではあ4―1―4―1を試みるなど、少しずつ使えるオプションは増えてきている。多様性は育まれ、夏場を乗り切る下ごしらえと、終盤に向けた備蓄は滞りがない。

勝ち越しているとはいえ内容が芳しくないアウェーで、勝率を高めるには打って付けの試合運びを可能にする、
大きなヒントを獲得できた。南国で得たものは勝点3だけに止まらなかった。実り多き遠征となった。

戦評:対FC琉球戦@栃木SC通信

2008年6月30日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

okinawa2.JPG交代後、間もなくのことだった。右サイドから中へと切り込みシュートを放つ。アグレッシブなプレーも、シュート精度には乏しかった。

「スキル、両足のキックの精度が足りない」

以前、柱谷幸一監督は稲葉久人の短所を、そう口にした。一方で、高安亮介に匹敵するスピードと高さを長所に挙げていた。

後半18分に登場した稲葉は、僅か10分足らずで大仕事をやってのける。左サイドの佐藤悠介から供給されたクロスをニアサイドに走り込み頭で合わせた。プロ初ゴールに続き、2ゴール目も足ではなく頭から生み出された。

「ヘディングは得意ではないが、ゴール前での入り方は意識している」

自らの特長を「ゴール前での嗅覚」と言い切る稲葉。この日もストライカーという人種にしか察知できない匂いを敏感に嗅ぎ取った。GKとDFの間にボールが蹴り込まれると読み切る。「当てるだけでした。悠介さんに感謝です」と謙遜しながらも、「上手く間を突けた。狙い通り」。湧き上がってくる感情を抑えきれず、頬は緩んだままだった。

ファジアーノ岡山戦で決勝弾を叩き出し、喝采を浴びた。続くアウェーのアルテ高崎戦でも活躍が期待され、出場時間も増えたが存在感は薄かった。持ち味を発揮できなかった。そのことを本人も自覚していた。

「ホームでは点を取ったが、次のアウェーでの動きは悪かった。アウェーでも結果を出したかった」

出場6試合目でようやく本職のFWで起用され、結果を残した。「試合に出られるならば、どちらでも(右ワイドとFW)構わない」とは言うものの、水を得た魚のように溌剌とプレーできているのは本来の位置、ゴールに近い場所である。

初ゴールによりこれまで遠慮がちだったプレーと訣別。間隔を空けることなく次のゴールを手に出来たことで自信は一層深まった。

殊勲を立てた稲葉は饒舌だった。

「ボクは暑さ、夏に強い。暑くても結構、走れます。暑さは好きですね」

ピッチ外でも猛烈にアピールを行った。

チームは完全プロ化し、トレーニングは夜間から昼間に移行された。例年のような夏場に失速する事態は、おそらく回避できるだろう。が、ベテランが中核を成していることから、パフォーマンスが落ちる可能性は低くない。それだけに、“夏男”を公言して憚らない稲葉の調子が上向いてきたことは頼もしい。2枚看板の横山聡と松田正俊が鳴りを潜めているという点でも。


前期首位ターン、天皇杯のJFLシード権を獲得しても、柱谷監督の表情は硬かった。何も成していない。前後期の区切りをつけることで、気持ちが弛緩することを極端に嫌った。緊張感は選手にも伝わり、後期を白星でスタートさせる一因となった。4―4―2のスタメンは以下の通り。GK小針清允、DFは左から赤井秀行、鷲田雅一、川鍋良祐、岡田佑樹、MFはボランチに落合正幸と鴨志田誉、左ワイドに佐藤、右ワイドに高安亮介、FWは上野優作と石舘靖樹。負傷した斎藤雅也に代わり急遽、赤井が左サイドで起用された。

前期の残り2試合を連勝で飾ったFC琉球(以下、琉球)は、トゥルシエ総監督もベンチ入り。山下芳輝(元栃木SC)をワントップに据えた変則的な3―3―3―1で臨んだ。

いかに無駄な動きを減らし、長い距離を走ることを避けるか。

肌に刺さるような日差しは気温を32度まで上昇させ、湿気をはらんだ海風により湿度は70%を超えた。酷暑に対抗するために、栃木SCは省エネサッカーを貫徹した。前線からボールを追わず、ラインを深くし、自陣で引っ掛けてから前に出る策を採った。

受身の姿勢を取ったことで我慢の時間帯が続く。山下がサイドに流れ起点を構築。Pボックス内にパスを入れられるシーンが目に付くが、DF陣は慌てることなく弾き返す。納谷伊織、國仲厚助、鎌田安啓のトリプルボランチに中盤を支配され、ポゼッションで凌駕されても動じなかった。ゲームをコントロールされても、最後の部分で跳ね返せれば問題ない。山下への寄せの甘さは頂けなかったが、意思統一が図られていたことは小さくなかった。浮き足立つことなくゲームプランを粛々と遂行する。

守備に軸足を置いたことで栃木SCの攻撃回数は数えるほどだった。CKから上野の際どいヘディングシュートと、石舘のGKライス・エンボリの正面を突くミドルシュートの計2本に終わる。それでも、琉球を無失点に封じ込め、体力の消耗を最小限に抑えられたことが、後半に繋がる。

前半の終盤に鎌田と山下に連続してゴールに迫られ肝を冷やすも、GK小針の好守と正確性を欠いたシュートに救われた栃木SC。錆び付かない、豊富な選択肢を有する山下のポストプレーに手を焼くが、次第に運動量で琉球を圧倒し、反撃に打って出る。デュド・ミヌングの投入、4バックへの移行が裏目に出た琉球とは対照的だった。

立ち上がりから先のことなど考えず、上下動を盛んに繰り返した石舘と高安が立て続けにゴールに襲い掛かる。「セーブするつもりはなかった。突破できるところは突破する」と高安。ドリブル勝負を仕掛けたことで、対面のDFのスタミナを奪い、ピッチから追い出す逞しさを見せた。手綱を引き寄せたところで、「相手のCBがへばっていた」と見て取った柱谷監督。フレッシュな稲葉をピッチに送り出す。

意図的に使用頻度を高めたサイドチェンジは効果的であり、ゴールを呼び込んだ。右から左へ滑らかにボールは運ばれ、佐藤が上げたクロスを稲葉が頭で突き刺した。後半26分、先制点にして決勝点が生まれる。

サイドに張り気味だったデュドが内側に入り、背後を狙うようになると2度も窮地を招く。しかし、GK小針の好判断と気持ちを切らさなかった守備陣の奮闘がゴールを許さない。サッカーをするには過酷な状況下でも萎えることなく最後まで戦い抜き、柱谷監督就任1周年を勝利で飾った。

「今日は悠介と稲葉だけではなく、全員で勝ち切った。後期初戦ということでモチベーションを上げにくかったが、集中力を切らさずにプレーしてくれた」

相手に付き合うことなく、自分達の思惑通りにゲームを押し進められたことで、柱谷監督は選手の労をねぎらった。

「これで波に乗れる。中断期間前の後期8節まで突っ走る」(柱谷監督)

連勝を5から更に伸ばし、勝点を積み上げてから一呼吸入れる腹積もりでいる。それまで小休止するつもりは毛頭ない。

JFL後期第1節 FC琉球0―1栃木SC 観衆3104人 @北谷公園陸上競技場

〈FC琉球〉GKライス・エンボリ、三好拓児、久保篤史(→秦賢二)、MF納谷伊織、國仲厚助、鎌田安啓(→森戸壮介)、澤口雅彦、林田光佑(→デュド・ミヌング)、FW山下芳輝

〈栃木SC〉交代:石舘(→稲葉)、上野(→松田)、高安(向慎一)

短評:対FC琉球戦@栃木SC通信

2008年6月30日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

気温32度では望むべきサッカーなど展開できない。栃木SCはリアリズムに徹する。つまり、スタミナを削がれるような動きを避けたのである。フォアチェックは行わず、ラインを後退させ、FC琉球の攻撃に備えた。傍目には劣勢に映り、現に山下芳輝のポストプレーからフィニッシュに繋げられる。だが、混乱するには至らなかった。シュートを打たれ過ぎはしたが、それも織り込み済みだったからである。さすがに終盤に枠内シュートを浴びた際には肝を冷やしたが、ゴールマウスにはGK小針清允がいた。いつもながらの俊敏な反応で弾き出す。

CKから上野優作の惜しいヘディングに、石舘靖樹の果敢なミドル2本に終わった前半から一転、栃木SCは圧力を強め、琉球を押し込める。後半から意識的に使い始めたサイドチェンジがゴールの呼び水となった。右から中央の落合を経由したボールは左の佐藤まで届く。ニアを狙った高精度のクロスに頭で合わせたのは、途中投入の稲葉久人だった。値千金の決勝弾を、際どいシーンを作られはしたが、維持された高い集中力で耐え凌ぐ。

ポゼッションに未練を残しつつも、柱谷幸一監督は「この暑さの中では、内容は責められない。攻守によくやってくれた」と、全員で勝ち取った勝利を称えた。

※お疲れ様でした。先程、帰宅しました。疲労と肌のかゆさが半端ない。今日はレポート&コラムは無理ですので明日、順次アップします。勝ってよかった。

ロシア対オランダ、ロシア対スペイン@EURO2本

2008年6月28日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

死のグループリーグを破竹3連勝で勝ち抜いたオランダは、120分間もち味を発揮できぬままロシアに屠られた。

互いに慎重なロシアとオランダであったが、立ち上がりから優勢に試合を進めたのはロシアだった。ジルコフ、パブリチェンコのシュートがゴールを襲う。それでも、あくまでも無理をしないオランダ。1トップのファンニステルローイは抜群のキープ力でボールを収めるが、サポートする選手との距離が遠いため好機に結び付かない。アルシャービンのシャープなカウンターが炸裂すると、これを皮切りにフィニッシュまで至る回数が増えたロシア。シュートを打ち続けゴールに迫る。ファンニステルローイの個人技に、相手のパスミスからファンデルファールトがシュートを放つもGKアキンフェエフの正面を突く。両者とも決定機は作るも、決め手を欠いたまま45分が過ぎた。

後半頭にカイトを下げてファンペルシを投入し、てこ入れを図ろうとしたオランダであるが、中盤でボールが引っ掛かるシーンが目に付き、ポゼッションができない。サイドからの攻略も困難となる。流れを掴みきれず、アルシャービンにポストをなめる直接FKを食らう。窮地を脱しするも、左サイドを完璧に崩され最後はパブリチェンコに左足で押し込まれた。しっかりボールを繋ぎ、豊富なスタミナで試合を支配したロシアは、Pボックス内に人数を割く保険をかけながら、好機と踏んだら今度は攻撃に人数をかける切り替えが奏功した。辛うじて危機をGKファンデルサールの好守で凌いだオランダは、FKからファンニステルローイが渾身のダイビングヘッドで同点に追い付く。序盤から精度の高いボールを供給していたセットプレーで、ようやくゴールを割る。90分で雌雄は決せず。

延長戦に突入してもロシア優位は変わらなかった。アルシャービンとパブリチェンコがオランダを陥落させようと試みる。ついに延長後半、オランダは力尽きた。途中交代のトルビンスキー、アルシャービンに連続ゴールを許し、グループリーグの快進撃を持続できずに準々決勝で散った。勝利を得たロシアはショートパス主体の攻撃的なスタイルと無尽蔵のスタミナで優勝候補の一角を破った。名将ヒディンクに鍛え上げられた選手達は逞しく、勇敢だった。

ユーロ2008 準々決勝 ロシア3-1オランダ @バーゼル

<ロシア>GKアキンフェエフ、DFジルコフ、コロディン、イグナシェビッチ、アニュコフ、MFセマク、サエンコ(→トルビンスキー)、セムショフ(→ビリャレトディノフ)、ジリヤノフ、FWアルシャービン、パブリチェンコ(→シチェフ)

<オランダ>GKファンデルサール、DFファンブロンクホルスト、オーイエル、マタイセン、ブラルーズ(→ヘイティンハ)、MFエンゲラール(→アフェライ)、デヨング、スナイデル、ファンデルファールト、カイト(→ファンペルシ)、FWファンニステルローイ

 

自分達のサッカー、つまりボールを支配することを貫き通したスペインが、不気味な存在感を放っていたロシアを蹂躙した。

オランダにリズムを作らせなかったロシアの勇猛果敢さは鳴りを潜める。序盤からスペインに押し込められ、F・トーレスとビジャの2トップにシュートを許し、サイドをセルヒオ・ラモスに制圧された。荒削りながらゴールを奪える位置に顔を出すパブリチェンコにシュートを打たれ、グループリーグでロシアから3ゴールを挙げたビジャが負傷退場しても、スペインは動じる気配を見せなかった。ゴールこそマークできなかったが、前半はスペインのものだった。

カウンターを効率よく繰り出せないのはアルシャービンが徹底マークされたから。ボールタッチ数は数えるほどだった。覇気に乏しいロシアとは対照的にスペインは後半5分にイニエスタのロークロスに走りこんだシャビがダイレクトでネットを揺らす。ゴールを得たことでパス回しが更に冴え渡る。ロシアも前に出ようとするが細かなミスとスペインの守備に阻まれてしまう。リードは僅かに1点。F・トーレスの出来は悪くなかったが、アラゴネス監督は大胆な交代に打って出る。グイサとシャビ・アロンソを立て続けに送り出したのだ(F・トーレスとシャビが下がる)。一歩間違えればリズムを崩しかねない交代策だが、これが見事にはまる。ビジャの代わりにピッチに立ったセスクからの背後へのパスに飛び出したのはグイサ。冷静にGKの頭越しにシュートを収める。横に揺さぶられ反撃の糸口すら見出せなかったロシアは、リスクを冒して前に出ようとしたところ、裏を使われ決定的な3点目をシルバに蹴りこまれる。一矢報いようと交代出場したシチェフがFKに頭から飛び込むもGKカシージャスの正面。グループリーグ同様にスペインに大敗を喫した。ヒディンクとロシアの躍進はスペインにより終止符を打たれた。

ユーロ2008 準決勝 ロシア0-3スペイン @ウィーン

<ロシア>GKアキンフェエフ、DFジルコフ、V・ベルズツキー、イグナシェビッチ、アニュコフ、MFセマク、サエンコ(→シチェフ)、セムショフ(→ビリャレトディノフ)、ジリヤノフ、FWアルシャービン、パブリチェンコ

<スペイン>GKカシージャス、DFカプテビラ、プジョル、マルチェナ、セルヒオ・ラモス、MFセナ、シャビ(→シャビ・アロンソ)、シルバ、イニエスタ、FWビジャ(→セスク)、F・トーレス(→グイサ)

プレーバック:対FC琉球戦@栃木SC通信

2008年6月28日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

腹の底から野太い声で『県民の歌』を高らかに歌い上げる。ゴール裏に陣取ったサポーターを中心にした声がスタジアムに響き渡れば、それは少なくない栃木県民にとってサッカーの幕開けを意味する。

3月16日。第10回日本フットボールリーグ(JFL)開幕。栃木SCと柱谷幸一監督のJFL初制覇、その先にある「J2昇格」へ向けた再チャレンジも同時に始まった。

「今年はタダ券を配ってないからねえ。最低でも5000人は入ってくれれば……」

新井賢太郎社長の表情は渋い。開門前、入場ゲートに長蛇の列は出来ていなかった。昨季の開幕戦は1万人以上を動員したが、その時の勢いと活気に乏しい。客足の鈍さが耳に届いていたのかもしれない。 あるいは、目の当たりにしたのかも。

11時10分、開門。滑らかに入場が行われる。淡かったメインスタンドの黄色は徐々に濃度を増すも、津波のように人が押し寄せた昨季を体験したものからすれば、物足りなく、寂しくもあった。

最終的に6338人が足を運んだことになる開幕戦。昨季と比べると半減したことになる。配布された無料チケット5万枚が有する破壊力を思い知る。一方で、リピーターを増やし、アップダウンが少なくなることこそ、安定した収入に繋がると、新井社長と柱谷監督は観客動員に対して同じ見解を示している。昨季を上回る入場者数を記録できなかったことへの悔しさがないといったら嘘になるが、負け惜しみを言っているわけでもない。瞬間的に大人数を集めるよりも、継続的な動員を。今季の、先を見据えたクラブとしてのスタンスが感じ取れる。

コンスタントにスタジアムに足を向けてもらうためには、魅力的で強いチームであることが、諸条件の中で優先される項目であることは言をまたない。

「勝ちたい。勝って勢いに乗りたい」

オフシーズンから入念な下準備を行ってきた柱谷監督が幸先のよいスタートを切るために、白星を強く欲する気持ちが滲む。

栃木SCの陣容はGK小針清允、4バックは左から斎藤雅也、鷲田雅一、川鍋良祐、岡田佑樹、中盤は底に落合正幸と向慎一、左に佐藤悠介、右に小林成光が配され、上野優作と松田正俊が2トップを組んだ。

元日本代表フィリップ・トゥルシエ氏が総監督に就任し、カズこと三浦和良の親類も入団するなどニュースバリューが一気に高まったFC琉球とは、3季連続して開幕戦で顔を合わせることとなった。身内の不幸によりトゥルシエ氏は緊急帰国するも、昨季までグリーンスタジアムで喝采を浴びていた山下芳輝がスタメンに名を連ねる。敵役として戻ってきた。フォーメーションはトゥルシエ仕込の3―5―2。

「10分、15分、地に足が着いていないプレーが多かった」(柱谷監督)

心地よくブーイングを浴びる山下に起点を設けられてしまう。オープニングシュートは山下のポストプレーから白尾秀人が放ったもの。その後もあっさりと背後を取られる、サイドを攻略されるなど、連続してシュートを打たれてしまう。バイタルエリアを利した琉球の攻撃に躊躇いや迷いはなかった。

足に鉛を付けたように栃木SCの動きは重かった。「今日は硬くなるから。自分自身にプレッシャーをかけた部分があるかもしれない」と上野は低調なパフォーマンスを分析した。アップから立ち上がりの拙さが予想される兆しはあったものの、修正を施すまでに多大な時間を要するとは思いもしなかった。佐藤が下がり気味にポジションを取りながら、試合を落ち着けようとするも思うに任せなかった。 叫びながらプレスの掛け方に関して「メリハリをつけるように」と指示を出すも、調整が図れない。

19分、山下のスルーパスから白尾に決定的なシュートを、そのリバウンドを出し手の山下が再びシュート。絶体絶命の窮地をGK小針が救うも、「先に1点を取られたら、どっちに転ぶか分からないゲーム内容だった」と佐藤が振り返る通り、このゲームの大きな山場だった。凌ぎ切ったことは小さくなかった。

ピッチを幅広く使い、ポゼッションしながら緩急をつけて攻め入るのもひとつの手だったが、栃木SCは自分達の優位性を生かした。それは上野と松田の高さである。敢えてロングボールを多用した。そこには、パスを繋いで食い付かれ、カウンターを浴びるリスクを回避したいとの思惑、トップにボールをあててからセカンドボールを拾う方が選手個々の特性を生かせるとの公算があったからだ。目論み通り、
先制点を得る。小林のアーリークロスを上野が胸で落とし、佐藤が間髪入れずに左足一閃。ゴールネットを揺さぶったのは26分のことだった。

向は言う。

「先制点が大きかった。いいカタチで取れたし、取ったのが精神的支柱である悠介さんだったので盛り上がった。スタンドも僕等も。いくぞ、という感じになれた」

ゴールにより栃木SCはようやく覚醒する。ボランチを横並びから縦関係に変えたことで守備を安定させ、プレスの掛かりが格段に向上し、球際での激しさが見られるようになる。カウンターも効率よく打てるようになり、松田がボレーシュート(GKライス・エンポリに弾かれる)、鷲田がCKからクロスバー直撃のヘディングシュートでゴールを脅かした。

前半の終盤に持ち直した栃木SCたったが、ハーフタイムを挟むと、またしても消極的になってしまう。受けるに回るシーンが目に付いた。相手のシュート精度が低かったから助かったものの、フィニッシュで攻撃を終わらせてしまったことは反省すべき点だろう。

「ゲームがイーブンな内容の時は決定力のある選手がいたチームが有利、勝ちを持って来られる、とつくづく感じました」

イニシアチブを掴みきれないゲームを決定付けたのは、補強により手に入れた松田と佐藤だった。決定力とは個の力と置換できるだろう。不足していたものを補った甲斐があったと柱谷監督は再認識させられた。

一旦、CKは弾き返されるも佐藤が左から供給したクロスを松田が頭で沈めて2点目を獲得。さらに途中投入の横山聡がドリブル突破からもぎ取ったFKを佐藤が直接、蹴り込んで勝負あり。佐藤は豪語した。「あの距離(Pボックスのすぐ外)から僕に蹴らせたら、だいたい入る」。

リードを広げ、相手のセンターバックのエメ・ラヴィが退場したことで数的優位に立った栃木SCだが、ピリッとしない。GK小針の好守、斎藤の懸命のカバーリングで難を逃れるも、41分に不要な失点を喫した。ドリブルを仕掛けてきた澤口雅彦を止めきれず。突っかけられて最後は高松健太郎にプッシュされてしまう。3―1で開幕戦を勝利で飾るも、後味は悪かった。

琉球に退場者を出してからゴールを重ねられなかったこと、無駄な失点を許したことを反省材料に挙げながらも、柱谷監督は「開幕戦を勝てたことでチームとして目指している方向が間違っていないと思えるのが大きい」と、勝点3の意義を語り、内容が伴ってくれば自信を深めていける1勝、と付け加えた。

木曜日にはFC刈谷戦、中2日で三菱水島FC戦を控える栃木SC。週明けのコンディションにもよるが、「今日出ていない選手もいいパフォーマンスをしている。フレッシュな選手を使ってみてもいい」と、柱谷監督はローテーションを用いることを暗に示唆した。怪我を負っている選手には無理をさせないつもりだ。

JFL前期第1節 栃木SC3―1FC琉球 @栃木県グリーンスタジアム 観衆6338人

〈栃木SC〉交代:上野(→横山)、松田(→石舘靖樹)、向(→久保田勲)

〈FC琉球〉GKライス・エンポリ、DF三好拓児、エメ・ラヴィ、久保篤史(→栗田泰次郎)、澤口雅彦、當間正人(→納谷伊織)、高松健太郎、杉山洋一郎、林田光佑、FW山下芳輝、白尾秀人(→白井博幸)

 

『でかい口、叩いて出した結果』

畳み掛けるように、言葉を並べていく。ストレートな物言いは誤解を数多く生み、同時にサポーターの心を鷲掴みにしてきたことが容易に想像できる。
 
2ゴール1アシスト。チームの全ゴールに佐藤悠介は絡んだ。手垢の付いた表現になることを許してもらえるならば、役者が違う、ということに尽きる。

「開幕戦をホームで勝てたことが一番」とは言ったが、キャプテンとしてチームを勝利に導くことが出来た、などとは口にしない。優等生発言を控える代わり、「とにかく自分の中で大事なゲームだった」と言い切った。
 
代表クラスの選手でもガチガチに緊張する「特別な思いがある」開幕戦。プロ生活13年目を迎える佐藤も例外ではなかった。ウォーミングアップから体に違和感を抱いた。経験があるとはいえ、纏わり付く独特の緊張感から逃れることは不可避。「僕自身、硬かった」と偽らざる本音を吐露しつつ、それでも向慎一、斎藤雅也、川鍋良祐らの若手には「思いっ切りやれ」とアドヴァイスをした。特別な試合に襲ってくる恐怖は己で乗り越えるより他に手はないからだ。壁を打破してこそプレーヤーとして一段、高みに行ける。実体験に裏打ちされた言葉には重みがあり、実行に移してしまうのだから、キャプテンシーとカリスマ性はより増していく。

「栃木SCに来た経緯もあり、いろんな思いがある。いろんな人達に『なんでJFLなんだ』と言われた。ここに来たことが間違いじゃなかったと証明したかった」
 
佐藤はチームの勝利と同等、いやそれ以上に自己証明をしなければならなかった。新入団記者会見では、最もプレッシャーを感じていると述べ、一方で期待感もあると話している。下した決断が、栃木SCに入団したことが、正しかったと周囲に思わせるには結果を残すしかない。それもスタートから、目に見えるカタチの。「とにかく自分が結果を出して勝ちたかった」。強い決意を胸に、試合に臨んだ。
 
前半の半ばまで思うように試合をコントロールできない、ナーバスな時間帯が続いた。ストレスの溜まる状況を、しかし佐藤の左足が一変させる。「蹴った瞬間に入った」と確信したボレーシュートは綺麗にゴールへ吸い込まれた。歓喜の輪の中心には佐藤がいた。チーム2点目となるお膳立てをした後は、一転してクールに振舞う。自信を持って蹴りこんだFKはゴールに突き刺さり、雌雄を決した。今度は感情を露に。恍惚の瞬間をサポーターと共有した。

敵将、ジャン・ポール・ラビエ監督は「経験」の有無を敗因に挙げ、「栃木の左の方がプッシュが効いていた」と付け加えた。印象に残った選手の具体名こそ伏せたが、佐藤を指していることは想像に難くない。

「自分でいろんな人に証明しないといけなかったので、貪欲に結果が出せた。初めて僕のプレーを見てくれた人は、佐藤悠介のプレーがよく分かったと思う。皆さんにでかい口を叩いて結果を出せてよかった」
 
よどみなく続ける。

「自分の代理人やサッカー関係者が見に来ていた。『このチームに来てよかったね』と話してもらえた。凄く大事なゲームで点をとれたのは非常に誇れる」
 
押し潰されそうな負荷を自らにかし、跳ね除け、存在価値を認めさせた。強靭なメンタルを兼備したプロフェッショナルである。

「プロ化して、責任を背負ってやっている。キャプテンとして先頭に立ち責任を持ってやっていきたい」
 
サッカーで碌を食む自覚と覚悟がひしひしと伝わってくる。

柱谷幸一監督がリーダーに指名したことが頷ける、非の打ち所がないパフォーマンスを披露した。 

メッチンの連発に期待@ワンコインベッターの呟き

2008年6月27日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

スペインが行っちまったよ。

完勝だったね。

参りました。

ドイツ対スペインかあ。

敢えて予想はせず。

外すのが怖すぎる。

といいながらtoto予想。

☆toto☆

大宮対東京V:2 もう期待を裏切らないで。

清水対京都:1 アグレッシブな補強だね。

柏対浦和:2 高原復活?

横浜Fマリノス対磐田:1 ホームだから大丈夫でしょう。

名古屋対鹿島:0 復帰だっけ?中田は。

新潟対川崎:1 苦手意識。

大分対神戸:1 召集拒否?

F東京対千葉:2 巻、泣かせてくれ。

G大阪対札幌:1 テッパン。

愛媛対福岡:0 なんとなく。

水戸対仙台:2 意外と下にした杜の都。

熊本対C大阪:2 順当に。

徳島対岐阜:1 メッチン連発か?

☆minitoto☆

大宮対東京V:1、清水対京都:0、柏対浦和:1、横浜Fマリノス対磐田:2、名古屋対鹿島:2

☆BIG☆

再開後の予想としては悪くないかな。

あめとーーーーーーーーーーーーーく

2008年6月26日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

雨の日にあめにちなんだ“とーーーーーーーーーーーーーく”を。

朝刊のファッションコーナーが傘特集だった。

チープな傘しか手にしたことがないから漠然と読んでいたが、面白かったね。

京都と外国人デザイナーのコラボ作品は秀逸。

デザイン性に優れているだけではなく、機能性も高いときたもんだ。

風速100mでも対応可能ときたもんだ。

あれなら2万払ってもいいかもね。

かなり惚れた。

傘でも他との差別化を図る。

いい試みじゃないですか。

コンビニ傘から脱却したいですな。

遠征先では雨のため、ビニール傘が増えて仕方がない今日この頃。

また、次回

2008年6月25日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

余計な出費に『またたびサッカー』は敗れた。

チャリさえパンクしなければ我が手元に今頃はあるはずなのに。

残念。

てか、欲していた『RUN』が置いてないってどういうこと?

品揃え悪いぞ。

結構なスペース取ってる割には。

スポーツ本が充実していない本屋は駄目です。

書店員のクオリティがばれてしまう、とは言い過ぎか。

フォト・ステーション@栃木SC通信

2008年6月25日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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PK失敗も、それ以上に難易度の高いミドルを叩き込み、結局は3ゴール全てに絡んだ。

「何もない」

憮然とした表情で会場を去る。

これまで尖った選手が少なかった栃木SCに佐藤悠介の強烈な個性は必要不可欠。

やんちゃ坊主を上手く使いこなす。

指揮官の手腕の見せ所である。

 

 

 

 

 

 

 

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今季も前期は3ゴール(昨季は2ゴール)と鳴りを潜めた横山聡。

ゴール以外での貢献度は高かったが、望まれるのはやはり可視的なもの。

後期の山場で、こちらも不発の松田正俊とともに前線をリードして欲しい。

 

前半4分、鷲田雅一の背後へのボールに鋭く反応。DFラインの裏を突いた鴨志田誉。シュートは惜しくも枠を外れるが、チームとして狙っていたカタチから好機を作り出す。ゴールへの意欲は日々、高まっているようだ。

 

 

 

arte5.JPG高安亮介と組むとサイドに張り気味に構えるため、使えるスペースは限られてしまう。

そのぶんオーバーラップの回数は減ってしまうが、抜かれない守備の強さがチームを支えている。

また、岡田佑樹のカバーリングで凌いだ相手の決定機は数知れず。殊に開幕のFC琉球戦での絞り込みは秀逸だった。

この日はパートナーが内側へ入る嫌いのある稲葉久人に代わってから、精度の高いサイドチェンジを利し佐藤のビューティフルゴールを演出した。

戦線復帰は心強かった。

 

 

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FW陣を牽引する34歳の大ベテラン上野優作。開幕前は怪我によるコンディション不良が心配されたものの、蓋を開けてみれば柱谷監督のファーストチョイスに。ポジションを譲らず、攻撃陣の柱になっている。今季は体が軽く、高さを活かし、ゴールも決めている。激しいフォアチェックで前線から激を飛ばす。献身的なプレーは尊い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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佐藤とのコンビは抜群。

オーバーラップのタイミングは絶妙であるが、クロスの精度が欲しい。

鋭利なクロスからゴールをお膳立てすればプレーヤーとして飛躍する可能性は低くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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強さが求められた鷲田と川鍋良祐の2CB。ボランチラインを超えるくらい、ボールを頭で跳ね返すパワーを指揮官は欲している。

足元もあるだけにビルドアップの起点にもなってもらいたい。

リードした後、終盤に試合を落ち着けるために後方でゆっくりボールを回すのもひとつの手。

ポゼッションできるだけのスキルはある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ゴールを奪えるようになるも、高安の自己評価は常に厳しい。

ストイックな姿勢がポテンシャルを引き出すことは明白。

アルテ高崎戦ではサイドでの勝負が目立ったが、ファジアーノ岡山戦では内側に入り込んでのヘディングシュートも果敢に狙っていた。

引き出しは確実に増えている。

つまり、相手の警戒レベルは上がっているといえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ファイトできる選手。

落合正幸不在の中盤は想像できない。

プレーに波がなく、指揮官の信頼も厚い。

重馬場に強いのは深澤幸次だけではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

arte10.JPGシンクロ。

ただ、それだけ。

 

 

 

 

 

 

 

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勝利にも笑顔なし。

ここ数試合の失点数が気になる。

後期開幕戦は完封勝利でスタートしたい。

 

 

 

 

 

arte13.JPG今回も熱かった。

カキ氷

2008年6月24日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

宇治抹茶カキ氷が食いたい。

8月には滋賀遠征があるんだよねー。

前泊はもちろん京都。

食えるかな?

でも、胃腸が弱いのよ。

試合当日にケツを抑えているわけにはいかんからね。

ほどほどに半分くらい食って、後は友人に託そうかな。

花火と水着と浴衣にカキ氷の季節でやんすな。

溶けないように気をつけよう。

プロ野球が観たいっす、ノムさん。

プレーバック:1年の時を経て@栃木SC通信

2008年6月24日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

※会見は2007年6月24日に行われました。

・柱谷監督就任会見

「先程、事務所の方で契約書にサインをしてきました。7月1日から正式に栃木SCの監督に就任することになりました。オファーを頂いた社長、会社に感謝したい。栃木の現状は厳しい。簡単な仕事ではないが今シーズン終了後に4位以内に入り、J2へ上がれるように頑張りたい」

――オファーを受けた時の感想。厳しい状況で就任を引き受けた決め手は

「監督としてのスタートは山形からでした。山形はJ2の中でもJ1を狙えるクラブ規模ではなかったが、3年間仕事をさせて頂いた。その後、京都の監督に就任しJ2のチームだったが年間予算が充実していて2年目にはJ1へ昇格できた。昨年は力不足で勝てなかったが、自分のキャリアの中でJ2、J1と上がってきたので栃木からのオファーを頂いた時には悩みました。J2、J1のクラブで指揮を執りたいとの気持ちがありました。社長、3人のフロントの方に大宮まで来て頂き熱心に誘ってもらい、『J2へ上がりたい。力を貸して頂きたい』という言葉に強く胸を打たれた。開幕戦で1万人以上のサポーターを集め、常時3、4千人のサポーターがスタジアムに集まる。スタジアムもサッカー専用スタジアムで魅力的なクラブ。意外と栃木には将来性があると思いました。イタリアにはプロビンチャという小さな町のクラブだが熱心なサポーターがいて、小さいがサッカー専用スタジアムがあり、2週に1回のホームゲームで皆がサッカーを楽しんでいる。その土壌が栃木にはある。それが是非この仕事をやってみたいという決め手になりました」

――現状の栃木SCをどのように分析し、どんなサッカーを目指していこうと考えているのか

「実際に生で見たのは1試合(対流通経済大学戦)、それ以外はDVDで数試合見ました。チーム戦術はそれほど悪くない。ただ、1対1の場面で勝てていない、走れていない。フィジカルベースが相手よりも劣っている。戦う意志があってもフィジカルがついていかずに勝ち切れていない。もうひとつ、プロの選手とアマチュア選手が混在しているクラブなので、そこをもう少し整理していかなければならない。今後は昼のトレーニングを多くして、トレーニング内容も1対1の戦いで勝つ、勝ち切れないといけない。走れないと勝てませんから、そこを上げていく」

――コーチングスタッフ、選手の新たな補強は

「シーズン途中で私自身はフリーの身なので来ることができましたが、Jリーグはシーズン真っ盛りでどの選手もコーチも契約期間中。その人を連れてくることは簡単なことではない。自分達のやれること、持っている力で最大限にやりたい」

――得点力を上げるには

「トレーニングでしっかりコンディションを上げていくことです」

――監督のサッカー理念は

「3つあります。結果を絶対に残す。勝負事なので勝たないと認めてもらえない。目の前のゲームに勝つ。もうひとつは、内容にもこだわる。相手にしっかりプレッシャーを掛けて、ボールを奪い、素早く攻める。3つ目はフェアプレイ。フェアに勝つことに価値がある。汚いファウル、フェアでないプレイで勝ったとしてもサポーターに認めてもらえない、地元に愛されない。3つが同時に達成され、いいチームになる。調べてもらえれば分かるが、山形、京都と過去にボクが率いてきたチームはイエローカード、ファウルが少ない。非常にフェアなチームだった」

――目標の4位以内になるために今、何が必要か

「プロとアマが混在しているので、よりプロに近いカタチにしていくことが大切。J2で戦うクラブ体制にしていかなければならない。今年の苦戦は昨年と比べて大きく力が落ちているわけではなく、他チーム(のレベル)が上がっている。(ロッソ)熊本、(FC)岐阜にしてもプロ選手を入れ、昼にトレーニングをして、『絶対に上がらなければ』という気持ちで戦っている。佐川(急便SC)、ホンダ(FC)も企業チームだが午前にトレーニングし、午後に揃ってトレーニングをしている。どこのチームもいい環境でいいモチベーションでやれている。そこが今の差となって表れている。その部分を埋めていかないと勝てない。サポーターがたくさんいることが、このクラブの僕等の力になる。ユース組織、女子チームもあり、組織を構築すれば素晴らしい、ビッグクラブではないが地域に愛されるクラブになる可能性がある。そのためには今年4位以内に入り、Jへ行かなければ、そういう流れにはならない。結局、大事なのは4位以内よりも目の前のゲーム、もっといえば目の前のトレーニングを100%やること。4位以内ということも大事だが、目の前にあることを100%やることを選手に訴えていきたい」

――FC琉球戦までの1週間で何に着手するのか

「1週間で選手を見極めたい。契約は7月1日からだが6月30日にJの解説が入っているので、6月中の仕事はしっかり責任を持ってやる。火曜日のトレーニングから私が全部仕切ってしっかりやる。先ずはコンディションを上げる。トレーニングの中で選手を見極め、どういうやり方が栃木にあっているのか見ていきたい。山下(芳輝)、上野(優作)、横山(聡)と前線には経験、得点力、潜在能力のある選手がいるので彼等を活かせるようにしたい。1試合、1試合を全力でやっていく。目の前のゲームを勝っていく。そこに集中していきたい。4位以内のチームが全勝すれば我々は追い付けない。でも、自分達が全勝することが大切。今いる選手に頑張ってもらう。全部、代えるわけにはいかないので。シーズン途中の補強は難しいが、難しいから諦めるのではなく可能性があれば探っていきたい。現状では難しいが」

――アマチュア選手、仕事がある人達の管理は

「練習環境が色々あり難しいが、基本は昼間のトレーニング。必要ならば午前と午後の2部練習もやる。夜しか来られない選手、アマチュア選手もトレーニングに入れて、昼のトレーニングと同じ内容で彼等にもしっかりやってもらう。あくまでも昼のトレーニングがベース。例えば、夕方に練習したい。16~8人しかいない。イメージとしてはユースや、宇都宮の高校生、国体少年に参加できるならば参加してもらい紅白戦をやりたい。ユース、高校生、国体少年が同じトレーニングをやることで強く、上手くなる。13時キックオフなのに夜(トレーニングを)やるのはおかしい。キックオフ時間にあわせたトレーニングをしたい。昼に出られない選手もいい状態ならばゲーム、遠征メンバーに入ってもらう。いい選手には当然、力になってもらう」

――高橋監督はなんらかのカタチで残ると思ったのですが(新井賢太郎社長が答える)

「高橋高は22年間、自己犠牲の生活を強いられてきた。これ以上、彼に自己犠牲を強いるのは残酷極まりない。自分の人生設計、楽しみを持つようにお願いした。『自分の人生設計を作ってくれ』と伝えた。さっぱりした表情で辞めてもらった。22年間、自己を犠牲にしてきた高橋高には本当に感謝している。これからは自分の時間を持つことが大切だと考え、チームから切り離した。(国士舘大学の先輩後輩である高橋前監督と柱谷新監督は言葉を交わしていない)」

――地域密着が上手くいっているチームは。それを成すのに必要な要素は

「2000年にスペインのアスレティック・ビルバオを訪れました。バスク地方にあり、100年のリーガ・エスパニョーラの歴史でバルセロナ、レアル・マドリードとともに2部に落ちていない。バスク人しかクラブに入れない、プレイできない。サポーターに聞いたところ、その理念を曲げてまで勝ちたくないと言っていた。自分達で選手を育てていく練習環境や施設をもっている。メインスポンサーをつけず、ソシオ組織で会費を募る。そういう理念を持っているクラブは素晴らしいと感じました。栃木は関東にあるクラブ。ジュニア、ジュニアユースにはいい選手がいるが、ユース年代の環境が悪く県外へ出て行ってしまう。ユース年代の練習環境を整え、いい指導者がいれば、栃木がJでプレイし目標があれば県外へ逃げない。一緒にトレーニングをすることもできるし、ユース年代でもトップでプレイするのは全く不可能ではない。高校卒業時に戦力にもなってもらえる。そのような環境作りをやることがいいクラブの条件だと思っています。栃木県は周囲の市町村のバックアップ体制も充実している。いいクラブになる素材がある。山形での3年間でクラブハウス、人工芝を作ってもらい、移籍関係をスムーズにさせるなど組織作りをやってきました。4位以内もクラブ作りもやっていく。10年でも20年でも、このクラブでやりたい。そのためには先ず4位以内に入らないと次の契約をして頂けないので、監督としての仕事で結果を残すことに集中してやっていきたい」

――ファン、サポーターにメッセージを

「とにかくサポートして頂きたい。苦しい、辛い時期を一緒に乗り越えることが、その先の喜びに繋がる。こういう時こそサポーター、県民と4位以内、J2入りを目指したい。こういう時期を支えるのが本当のサポーターだと思っています。多くの支援をもらいたい」

<柱谷幸一> 
1961年生まれ。京都市出身。京都商業高校(現・京都学園高校)、国士舘大学を経て、日産自動車(現・横浜Fマリノス)―浦和レッズ―柏レイソルでFWとして活躍。元日本代表。監督としてモンテディオ山形、京都パープルサンガ(現・京都サンガFC)を指揮した。2005年には京都でJ2優勝、J1へ昇格させた。

独走してJ2へ行きたい@栃木SC通信

2008年6月24日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

 

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・佐藤悠介

「何もない」

・高安亮介

「ゴールだけでした。残念ながらゴールしかなかった。たままたそこ(ゴール前)にいただけ。自分達のカタチができたか?難しかった。個人的には課題が残った。(ピッチが)いいコンディションではなかったが、言い訳にはできない。(浅いラインはやり難かったか)相手がラインを下げてくることは分かっていた。裏を突くなどシンプルにやればよかった。それが出来ない時にどうするか。足元でもらって行けばいいが、単調になってしまった。失点は2つともセットプレー。中に(Pボックス内に)いなかったので、なんとも言えないが課題として残る。相手が上でも下でも関係なくボールがゴール前に入ってくるので集中しなければならない。(攻撃が停滞した原因は)蹴って弾かれたこぼれ球を拾ってから慌てずに1本繋ぐ。それがあると上手くいく。サイドチェンジも何回もやらないと。続けることで結果に繋がる」

・川鍋良祐

「前半に先制したがセットプレーから2つも失点をした。セットプレーからはもったいない。相手が7枚入ってきたことで、自分達が捕まえ切れなかった。ハーフタイムに『落ち着いて自分達のサッカーをしよう』とハシラさん(柱谷幸一監督)に言われた。後ろは慌てる感じはなかった。もう1回、0で抑えようと鷲さん(鷲田雅一)と話した。厳しいゲームでも負けないことが大事。勝点3を取れたことは大きいと思う。ゲーム内容は苦しい展開が多いが、楽な試合はひとつもないので1戦1戦を戦っていくだけです。(サポーターが)雨の中アウェーでも声援を送ってくれたことで、ホームのように戦えた」

・石舘靖樹

「蹴ってくる分だけ相手に合わせていたと思う。アルテを想定してサブの選手が蹴り込んで来るトレーニングをしたが、それに合わせてしまった部分が前半はあった。監督からは特に変わった指示はない。ラインが浅いので裏に抜ける動きを何回もやるようにと。トレーニングから何回もやっている動き。いつも通りのプレースタイル。あれをやらないと試合に出られなくなる。出来れば点を取りたかった。負けている状態で自分がどれだけやれるか。自分との戦いだった。(重苦しい雰囲気だったが)そんなに雰囲気は悪かったですか?特別には感じなかった。相手の順位が下なので勝たなければならないとは思ったが。(前期を振り返って)強いチームに勝ち切れている。負けた試合がプラスになっている。3-2で勝ちきれたのは代償は大きかったが、(負けたことが)勉強になっている。後期は全勝する。(前半の試合を観ていて)相当イライラした。セットプレーの練習もしたはず。でも、セットプレーの2失点は後期の勉強になればいい。『セットプレーからは失点しない』と、いい方向に考える。払った授業料は高かったが、強くなれば経験を積めればいい。1位をキープし、独走してJ2へ行きたい」

・落合正幸

「サポーターがたくさん来てくれてホームみたいだった。勝たなければならないと思った。0で抑える。1点取れれば流れはこっちに来る。冷静にバタバタしなかったことが勝因だと思う。粘り強く戦ったことで結果が出た。厳しいトレーニングをしたおかげでメンタル面が成長した。90分粘り強く戦えば相手が痺れを切らすと思えるようになった。サポーターからは『上がりたい』、『上がるんだ』という気持ちを強く感じる。それに対して失礼のないように選手はプレーしている。苦しい試合が続くが、引き続き応援してもらいたい。今後もやることは変わらない。いい流れを止めないように、勝ちの流れを切らさないよう戦う。(失点でトーンダウンしてしまったが)セットプレーからの失点が痛かった。相手に行けると思われた。点を取られてしまうと雰囲気が変わる。ハーフタイムに淡白にならないようにと修正し、それができたことはよかった。(セットプレーの際に)集中力はあったが、マークが足らず、ズレもあった。本当は失点をしなければよかったが、修正を図れたことは収穫だった。セットプレーから失点するのはもったいない。うちはセットプレーを武器にしているのだから」

・上野優作

「今日の後半みたいにパワーを出すことが大切ですね。厳しいゲームだったが後半は栃木の方がパワーがあった。(具体的には)一人ひとりのボールに対するアグレッシブさ、スピード、タックルの激しさなど。(それをもっと早い段階で出さなければならないと)失点をしなければよかったですよね。失点すると雰囲気が悪くなる。そのへんは課題のひとつですね。内容は兎も角、結果的に1位は評価して欲しい。天皇杯のシード権を獲得したことで栃木県から2チーム出られる。栃木SCが盛り上がれば、栃木県のサッカー熱も高まる。今年は地域貢献の一環を果たせたと思う。琉球は流通経済に4-0で勝ちましたし、沖縄は暑さもある。後期の初戦はなんとか勝ちたい。そのためにひとつひとつ、1週間しっかりトレーニングを積みたい」

EURO2008 グループC@フランス対イタリア

2008年6月24日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

ジダンとその仲間達――マケレレ、テュラム、ビエラ――の時代は終焉した。本当ならばドイツワールドカップ杯後に隆盛を極めた世代との訣別を図らなければならなかったが、ドメネク監督がそれを拒んだことでフランスは取り残された。グループリーグで奪ったゴールは僅かに1。これでは先に進めない。

オランダ、ルーマニアから奪った勝点は共に1と、ドイツW杯のファイナルで激闘を演じたイタリアとフランスは追い込まれた。最終戦で喉から手が出るほど欲しいのが勝点3であるが、仮に白星を挙げてもルーマニアがオランダを退ければ敗退が決まる過酷な状況下で決戦は幕を開けた。球際の激しさから滲む勝利への渇望。試合の入りはフランスが比較的よかったものの、トニの惜しいシュート、CKからパヌッチがヘディングシュートを放つと流れはイタリアに傾く。さらに攻撃の核であるリベリーを欠く不幸が重なる。ザンブロッタのドリブルを阻んだ際に負傷し、ピッチを去る不測の事態に見舞われる。2戦を終えて不発のトニだったがゴール前での存在感は抜群であり、使わない手はなかった。ピルロから供給された背後へのボールに足を伸ばしたトニ。ボールを吸いつけ、シュート態勢に入ったところをアビダルがたまらずファールを犯す。アビダルは一発退場し、与えたPKをピルロにぶち込まれたフランスはリードを奪われる。先制後もトニを利する賢明な選択をしたイタリア。立て続けに好機をこしらえる。フランスはPB内に人数を割かれたことでフィニッシュに至れず、逆にFKからグロッソにポスト直撃のシュートを浴びる。

追加点を許さなかったことで首の皮一枚繋がったフランスは、アンリのひとつ下に構えたベンゼマが後半早々にフリーで右足を振るも、しかしふかしてしまう。トゥララン、マケレレのダブルボランチが無理をしたことで攻勢に転じるも、デロッシにとどめを刺された。FKからの強シュートは壁の端に立っていたアンリの足に当たりコースが変わる。GKクペは逆を取られネットは揺れた。遅攻になってもシュートにまで漕ぎ付けられる力強さをフランスは見せ付けるも、決定的なベンゼマのコントロールシュートはGKブフォンに弾かれる始末。ゴールは遠く、決勝トーナメントには進めず。グループリーグで姿を消す結果となった。勝利を得たイタリアはオランダがルーマニアを下したことで、辛くも荷物を纏めて帰国する事態を免れた。コロコロとメンバーとフォーメーションをいじったドナドニ監督の采配が奏功したとは言い難いが面目は保った。

ユーロ2008 グループC フランス0-2イタリア @チューリヒ

<フランス>GKクペ、DFエブラ、アビダル、ギャラス、クレルク、MFマケレレ、トゥララン、リベリー(→ナスリ)(→ブームソン)、ゴブ(→アネルカ)、FWアンリ、ベンゼマ

<イタリア>GKブフォン、DFグロッソ、キエッリーニ、パヌッチ、ザンブロッタ、MFガットゥーゾ(→アクイラーニ)、デロッシ、ピルロ(→アンブロジーニ)、ペロッタ(→カモラネージ)、FWカッサーノ、トニ

日本対バーレーン@アジア3次予選

2008年6月24日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

日本もバーレーンも最終予選進出を決していることから、3次予選最終戦は消化試合となった。

アウェー、マナマではサッカーをさせてもらえなかったというよりも、策におぼれ墓穴を掘ったことで屈した日本。内容には乏しいものの独自の色を見せ始めた指揮官がプライドを懸けた一戦は、先発起用の佐藤寿人が裏を取りPKを獲得するが、中村俊輔のキックはGKにセーブされてしまう。PK職人・遠藤もスタメンに名を連ねていただけに勿体ない。先制機を逃した。13分、小気味よいパス交換から左サイドを本田圭祐が駆け上がり、玉田がフィニッシュ。効き足の左ではなかったことでシュートの威力は落ち、GK正面を突くが躍動感のある攻撃だった。切り替えの速さを生かしてサイドをもっと活用したかった。中村憲剛がボランチに配されたことで遠藤、中村俊輔とオシムが作り上げたトライアングルのパス回しで日本は優勢に立ち、アジアでは絶対的な闘莉王の高さで好機を演出する。流れは日本にあったがバーレーンも自陣にこもることなく前に出てきたことで非常にオープンな展開で試合は進んだ。時折、繰り出されるカウンターの切れ味は鋭かった。ロスタイムに遠藤のFKはクロスバーに嫌われ、リバウンドに詰めた本田圭祐も空振りと逸機する。

後半はスリッピーなピッチコンディションをバーレーンが生かす。アグレッシブにミドルレンジから枠内を捕らえるシュートを放った。GK楢崎が尽く弾き出すが、あまりにも打たせ過ぎた。カウンター同様に警戒が必要だったはず。日本でピッチコンディションを味方にしたのは玉田だけだった。つまり、果敢にシュートを狙う姿勢に欠けた。0-0のままスコアは動かず、闘莉王を前線に上げ、巻も投入し、なんとしてでもゴールをこじ開けたにかかった日本は、思わぬカタチから決勝点を得る。クリアボールの跳ね返りをPボックス内へとヘディングで押し返した内田。これに巻が猛然と迫る。気迫に負けたのだろう。巻はバウンドしたボールにタイミングを合わせることは出来なかったが、GKもボールを掴みきれず。内田のパスはシュートに成り代わりネットを揺らした。なんとも幸運なカタチで勝点3が転がり込んできた日本は紆余曲折がありながらも、最終的に首位通過を果たした。

飛び出すタイプの選手を中盤に並べなかったことでモビリティは下がったが、パスはそこそこ繋がり、ポゼッションでは凌駕できた。しかし、ゴールを最も脅かしたのが闘莉王というところに攻撃陣の脆弱さが顕著に現れている。選手を入れ替えることで多少の改善は図れるだろうが、個人での打開にも限界はある。立ち上げ時にぶち上げたコンセプトを煮詰めるしかないだろう。

アジア3次予選 日本1-0バーレーン @埼玉

<日本>GK楢崎、DF安田(→今野)、闘莉王、中沢、内田、MF遠藤、中村憲剛、本田圭祐(→巻)、中村俊輔、佐藤寿人、FW玉田

『前期17試合から見えたこと』@栃木SC通信

2008年6月23日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

arte2.JPG沈思黙考した末に口を開いた。

「どれも厳しいゲームだった。ベストゲームはない」

前期のベストゲームとワーストゲームは。そう問われた際の柱谷幸一監督の応答である。ホームで1―0と勝利したHondaFC戦を挙げると思っていたが、予想はものの見事に外れた。

敢えて印象に残る試合を口にしなかったのは、こんな理由からである。

「競っているゲームが多い。1点差で取ってきたが、どっちに転んでもおかしくはないゲームがあった」

勝ち星13の内、実に10が1点差と僅差である。豊富な戦力を有しても、容易に勝ち抜けるリーグではないことを、数字は如実に物語る。

それでも、シーソーゲームをものにしてきたことで、「しぶとさ」が生じたことはプラスであったと考えている。対アルテ高崎(以下、アルテ)戦も小差のゲームを勝ち切れた自信があったからこそ、気持ちを切らさずに勝利を追求し、最終的に手に入れられた。激闘を潜り抜けてきたことで、開幕時よりメンタル面は相当タフになってきている。

石舘靖樹は言う。

「負けた試合がプラスに働いている。3―2で勝ち切れるのは、代償は大きかったかもしれないが、勉強したことが実になっているからだと思う」

柱谷監督は、「チーム戦術、コンセプトが攻守において全員に浸透している」ことも収穫とした。チームとしてやるべきこと、ベースが確立され、刷り込まれていることは殊の外、大きい。負傷離脱、出場停止によりリザーブだった選手が先発しても遜色ないプレーを披露したことが、それを証明している。鴨志田誉は今や確たる地位を築いている。高安亮介はゴールにより長足の進歩を遂げた。赤井秀行は守備力の高さを見せ付けた。田村仁崇は鷲田雅一と川鍋良祐を脅かす存在へと成長している。危機を好機に変換できるのは、しっかりとした約束事と規律がチーム内に存在し、選手が理解しているからである。主力が欠けても代わりの選手が一定レベルの役割を果たす。ボトムアップが図れ、薄かった選手層に厚みが加わった。

「内容を上げて結果を残さなければ後期は苦しむ」

楽観的な言葉は聞かれない。悲観的ではないものの、「気持ちを緩めない」ことなどの重要性を柱谷監督は説く。後期に入り、2順目ともなれば相手も手の内を読んでくることは明白。苦戦は前期の比ではなくなるだろう。そこで、問われるのが「対応力」である。スカウティングとは異なる戦略で臨んできた相手に対し、策略にはまり込む前にいかに手を打てるか。動じて後手を踏む時間帯、劣勢に回る機会を減らせる柔軟な姿勢と発想が必須になる。

そして、個の力量を高めることもまた不可欠である。アルテにセットプレーから2つもゴールを献上したのは、「跳ね返す力が足りない」から。それはCBの2人だけではなく、Pボックス内に入っていた選手全員に該当する。先ずは1対1で負けない。セットプレーのみならず、流れの中でも。この大前提はファーストミーティングから口を酸っぱくして指揮官が訴えてきたことである。

再び石舘。

「セットプレーから2度も失点したことで後期の勉強になればいい。『セットプレーからは失点しない』と、いい方向に考える。払った授業料は高いですが、強くなれば経験が積めればいい」

どこまでもポジティブである。攻撃的な資質を見抜いた柱谷監督。FWへのコンバートは前期最大のヒットだろう。

17試合を消化してもアバウトにボールを蹴り込み、セカンドボールから2次、3次攻撃を仕掛けてくる相手への戸惑いは消えない。そろそろJFLの水に慣れてもいい頃なのだが・・・。ポゼッションしてイニシアチブを握ろうと目論むチームは、ほんの一握りである。チーム最大の泣き所が解決できれば安定した試合運びが可能となり、手詰まりに陥った相手を支配することは、そう難しくはない。結果に内容が伴えば、完勝が増えれば、風格は備わるはずである。試合前から相手を飲み込んでしまえば、勝率はより一層高まる。

詰めなければならない細かな点は多々あるが、今後へ向けて大雑把な要求をするならば、守備では組織的な要素に個の強さが
、攻撃では前へボールを入れることで発揮される強みにポゼッション力が欲しい。   

戦評:対アルテ高崎戦@栃木SC通信

2008年6月23日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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栃木SCサポーターはアウェー側のメインスタンドを黄色に染め上げた。収まりきれないものはホーム側に回り、スタンド最上段で立ち見するなど人で溢れかえった。公式入場者数は854人。そのおよそ8割を黄色が占めた。ただいま9戦全勝。無類の強さを誇るホームと同じ空気を、高崎は浜川競技場でも醸成させた。

「雨でもアウェーでも声援を送ってくれる。ホームのような感覚でやれた」(川鍋良祐)

45分を終えて1―2とビハインドを背負った。それを残り45分で3―2と引っ繰り返す。クロスゲームを勝ち切り、勝点3を手中に収め、前期を首位で折り返すことに成功する。「錯覚」はプラスに作用したといえる。

楽な試合などひとつもなかった前期を象徴するような一戦。

「粘り強く戦った結果」

落合正幸は日々のハードなトレーニングと実戦を通じて培われた、メンタル面の成長を勝因に挙げた。そして、粘着力はサポーターの存在なしには育まれなかったと信じて疑わない。

「サポーターからは『上がりたい』、『上がるんだ』という気持ちを強く感じる。それに対して失礼のないように選手はプレーしている」

次第に芽生え始めた勝利への義務感。それは選手のメンタルを程よく刺激し、勝利を届けなければならないとの思いを日増しに強くした。声を嗄らし、諦めることなく終了の笛が鳴るまで背中を押し続けてくれる。投げ掛けられる熱に報いなければ、応えなければならない。

「声援を受けることで『勝たなければならない』と、少しずつプロ意識が出てきた」

柱谷幸一監督は選手の心境の変化を、そう語る。

チームを強化するのは、なにも監督やコーチだけではない。厳しくも温かい眼差しでチームを見守り、共に戦うサポーターもその一端を担っている。指揮官はその力の偉大さを知り尽くしている。だからこそ、常に口にする。「サポーターの力が大きい」と。そこにはリスペクトと感謝が含まれてもいる。

 

クラブ史上初となる前期首位ターンが達せられたのは、今から3年前の2005シーズンである。原動力となった若林学(愛媛FC)のゴール量産は、遠い過去の記憶ではないだろう。あれから月日は流れ、再びJFL前期1位に授与される天皇杯シード権を他力ではなく(当時はHondaFCが躓いたことによるタナボタだった)、自力で掴み取る機会を作り出した。スタメンは2トップに上野優作と横山聡、中盤は左ワイドに佐藤悠介、右ワイドに高安亮介、ボランチは落合と鴨志田誉、4バックは左から斎藤雅也、鷲田雅一、川鍋、岡田佑樹が配され、ゴールマウスには小針清允が立った。

アルテ高崎(以下、アルテ)の頻繁な監督交代は欧州のクラブ並み。前期途中で渡辺克之監督から攻撃サッカーを掲げる幸谷秀巳氏にスイッチした。4―4―2から4―3―3への布陣変更が奏功。連勝を飾るなどちょっとしたサプライズを起こしている。定位置だった最下位から脱しもした。

栃木SCの中盤を無力化するためにアルテが選択したのは、浅いラインを敷き、全体を圧縮することだった。スペースを潰され、試合前から降り続いた雨によりピッチ状態は万全ではなかったが、ものともしない。横山が巧みにボールを誘引。両サイドからの攻撃を滑らかにする。攻め入ることが出来ていたサイドから先制点は生まれた。佐藤の左クロスを横山がトラップからシュート。GK斯波薫に1対1を制されるも、ルーズボールをゴールへパスするように高安が流し込んだ。前半15分の出来事だった。

先手を取った。しかし、試合を落ち着けられない。ここ数試合の課題が顔を出す。直接FKでゴールを脅かされ、その流れの中で与えたCKから今井雅貴に泥臭くゴールを割られる。5分と経たない内に同点とされる。

試合は振り出しに戻ったに過ぎないが、ショックを引き摺った。出足が遅れたことで、容易に危険な香りのするクロスを供給される。28分の決定的な窮地を潜り抜けるも、32分にまたしてもCKを跳ね返しきれず、阿久澤剛に強烈な一発を浴びせられる。「集中力はあったが、相手の人数が多く、マークが足りなかった。ズレもあった」と落合。「セットプレーからやられるのは勿体ない。うちはセットプレーを武器にしているのだから」と続けた。

アグレッシブに3列目から飛び出しを図った鴨志田の動きも実らず、ゴールを取り返せなかった。

「負けていたが0―0のつもりで。1点を取ったら流れはこっちに来る。もう一度、やり直そう」

ハーフタイムにそう伝えた柱谷監督は、横山を下げて石舘靖樹を投入する。開始1分のCKから川鍋が放ったシュートはクロスバーに嫌われる。だが、背後を突き、空中戦でも引けを取らなかった石舘のプレーに触発されるように、運動量が上がった栃木SCは攻勢に転じる。ショートカウンターが決まり始めた矢先だった。佐藤が右サイドの高安へ通そうとしたスルーパスを阻もうとしたアルテDF。伸ばした足に当たったボールは、予期せぬ、自陣ゴール方向へと向かう。栃木SCは相手の絶妙なループシュートからのオウンゴールで追い付く。

「一人ひとりのボールに対するアグレッシブさ、スピード、タックルの激しさなど」(上野)パワーを発揮した栃木SCは、3点目を手に入れる。右サイドの岡田からサイドチェンジのボールを受けた佐藤が左足を一振り。豪快な一発がネットを激しく揺さぶる。逆転弾は後半24分に突き刺さった。

勢いに乗った栃木SCはセットプレーから、GK斯波の肘打ち一発退場でPKを獲得。これを佐藤が左へ蹴り込む。ややコースが甘かったこともあるが、ここは交代したばかりのGK岡田大の読みが勝った。セーブされ、逸機する。絶好機を逃したものの、前半の反省を生かし、セットプレーを与えても危機を招くことはなく、3―2で逆転勝利を飾った。

「内容はともかく、結果的に首位は評価して欲しい」

そう語るのは上野。天皇杯のシード権を手にしたことで、今年は栃木県から2チームが全国を舞台に戦うことが許される。アマチュアに枠をひとつ増やした功績は小さくない。最高の地域貢献である。

積み上げた勝点は41。昨季、首位ターンした佐川急便SC(SAGAWA SHIGA FC)の39を上回り、2位を勝点で5つも離す単独首位、ご褒美にシード権を頂戴するに至るも、喜びが湧き上がってこなかったのは、「攻撃と守備で5割もやれていない」試合内容に不満を抱いたからだろう。柱谷監督の表情は何時になく険しかった。

「一区切りではなく対FC琉球戦への準備を行わなければならない。今日出来なかったことの修正を今週1週間で行うことが大事」

中断期間の設けられていないJFLの困難さを説き、既に今月29日に幕を開ける後期へ目を向けていた。

JFL前期第17節 アルテ高崎2―3栃木SC 観衆854人 @高崎市浜川競技場

〈アルテ高崎〉GK斯波薫、DF杉山琢也、阿久澤剛(→神谷恭平)、西村陽毅、床井伸太郎(→小川裕史)、MF里見仁義、工藤光俊、今井雅貴、FW久保田圭一、田中靖大(→GK岡田大)、白山貴俊

〈栃木SC〉交代:横山(→石舘)、高安(→稲葉久人)

対アルテ高崎@栃木SC通信

2008年6月22日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

前半:2-1。

後半:0-2。

ファイナルスコア:2-3。

オウンゴール、佐藤で勝利。首位ターン。

順位:首位(勝点41)◆2位:HondaFC(勝点36)

得点者:高安亮介、オウンゴール、佐藤悠介(栃木SC)、今井雅貴、阿久澤剛(アルテ高崎)

※お疲れ様です。前期が終わりました。ここまで走り続けてきた疲労が出てますが、レポート&コラムは順次アップします。

プレーバック:対アルテ高崎戦(PSM)@栃木SC通信

2008年6月21日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

1週間後に控えた開幕戦を迎えるにあたり、悔いを残さないように。総仕上げとなるアルテ高崎とのプレシーズンマッチは、集合時間、食事、ミーティングなど、当日と全く同じタイムスケジュールが組まれ、「今日が開幕戦くらいの気持ち」(GK小針清允)で選手達は試合に臨んだ。サポーターも本番に備える。今年から陣取るゴール裏からリハーサルを行った。

来週には間に合うとのことだが、大事をとってコンディションが万全ではない佐藤悠介、鷲田雅一、松田正俊の主力3選手はベンチからも外れた。栃木SCの陣容は上野優作と石舘靖樹の2トップ、中盤は左に深澤幸次、右に小林成光、底には落合正幸と向慎一が入り、DFラインは左から斎藤雅也、山崎透、川鍋良祐、岡田佑樹と並び、ゴールマウスには小針が立った。

高崎も4―4―2を選択。

序盤からポゼッションで勝ったのは栃木SCだったが、「自分は硬かった。いけるかな、と思ったが・・・」と向が言うように、全体的に体が重い。「後ろで動かして前へ入れたかった。前線と中盤の連動がなく、ボールを前へ入れられない」(柱谷幸一監督)展開が繰り返される。アンカー(舵取り役)の落合がDFラインからボールを受け、ルックアップしても前が動き出していなかった。ボールを散らすことは出来たが、ゴール方向への勝負パスは少なかった。複数人が絡んだプレーは数えるほどだった。

前線にボールが収まらないのだからサイドが活性化されるはずがない。両サイドバックは上がるタイミングを見出せなかった。タメを構築できる佐藤の不在も響く。その佐藤とコンビネーションを磨いてきた斎藤は言う。「悠介さん、鷲さんと一緒にやっていたので、正直合わせるのに時間が掛かった」。柱谷監督曰く「ぎくしゃくした」左サイドは、いつものように起点と成り得ない。それでも、向のパスに抜け出た小林の左クロスを石舘がヘディングで合わせたあたりから、カタチを崩してでも前に出る姿勢が垣間見られるようになる。34、36分には上野が連続してゴールに襲い掛かる。相手の好守に阻まれるも「コンディションは一番よかった」と上野。逸機したことには苦笑したものの、1ヶ月前のキャンプでは歩くことすら困難だったのだから驚異的な回復ぶり。果敢にゴールを狙い、ベテラン健在をアピールした。

プロ契約選手の大量解雇により「マイナスからのスタート」(渡辺克之監督)を切った高崎。昨季の低調なサッカーからの脱皮段階にある。会見ではネガティブな発言が目立つも、それほど悲観することはないのではないか。環境と待遇に恵まれていないとはいえ。

前半ゴールを奪えなかった栃木SC。後半に入ると僅かながらサッカーの質が向上するも、上野、石舘の2トップが巡ってきた絶好機を決めきれない。ボールが動くようになり、リズムも好転するなどしたが、その矢先に斎藤が2枚目の警告でピッチ外へと追い出されてしまう。幾分か動揺したのか、ミスから窮地を招く。これを耐え凌ぐと入江利和を投入し、4バックを維持。4―4―1の2ラインを敷き、コンパクトフィールドを保ち高崎の攻撃を封じては、反撃の時を待った。スルーパスに反応した川勾に冷や汗をかかされるも、GK小針の好判断で危機を回避すると、ロスタイムに交代出場の久保田勲がFKを右上段へ直接突き刺し、さらに落合のフォアチェックを足掛かりに最後は石舘が追加点を奪い去った。90分、苦しんだことが嘘のように、あまりにもあっさりと2度、ゴールネットが揺れた。

「退場者を出すのはよくないが、リーグ戦ではこういうゲームもある。勝点1、チャンスがあれば3を取るのが勝点を積み上げることになる。内容はよくないが、シーズン前にはいい経験ができた」

数的不利、スコアレスで推移した試合。ドローで勝点1を拾うことも覚悟したが、4バックのブロックで攻撃を跳ね返し、機を伺う策がはまり、勝利をものに出来たことに柱谷監督は一定の評価を与えた。表現こそ異なるが選手たちも一様に「開幕前にいいシミュレーションができた」と口にしていた。

リハーサルは終わった。いよいよ本番である。来週は開幕戦の相手、FC琉球を想定したトレーニングを入れ、勝点3を手にする確率を上げるための戦術を練り上げる。

指揮官は欲した。

「勝ちたい。なんとか勝って勢いに乗っていきたい」

プレシーズンマッチ 栃木SC2―0アルテ高崎 @栃木県グリーンスタジアム

〈アルテ高崎〉GK岡田大、DF小柴翔太、西村陽毅、山田裕也、杉山琢也、MF今井政貴、里見仁義、川勾邦明、白山貴俊(→ファブリシオ)、FW田中靖大(→田中翔太)、久保田圭一(→チアゴ)

〈栃木SC〉交代:向(→久保田)、小林(→高安亮介)、上野(→入江)

 

『JFLの笛』

試合後、挨拶に向かうチームメートを尻目に、ひとりコンクリートの壁に背を預ける。ベンチコートを羽織った斎藤雅也は俯いたままだった。顔色は優れない。ロスタイムに2ゴールを挙げて勝利したにもかかわらず、である。

落ち込むのも無理はない。先発しながら最後までピッチに立っていられなかったのだから。
 
後半22分、退場。

パフォーマンスに起因するものならばまだ救いはあるが、イエローカード2枚を提示されてのピッチ追放は、さすがに堪える。

「JFLの基準は難しい。大学時代にはとられなかった(ファール)が、とられた」
 
4年間で体に刷り込まれた感覚を他のカテゴリーに持ち込むと痛い目を見る。

同じく大卒新人の向慎一も判定基準に違和感を抱いている。序盤にカードをもらってしまった。ボディコンタクトが不可欠なボランチにとっては、致命的である。1枚カードを持っていることで、「持ち味を出し切れなかった」。厳しくいけば再びカードを出される。早々に追い出されるわけにはいかない。数的不利に陥ることを避けるために萎縮してしまった。意欲的に人とボールにチャレンジできない。際どいプレーに腰が引ける。それが硬さに繋がり、停滞していた前半の攻撃を活性化させられなかった一因でもあった。

「中盤でボールを取れた。カードをもらったシーンも、もう一歩、出足が早ければ・・・。中盤でボールを取ってチャンスを作れたはず」

向は唇を噛んだ。

リーグ戦と同様のシチュエーションで辛酸を舐めた。しかし、“JFLの笛”を肌で感じられたことは、2人にとって小さくなかったようだ。「退場したことでチームに迷惑をかけたが、これだけやったらファールになる、との線引きができた。開幕前にわかったのはよかった」と斎藤が言えば、「今日、硬さを経験したことで、次は絶対に(硬くなら)ない。思いっ切りやれる」と向もポジティブだった。
 
JFLの判定は独特であり、誰しもが受ける洗礼でもある。許容範囲を探るのは容易ではない。昨季、途中加入した上野優作も戸惑いを隠せなかったという。立て続けにカードを頂戴してしまった。判定に慣れるには多少の痛みを伴うのかもしれない。
 
だが、チームコンセプトとして「フェアネス」を掲げている柱谷幸一監督は、当然ながら不快感を露にした。

「ミーティングで選手にはイエロー(カード)をもらわないように、と言っているだけに残念。反省を求めたい。退場者を出すと厳しい、と(改めて)いえるいいゲームだった」
 
不要なファールは極力減らさなければならない。昨年、アウェーのアローズ北陸戦(0―1)を落としてしまったのは、退場者を出したからだと考えている。また、地元の人々に愛され、プロビンチャとしての地位を確たるものにするには公明正大である必要性を常日頃から訴えてもいる。
 
負傷離脱は止むを得ないが、累積警告や一発レッドにより大一番にベストメンバーを組めないような事態は回避したいし、しなければならない。定まらない笛に苛立ちをおぼえるのではなく、笑ってやり過ごせるように。郷に入れば郷に従えではないが、これまでの皮膚感覚を一度捨て去り、属するリーグに適応させなければならない。

『ウランバーナの森』

2008年6月20日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

著者:奥田英郎 満腹度:☆☆☆

デビュー作の主人公に歴史的なポップスターを持ってくるあたり、かなり大胆。後の作品の着想は全てこの1冊に詰まっていることが理解できる。お盆に関して豊富な知識が得られる特典もあり、そこそこ楽しめる。ポップスターの精神的苦悩は想像でしかないのかもかれないが、ノンフィクションだと感じさせるところに奥田氏の巧さが垣間見られる。

プレーバック:対アルテ高崎戦(後期)@栃木SC通信

2008年6月20日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

※メンバーが大幅に入れ替わっているために参考にならない可能性大

実行委員が告げる。白線が消えたことによりキックオフ時間が10分遅れることを。台風20号の影響である。空が号泣。急ピッチで作業を行うスタッフなどお構いなし。雨脚は弱まるどころか、一層激しさを増した。幸いにも田んぼ化は免れたが、ピッチコンディションは劣悪だった。

雨と“重馬場”と栃木SC。この組み合わせは芳しくない。2年連続してロッソ熊本との雨中足利決戦を落としていることが、脳裏にこびり付き離れないからだろう。長良川でFC岐阜に完勝(2―0)、遡ればザスパ草津を相手に0―3から3点を僅かな時間で一気に返した試合もあったが、叩きつけるような雨ではなく靄がかかる程度の霧雨だった。マイナスイメージが先行してしまう大雨に、ダントツの最下位・アルテ高崎(28試合を消化していまだ勝ち点6)が相手では負けられないという重圧は自ずと強くなり、試合は難しいものとなった。

5―0と大勝した前節の三菱水島FC戦から入れ替わったのは、累積警告により出場停止となったDF山崎透だけだった。サッカーのセオリー――勝ったチームはいじらない――に則った布陣はGK原裕晃、DFに左から石川裕之、谷池洋平、横山寛真、高野修栄、中盤はダブルボランチに米田兼一郎と久保田勲、左ワイドに小林成光、右ワイドに高安亮介が入り、横山聡と上野優作が2トップに配された。山崎の代役である横山寛真は国体予選と本選を除けば、本職のセンターバックでは初先発となった。

「後期はチーム力が逆転しているかもしれない」。前期(4-0で敗戦)の対戦時にそう言い残したピポ監督が突然退任し、アルテ高崎は栃木SC戦から渡辺克之新体制で再スタートを切った。

「(高野)修栄のCKが決まっていれば大量点の流れが掴めた」

柱谷幸一監督が振り返ったのは前半3分の出来事。高安が獲得したCKを久保田が蹴り、高野がニアサイドでヘディングシュート。絶妙のボールとシュートだったが、ポストに嫌われてしまう。三菱水島戦では開始早々のゴールが趨勢を決したといっても過言ではないほど大きなウェイトを占めた。それだけに、逸機したことでリズムに乗り切れなかった。

「ロングボールが多いので、セカンドボールを意識して拾えていればいいゲームになった。ルーズボールを取られていては、好機は作れない」(米田)
 
平均年齢23.3歳と若いチームはボールへの寄せが速かった。荒削りな部分も垣間見られたが、旺盛な運動量と球際の激しさを武器にイニシアチブを渡さない。高須洋平がゲームを作り、手数をかけずに小川雄司と田中靖大(この人、栃木SCのセレクションを受けた)の2トップがゴールに迫る。シンプルで無駄がなかった。攻守におけるパフォーマンスは最下位に沈んでいるチームであることを忘れさせるほどだった。
 
CKから小柴翔太が放ったヘディングは決定的だったが、枠を反れる。肝を冷された栃木SCは、横山聡と上野へクサビを打ち込むが、サポートが遅く次の展開に持ち込めなかった。左は小林と石川にFWが絡んでコンビネーションで、右は高安が単独突破を図るが、サイドからの攻撃も好機には結び付かなかった。ロビングをゴール前で上野が胸で落とし、横山聡が左足を振るもGK岡田大が好守を披露。またしてもゴールは得られなかった。
 
サイドチェンジから左の小林がカットイン。シュートはサイドネットへ。後半立ち上がりのシュートは枠外だったが、揺さ振り空いたスペースを有効利用する狙いは、ハーフタイムの指示通りだった。高安に代わり深澤幸次が投入されると活力が増し、チームとしやりたいこと、やるべきことが実行に移せるようになる。右に回った小林はクロッサー、左の深澤はドリブルを活かす突貫小僧と化したことで攻め手が見出せるようになった。

サイドから圧をかけることで閉塞感は打破される。少しずつ流れを引き寄せた。CKからフリーだった米田のダイビングヘッドは再びGKに阻止され、交代出場の小原昇のワントラップボレーはクロスバーを叩くも、3枚目の交代カード山下芳輝がついにゴールをこじ開ける。高野の右クロスはGKに弾かれるが「吸い込まれるようにボールがきて、リラックスして打てた」打点の高いボレーシュートはネットを揺すった。目の醒めるような一発にアウェイをホーム化したサポーターは沸き、ベンチも総立ちとなった。
 
サポーターを煽りに煽った山下。小林のバックヘッドスルーパスから抜け出し、GKをかわしたまではいいがシュートを打ちきれず。追加点をもたらすには至らなかった。が、警戒していた相手セットプレイを跳ね返し、1―0と僅差ながらも2連勝を飾った。
 
3試合連続ゴールを逃した(そのことを問うと本人は苦笑いを浮かべた)ものの、無失点に封じた谷池は言う。

「『スリッピーでもカバーして粘ろう』と4人で互いに声を出し、集中して守れた。大勝後の試合は難しいが、1―0で勝てたことは大きい。耐えて決めて勝つのは強いチームになるためには必要。こういう試合をものにするのは大切」
 
柱谷監督も同様のコメントを残している。

「最下位のチームに勝てると思ったかもしれないが、サッカーはそんなに簡単ではない。苦しいゲームを勝ち切ることで勝ち点3を掴み、チームにとっては自信になる。こういうゲームを勝つことがリーグ戦では必要不可欠」
 
圧勝後の辛勝。落差の大きな2試合で手にした勝ち点6からはチームの成長具合が窺える。順位が下のチームであろうともタフに戦えるようになった。メンタル面の脆弱さは薄れつつある。残り5戦5勝。昇格は依然として厳しいが、怒涛の7連勝で今季を締め括れる状態にまでチームは持ち直した。期待は膨らむ。あくまでも連勝に対してだが。

JFL後期第12節 アルテ高崎0―1栃木SC 観衆562人 @高崎市浜川競技場

〈アルテ高崎〉GK岡田大、DF石川貢、小柴翔太、山本朝陽、山田裕也、MF杉山琢也(→チアゴ)、濱岡寛、今井雅貴、高須洋平、FW小川雄司(→川勾邦明)、田中靖大(→水野和樹)

〈栃木SC〉交代:高安(→深澤)、上野(→小原)、横山聡(→山下)

 

『好敵手による触発』

焦燥感はなかった。ただし、山下芳輝には歯痒さがあった。バリエーション豊富なポストプレイは観衆を魅了するに足るものだが、FWというポジションに求められるのは結果。つまり、点を取ること。責務を果たせないことからスタメンを外され途中出場が続く。少ない時間ながら答えを出す機会は与えられていた。が、肝心要のゴールは容易に奪えなかった。チームの勝利に貢献できない。トンネルの出口に辿り着けない。その期間は思いの外、長かった。
 
柱谷監督は決断を迫られていた。前半を五分五分のスコアレスで折り返した後半。先ず深澤幸次をピッチに送り出す。サイドのてこ入れを図った。停滞した試合は徐々に動きを見せ始める。次は前線の活性化である。タイプの酷似した選手を交代する。その常套手段を敢えて用いなかった。そこには「調子のいい選手を使う」という明確な意図が存在した。上野優作に代わり登場したのは、今週のトレーニングでパフォーマンスが上向きだった小原昇。通常ならば山下を選択するはずが、この日は異なった。フレッシュな選手が攻撃をリードする。手元に残されたカードはあと一枚。ようやく起点を設けられたサイドをさらに強化するか、それとも前の選手を入れ替えるか。「最後は永井(健太)か山下で悩んだが、山下を入れた(横山聡アウト)」。結果的にこの采配はズバリ的中することになる。
 
「だいたいの感覚で。中に入れればなんとかなる、と思っていました」。高野修栄が入れたクロスボールに反応したのは小原だった。身を寄せられたことでGK岡田大はキャッチできなかった。パンチングで難を逃れるも、セカンドボールは山下の元へと向かった。右足から繰り出されたのは、スキルの高さを誇示するかのような華麗かつ豪快なジャンピングボレー。ふかしてしまっても不思議ではないシュートを突き刺した。鮮やかな一撃は攻守を連発、当たっていたGK岡田をしても止めきれなかった。

際立つのはキックの精度。コースを狙い分けたシュートが心地好くネットを揺らす。「確実に決めよう」。1本1本を無駄にしない姿勢、全体練習後の自主練習の成果がようやくカタチとなって現れた。「練習が結果に繋がった。嬉しいし、ホッとした。踏ん張ってくれたDFの頑張りに応えられた」。山下は胸を撫で下ろした。安堵するのも無理はない。前期13節の対ホンダFC戦以来、ゴールから遠ざかっていたのだから。16試合ぶりに恍惚の瞬間を味わう。

「力が抜けてリラックスして打てた。ゴールが入る時は、そんな感じですね」。ゴールの感触を思い出しながら、しかし冷静沈着に語る山下。

――前節の横山聡選手のスーパーゴールが刺激になったのでは

そう水を向けると熱のこもった言葉が返って来た。

「聡には負けられない。ライバルですから。『ライバルがやったからオレもやる』。そういう雰囲気がチームをよくする」

前の試合で待望の初ゴールをマークした深澤も、躊躇いなくシュートを打てた理由としてライバル高安亮介の存在を挙げていた。聡が高難度のボレーを決めたならばオレも。触発され闘志に火がつき山下は決勝点を叩き出せた。ハイレベルな生存競争は好循環を生み出している。

試合後サポーターに挨拶をすませると、山下をチームメイトが取り囲んだ。ゴールを決めたアフリカ人選手が披露するような歓喜の集団ダンスが始まった。飛び跳ねながら手を打つ。輪の中心にいた山下は戸惑うも空気を読み参加したが、機を見計らったように周囲は踊りを止めた。独り取り残される。お茶目なチームメイトの悪戯に山下は笑みを浮かべていた。

「久しぶりに笑顔が出た。ダンスには加わらないといけない。ああいう雰囲気はチームがひとつになっている証拠。残り試合も同じ雰囲気でやれれば、昇格する可能性も有り得る」
 
小原の加入とゴールが横山聡に危機感を植え付け、横山聡の活躍が山下のモチベーションを上げた。次は上野の番である。セットプレイ時の守備、前線からのフォアチェックと献身的な働きは特筆に価するが、2トップの一角として出場している以上「なにもできなくても点を取れれば解決する」(柱谷監督)FWの仕事をも果たさなければならない。好調なFW陣の波に乗らない手はない。

オイラの逆に賭けろ!!@ワンコインベッターの呟き

2008年6月20日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

ユーロ予想が全くふるわん。

次々と外れていく。

優勝予想も外れ、デコにC・ロナウドを目にすることも出来ず。

悔しいです。

ヒディンクは凄いわなあ。

ロシアのサッカーが観たい。

☆minitoto☆

草津対岐阜:2 なんとなく。

福岡対C大阪:0 香川、代表でも踏ん張れ。

熊本対鳥栖:2 九州はダービーが盛りだくさんだ。

徳島対仙台:2 ドゥンビア次第なのかあ。

愛媛対横浜FC:2 たぶん。

☆totoGOAL3☆

福岡1-3C大阪、熊本1-2鳥栖、徳島0-1仙台

プレーバック:対アルテ高崎戦@栃木SC通信

2008年6月19日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

※メンバーが大幅に入れ替わっているために参考にならない可能性大

受付で頂いた資料に目を通す。「各チームとの通算対戦成績」という項目があった。驚くことに栃木SCはアルテ高崎(前身のFCホリコシ時代を含む)と6度対戦して、まだ1勝しかしていなかった(1勝3敗2分け)。昨季も2戦して1敗1分けと未勝利。負け越していたのである。近年、ゴタゴタが相次いだアルテ高崎。プロ契約選手が次々とチームを去り、監督交代も激しく組織が弱体化した印象が強いことから、これほどまでに分が悪いとは思ってもみなかった。「選手は相性の悪さにこだわっていなかった」といいつつも、「相手も、うちも(メンバーが)変わっている。今年は違うぞ」と高橋監督はミーティングで言い聞かせた。

連勝しているロッソ熊本、FC岐阜に遅れを取るわけには行かない3位の栃木SC。過去の対戦成績を今季で五分に戻すべく、先ずは2勝目を、そして勝ち点3の獲得を目指した。スタメンはGK原裕晃、4バックは左から高野修栄、谷池洋平、照井篤、北出勉、ダブルボランチに堀田利明と山田智也、左に石川裕之、右に小林成光、センターFW山下芳輝の下にシャドーとして吉田賢太郎を配した。フォーメーションはお馴染みの4―5―1だった。遠征組としてアウェーでの勝利に多大なる貢献をした吉田賢太郎と山田智也。ホーム、グリーンスタジアム今季初登場となった。

大量にメンバーが入れ替わったアルテ高崎は、中盤をダイヤモンド型にした4―4―2を選択した。

福田富一知事、公約果たす。佐藤栄一宇都宮市長とユニホームに身を包み、不恰好ながらタオルマフラーを広げ(途中まで裏側を掲げていた)、サポーターと一緒に“ようやく”「県民の歌」を歌い上げた。スタジアムで4000人近い観衆と県歌を歌った知事は「県民に馴染みのない県歌を(スタジアムで)歌うことで『県民の歌』を知ってもらいたい。また、全国の各競技場で歌いたいし、聞きたい」と述べた。ご多忙だとは思いますが、知事にもなるべくスタジアムに足を運んで頂き、熱を感じ取ってもらいたい。「岐阜、熊本戦でどんな戦い方をするのか」とクラブに対する関心は高いようなので。

さて、本題に。「ジェフ(リザーブズ)戦で高い授業料を払った」(高橋監督)甲斐があった。吉田賢太郎のオープニングシュートを契機に両サイドから攻め立てる。拙い入り方をした前々節の教訓が活かされた。序盤から優勢に試合を運ぶ。大半の時間をアルテ高崎陣内で過ごした。

しかし、ゴールを脅かせない。攻め崩せない、煮え切らない時間が続いたが、高野が左から入れた低いクロスを中央で小林が合わせ損なうも、なぜか右サイドにいた石川がこぼれ球を押し込んだ。均衡を破った石川曰く「おいしかった」そうだ。確かに、プッシュしただけなのだから、ラッキーだったかもしれないのだが、その場所――ゴールに最も近い位置――にポジションを取っていたことは特筆に価する。変幻自在。神出鬼没。石川の特長が発揮された先制点だった。その後、Pボックス内で吉田賢太郎、小林がシュートするも追加点とはいかなかった。アルテ高崎は防戦一方であり、攻め手をなかなか見出せなかった。前半のシュート数はゼロだった。

畳み掛けられなかったものの、完全に最初の45分間を支配した栃木SC。後半もリズムを明け渡さなかった。堀田の縦パスに対して吉田賢太郎が潰れ、結果的にスルーのようなカタチになり小林の元へとボールが届く。守から攻へと切り替わるだろう思っていたDFの足が止まった隙を突いた小林は、ドリブルから冷静に流し込んでチーム2点目にして、栃木SC移籍後初ゴールを挙げる。

高橋監督は手綱を緩めない。体調不良により出遅れたスーパーサブ永井健太を送り出した。吉田賢太郎、山田智也と同様、今季初めてホームのピッチに立った永井。早速、持ち味である馬力のあるドリブルで突っかける。このドリブルは阻止されるもルーズボールは山下、山田智也を経由して小林に渡る。「イメージはできていたが、気持ちの強さがゴールに結び付いた」。浮き球を右足で合わせた。GK岡田大の頭上を越し、緩い弧を描いたボールはサイドネットに吸い込まれた。絶妙のループシュート。技ありである。

「ようやく、結果が残せた。他の選手が結果を出し、茅島(史彦)と永井が前節、得点に絡んでいたのでプレッシャーを感じていた。ホッとしている。やっと、チームの一員になれた、かな」

フリーでのシュートを決めきれない、クロスバーに嫌われるなど、ゴール前のポジショニングは申し分なくとも運に見放されていた小林だったが、2ゴールに安堵していた。

3点リードで勝利をほぼ手中にした栃木SC。試合から遠ざかり周囲との連係に戸惑いを見せていた吉田賢太郎を下げ、横山聡を投入する。いまだノーゴールの横山聡。「信頼している。点差が開いているから、勝負してこい」と指揮官に発破をかけられた。その言葉に発奮し、「点を取ることに集中した」。永井が突破して供給したクロスにニアサイドで詰めた。小林に続き、こちらも嬉しい移籍後、初ゴールとなった。駄目押しとなる4点を奪ってからも、前半にひとり退場者を出したアルテ高崎に、3枚目の交代カード西川吉英が容赦なく襲いかかる。だが、好機を演出するも山下はシュートを立て続けに外した。計4本のシュートを放ったが、残念ながら山下の日ではなかった。これはFWにはよくあること。悲観的になることはない。「強い相手に点を取ってくれればいいのでは」。高橋監督も特段、山下に関しては心配していなかった。

4―0で試合は終了。完勝だった。「内容は一番良い。10点中8点はあげたい」としながらも高橋監督は自身がDF出身であることから、無失点に封じながらもDF陣には納得がいかなかった。ハーフタイムには雷を落としたそうだ。

減点2としたのは、ファウルで事無きを得たが前半にCKからヘディングでゴールネットを揺らされてしまったこと、拙攻を重ねているうちにカウンターを食らいシュートまで持ち込まれたこと、だった。試合前に「相手のリスタートを凌ぐことをポイント」としていたことから「先にボールに触れるべきだった」のに、それが出来なかったことが不満であったようだ。また、「不用意なファウルからCK、FKを与えてしまった」ことも減点の対象となった。

シュートを2本しか打たせなかったにしては些か厳しい採点となったが、今後の上位チームとの対戦に向けて詰めるべきところは詰めておきたいとの思いから、あえて辛口な評価を下したのだろう。セットプレイからの失点は喫していないが、栃木SCのウイークポイントのひとつであることは動かし難い事実。良質なボールを蹴るキッカーが存在するチームに、失点する可能性が高いセットプレイの機会を許さないように心掛ける。より強固なDF組織の構築を高橋監督は頭の中で思い描いているに違いない。要求が高いことは悪いことではない。理想を更に追求してもらいたい。

JFL前期第5節 栃木SC4―0アルテ高崎 @栃木県グリーンスタジアム 観衆3833人

〈アルテ高崎〉GK岡田大、DF松本三四郎、村木伸二(→磯山和司)、濱岡寛、山田裕也、MF川勾邦明(→石川貢)、白山貴俊、今井雅貴、工藤光俊、FW小川雄司、高橋竜太(→杉山拓也)

 

『超守備的4バックからの脱皮』

左サイドバック高野修栄、右サイドバック北出勉は、ハーフラインを越えた位置に構えた。そこから高野は石川裕之を、北出は小林成光を追い越し、ゴールライン深くまで侵入した。

試合開始からイニシアチブを握った栃木SCは、両サイドから厚みのある攻撃を繰り出す。1次攻撃だけに留まらず、2次、3次と波状攻撃を行えた。その要因として両サイドバックが敵陣内でプレイする時間が長かったたことが挙げられる。
 
これまでは高野、谷池洋平、照井篤、北出の4バックだけで最終ラインからボールを運んでいたが、対アルテ高崎戦では山田智也と堀田利明のダブルボランチが交互に組み立てに参加した。ボランチのどちらかが下がることの利点は幾つかある。DFラインへ意識的に入ることで展開力が上がる、スムーズなビルドアップが可能になる、サイドバックを高位置に持っていける、など。そのなかでも、とりわけ高野と北出を攻撃参加させられたことは大きかった。

栃木SCの4バックは、サイドバックが守備に比重を置いていたことから“超守備的4バック”といわれてきた。4枚でスペースを消去することで堅牢な守備ブロックを形成した。失点数は激減した。その一方で、必ず4人が最後尾に残ることから攻撃に割ける人数は自ずと限られもした。紙の上ではサイドバックが存在していたが、実際には4人のストッパーを並べていたといっても過言ではなかった。先ずは“守備ありき”のシステムだったといえる。

しかし、今季は得点力アップを図ることをメインテーマに始動したことから、紅白戦、対外試合で積極的にサイドバックが中盤の選手の外側を回って前に出た。元J選手の個人技だけに依存せず、チーム全体でゴールを奪う、という強い意志が感じられた。

それが、見事に結実したのが先制点のシーンだった。オーバーラップした高野の左クロスからゴールが生まれた。

「トレーニングの成果が出ている。サイドバックの有効利用ができている」

クロスの精度に改善の余地がある、と言いつつも、高橋監督は一定の満足感を得ていた。進むべき方向は間違っていなかった。

最終ラインを4枚からセンターバック谷池と照井にボランチの3枚へと移行。相手2トップに対してひとり余らせるカタチをとることで、数的同数になるリスクを背負わずに、左右のサイドバックを押し出す。攻撃が肉厚となり、サイドバックがオーバーラップし、クロスからゴールへと繋げる。昨季はお目にかかれなかったカタチである。

途中から11対10と数的優位に立ったこと、相手が引いたことで余裕を持ってボール保持できたにしても、サイドアタックが機能した開幕戦の対FC琉球戦より、サイドを効果的に使う攻撃のクオリティは格段に増している。

“超守備的4バック”から脱皮し、両サイドバックがアグレッシブに攻撃に加わる2007年度版の新たな栃木SC像がくっきり見えた、といっても大袈裟ではないだろう。確実に進化している。”攻撃的な4バック”に。

※後期、PSMは明日と明後日にアップします。

涙を届けて

2008年6月19日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

お嬢さん、つまり姪っ子が海に行くそうな。

家族揃って。

羨ましい。。。涙

オイラは海は見ているが、入ってはいない。

先日も小倉で見たけどね。

そう、幼き頃に大洗へ海水浴に行った記憶が。

オヤジが滑り台を滑ったら海パンのケツの部分に穴が空いたから速攻で帰ってきたんだ。

元々うちは出不精で、そんなこともあり海はそれ以来ないね。

以後は軽井沢連発でした。

山、山、山。

近場の避暑地だもんね。

フォトグラファーデビュー?@栃木SC通信

2008年6月19日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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栃木信用金庫さんと今回もお仕事をさせて頂きました。

前回はコラムだけだったのが、第2弾では写真も使ってもらいました。

フォトグラファーとしてもデビュー?

お近くの支店(本店は特設ブースを設置)で広告を手に取って頂けたら幸いです。

宜しくお願いいたします。

フォト・ステーション@栃木SC通信

2008年6月18日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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答えは栃木。

 

 

 

 

 

 

 

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今季最多の7253人が詰め掛けた。

後期に1万人超えを目指す。

 

 

 

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準加盟ダービーを盛り上げてくれた。

メディアも相当数、訪れた。

 

 

 

okayama7.JPGボールを使っての柔軟体操。

初めて目にした。

 

 

 

 

 

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対人プレーに無類の強さ。

ギリギリまで相手の動きを見られるのはスピードに自信があるからだろう。

左サイドバックでの起用も今後は考えられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

okayama9.JPGヤクルトには飛びつけず。

しかしPKを獲得し、勝利に貢献。

新たな武器も披露した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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左足が勝負を決めた。

「質の部分でやられた」とはファジアーノ岡山・手塚聡監督。

ホーム力の具現者である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

okayama10.JPGローアングルでアップを眺めるのもいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

okayama13.JPG県民の歌の大合唱。

これだけ県歌を歌える人、他県にはいないでしょ。

凄い文化だ。

 

 

 

okayama17.JPG永井健太のような匂いを感じさせる選手。

つまり、意外性がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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力水。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

okayama18.JPGサイン攻めには、たじたじ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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点も取るし、笑いもとる。

有言実行のキャプテンは頼もしい。

EURO2008 グループ@オランダ対フランス

2008年6月18日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

初戦でイタリアを3-0で粉砕したオランダとルーマニアにスコアレスドローのフランスは、共に4-2-3-1のフォーメーションを選択。オランダが首位通過を果たすか、それともフランスが踏み止まるか。火花散る一戦が幕を開けた。

激しいプレスで主導権を握ったフランスだが、先制したのはオランダ。CKからカイトがヘディングシュートを叩き込む。Pボックス内でマークについたマルダの寄せの甘さが失点に繋がる。リードを得たオランダはポゼッションを高め、フランスの勢いを殺いだ。したたかな試合運び。掌の上で踊らされたフランスだが、ゴブとリベリーが惜しいシュートを放つなど好機ではオランダを凌いだものの、決め手に欠けた。

後半は立ち上がりからフランスがゴールに迫る。マルダのオーバーヘッドから背後を取ったアンリ。GKファンデルサールと1対1の絶好機も僅かに足元が狂う。ループシュートを枠内に収められなかった。このシュートが試合のターニングポイントだった。劣勢に回り、決定機を作られるも、しっかりと体を寄せコースを限定するなど堅い守備を披露したオランダは後半頭から登場のロッベンが躍動する。カウンターから左サイドを駆け上がり、こちらも途中投入されたファンペルシのゴールをアシストした。突き放されたことで攻撃が単調になったフランスはサニョルの右クロスからアンリがソフトタッチでゴールを挙げるも、すぐさまロッベンに角度のないところからゴールネットを突き上げられる。ワンボランチにしてからコントロールが効かなくなったオランダだが修正を図り、バランスを整えるとロスタイムに再びカウンターが炸裂し、ファンニステルローイからフェンペルシと渡り最後はスナイデルが右足を一振り。フランスにとどめを刺した。2連勝で早々に“死のグループ”をオランダは脱し、フランスは後がなくなった。

鮮やかなカウンターでイタリアに続き、堅守で鳴るフランスからも4ゴールを奪ったオランダの好調を支えるのがファンニステルローイ。先のドイツワールドカップで期待を裏切り続けたエースが、今大会では冴え渡っている。カウンター2発は左右に流れたファンニステルローイがいずれも起点となり、フィニッシュに結び付けた。ゴール数こそ少ないが、爆発的な攻撃力を生み出す原動力となっている。ロッベン、ファンペルシと組んだトリオはW杯で不発に終わるも、今回のユーロでは対戦チームにとってかなり厄介な存在となることだろう。ファンニステルローイのコンディションが崩れなければアタッキングサッカーも萎えることはない。

ユーロ2008 グループC オランダ4-1フランス @ベルン

<オランダ>GKファンデルサール、DFファンブロンクホルスト、マタイセン、オーイエル、ブラルーズ、MFエンゲラール(→ロッベン)、デヨング、スナイデル、ファンデルファールト(→バウマ)、カイト(→ファンペルシ)、FWファンニステルローイ

<フランス>GKクペ、DFエブラ、テュラム、ギャラス、サニョル、MFトゥララン、マケレレ、マルダ(→ゴミス)、リベリー、ゴブ(→アネルカ)、FWアンリ

ピッチに入ればベテランも若手も関係ない@栃木SC通信

2008年6月17日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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・向慎一(試合当日が誕生日)

「サイドチェンジして高安さん(亮介)、(佐藤)悠介さん、(斎藤)雅也の数的優位を活かそうと考えていた。(鴨志田選手との関係性は)カモはDFができる。自分の特性を活かせとコーチ陣には言われた。守備の面も考えなければいけなかったが、攻撃の参加回数が増えればこちらの守備機会は減る。カモも前に出て行ける選手だが、カモが後ろの方がやり易かった。意識的にというよりも自然と縦関係になっていた。(後半は押し込まれてしまったが)ラインが下がっていた。ラインを上げてボールにアタックできればいい。勝ったがあんなに後手を踏んではいけないし、1点を取られてしまう。(ゴール後に失点を食らってしまったが)悪い癖。前へ出るプレーを増やす。ボクがミドルを打ったように。もうひと踏ん張りすれば失点をしなかった。リードするとどうしても単調になる。ポゼッションを高め、優位に安定した試合運びをしたい」

・佐藤悠介

「いいゲーム内容ではない。ホームでは負けていないことで自信が出てきている。いいところの消し合い。いいトレーニングを積んでもいいところを消されたらこういうゲームになる。相手の時間帯があったら耐える。自分達の時間帯になったらゴールを取る。ゲーム内容に関しては悲観はしていないが、積み上げるところはある。(決勝弾が生まれる)あの時間帯は相手の足が止まっていた。サイドチェンジが出来ていた。1対1になるシーンもあった。左も右も攻められた。県民の日だから来てくれた人もいる。初めて来た人がもう一回観たいと思うようなゲームがしたかったので、勝ててよかった。(落合、岡田両選手が欠けた試合。『自分がやれば問題ない』と仰っていたが)誰かが欠けたから駄目というのはいけない。選手層に厚さがあるわけではないが、出た選手がうまくやった。試合には入れていない部分もあったが赤井(秀行)は1対1のよさがでた。イナ(稲葉久人)は途中出場だったがやってくれた。(若い選手が多かったが何か声を掛けたのか)ピッチに入ればベテランも若手も関係ない。特にはないですね。観衆が入れば自然とモチベーションは上がる。ボクが何かをしなければいけないチームはよくない。皆が逞しくなっていると思います。(セットプレーで指示を出していたが)狙ったところに蹴るも中とのタイミングが違っていた。前半はセットプレーを活かせるところがあった。(ゴール後に今回も失点を喫してしまったが)ビデオで確認していないのでなんとも言えないが、相手が前に来るのを凌げていないのは力不足。自分達のミスで攻められている場面がある。集中力が欠けているとは思わない。中の選手は一生懸命やっている。ただ、守りきれていないのは積み重ねないといけない。究極はボールを持ち続けること。そうすれば攻められない。一発のカウンターで点を取れればいいが、引かれた時にどれがけボールを持てるか。こちらが上位で相手が下位の時にはポゼッションを高くすることが課題」

・赤井秀行

「勝てて嬉しい。一安心。集中を切らしたら、その一本でやられる。サイドにボールを散らしてくるので1対1で負けない。CBとの連係を意識した。人が入ると緊張するが声援は気持ちよかった。(初出場では悔しい思いをしたと思うが、初先発にあたりどんな気持ちで臨んだのか)弱気にならずに強気で向かっていこう。自分の特長を活かしていこうと。準備はできていました。相手がサイドから中へ切り込んできたのでDFの意識を高くした。高安さんが前にいて、攻撃は高安さんがやってくるので穴を埋めようと。攻撃面はミスが多かったですね。(後半、押し込まれたが)セカンドが拾えない。ボランチが引き過ぎてクリアボールが拾えなかった」

・上野優作

「大卒5人で勝手に盛り上がってましたよ。心配はしていない。逆に頼もしかった。イナが出て勝ちきれたのは大きいですね。ヒデもいいプレーをしていた。オカが3枚目のカードをもらってから準備は出来ていたみたいですし。(ファジアーノはコレクティブなサッカーをしていたが)守備は堅かったですね。しっかりしていた。2トップとボランチ間で例えばシン、悠介、亮介が入ってボールを受けると違った攻撃ができる。ロングパスが多かったですよね。それが悪いわけではないが、入れればカタチを作れた。(終盤の劣勢は)うーん、こっちのミス、クリアボールが繋がらない、僕達が前へ運べなかった。相手もパワーがありましたね。失点も押し込まれた時間帯。やられると思っていたらやられてしまった。そのへんは課題ですね」

・稲葉久人

「相手のSBが攻撃的。守備から入るように。守備から攻撃。相手SBの裏を狙え。左からいいボールが来るから準備はしておけと。(佐藤選手にボールを叩く前にドリブルで仕掛けた。あの思い切りのよさが活きたか)試合に出ていても遠慮がちで、空回りの原因になっていた。いいアピールが出来ていなかった。貪欲さを意識してプレーした。今までは周りに迷惑をかけていたので。1週間前からフレッシュな状態で入るのだから皆よりも動かないといけないと考えていた。そういうプレッシャーの中で結果が出せたことは大きい。向、斎藤、川鍋選手も出ていたので、自分も同じピッチに立たなければいけないと感じていた。(特長は)相手の裏を突くスピード、嗅覚です。こぼれ球を決めることが多い。ごっつぁんゴールだが、そこにいることが大事。(今日は嗅覚が発揮されたと)直感スかね。ここにくるだろうと。悠介さんもここだと思って出してくれた。金曜日の紅白戦でも決めていた。今後は高安さんにないものを見せられればいい」

『緩やかに成された融合』@栃木SC通信

2008年6月16日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

  
283.JPG大卒新人が5人もスタートから起用されることに対して不安は感じなかったそうだ。むしろ、頼もしかったとチーム最年長の34歳、上野優作は言う。

「大卒の5人で勝手に盛り上がっていましたからね。心配はしていなかった」

続けて初先発の赤井秀行を、こう評した。

「ヒデはいいプレーをしていた」

栃木SCでのJFLデビューはアウェーでの対佐川印刷SC戦、後半のロスタイム(流通経済大学でリーグ戦は経験済み)。守備固めで投入された赤井は、左サイドバック(以下、SB)に配された。左右のSBに加え、センターバック(以下、CB)も可能なポリバレントな選手である。1点を守り切る状況でピッチに立つも、自らの持ち場から同点被弾のクロスを上げられてしまう。応対したのは佐藤悠介であったが、悔しさは残ったはずである。その後、ベンチには辿り着くも、僅か数メートル、眼前のタッチラインを越えることは困難を極めた。攻守に卒がなく、抜群の安定感を誇る岡田佑樹が同ポジションに君臨していたからである。挽回の好機はなかなか得られなかった。

右SBのファーストチョイス、岡田が累積警告により出場停止となった。やっと巡ってきた先発機会。心の準備は既に岡田が3枚目のカードをもらった時点から出来ていた。特長である1対1の強さ、CBとの連係を意識して試合に臨む。

「弱気にならずに強気で向かって行こう」

序盤からファジアーノ岡山(以下、ファジアーノ)は赤井のサイドから攻略を図る。このゲームの鍵はサイドの攻防にあった。そのことを赤井はしっかりと認識して試合に入っていた。

「サイドにボールを散らしてくるので1対1では負けないように」

気負いはあった。が、浮き足立った時間は長くなかった。強みである対人プレーでは飛び込まず、自分の間合いに引き込んでから足を出し、進撃を阻む。後手を踏むことはなかった。持ち味の守備力は遺憾なく発揮され、守備組織の強度を強めた。カバーリングも冴え渡る。

「高安さん(亮介)が前にいたので、攻撃は高安さんがやってくれる。後ろで穴を埋める」仕事に徹したが、前半19分にはスペースがあると見定めるやドリブルで持ち上がる。最終的に高安の際どいシュートを引き出した。敵陣深くまで侵入する回数は皆無に等しく、攻撃参加は数えるほど、赤井曰く「攻撃ではちょっとミスが多かった」ものの、スピードもあるだけにえぐってからのクロスも今後は期待が持てる。

シーズン前にはフィットできなかったことで「追試」を科された。失点の大半は赤井のサイドからだった。対ファジアーノ戦も結果的に赤井のところから供給されたクロスが同点弾に繋がるも、「十何試合目で初先発。あれだけやれたのはトレーニングをしっかりやっていた証拠」と、柱谷幸一監督は高評価を与えた。岡田を右ワイドに、赤井をそのひとつ下で組ませる考えがあることも口にした。

岡田が復帰すれば取って代わられる。それでも、勝利に貢献できたこと、手応えを得られたことに充足感を抱いた。

「勝てて嬉しい。一安心」

赤井の笑顔が弾けた。

3度ピッチに立つも出場時間は、たったの29分。上野、横山聡、松田正俊に石舘靖樹の4人をローテーションするFWの位置に、稲葉久人の居場所はなかった。交代出場するも、ポジションはいずれも右ワイド。スタミナの切れた高安に代わり、後半34分に送り出された位置は今度も右ワイドだった。相手のSBが攻撃的だったこともあり、「守備から入るように」との指示を受ける。守備に神経を割きつつも、しかしスコアが1―1だったことで、こんな言葉も掛けられる。「相手のSBの裏を狙え。左からいいボールが来るから準備はしておけ」。

「直感ですかね。ここにくるだろうと」

背後を取るスピードと嗅覚で勝負するプレイヤーと自己を語る稲葉。ゴールの匂いを敏感に嗅ぎ取った。佐藤悠介のピンポイントクロスを頭で突き刺す。ワイドの選手がPボックス内でヘディングシュートを決めるカタチはトレーニングから繰り返されていた。

「金曜日の紅白戦でも決めていましたから」

ゴールはトレーニングの賜物であるが、ゴールを決められる位置に走り込むことは容易ではない。生まれ持った才能のひとつだろう。

「いいポジションにした」

FW出身の柱谷監督も手放しで褒め称えた。

今まで派手に映る外見とは異なり、稲葉は試合に出てもどこか控え目だった。覇気に乏しく、泥臭さは影を潜めた。そのギャップの真相を本人が明かした。

「これまで試合に出ていても遠慮があり、空回りの原因になっていた」

試合に入り込めていなかった。「周りに迷惑をかけていた」。そこで、一念発起する。1週間前から心に決めていた。フレッシュな状態で入るのだから皆よりも動き回ろう、貪欲さを意識したプレーをしようと。ゴールの切っ掛けは、自らが作り出した。前を向き、アグレッシブにドリブルを仕掛けた。思い切りのよさが佐藤にボールを託してから状況を傍観するのではなく、ゴール前に飛び込んでいく姿勢として結実した。攻撃的な選手は強引なくらいが程よい。高安がゴールにより脱皮したように、稲葉も結果を残したことでブレイクスルーする確率は低くない。

佐藤の不在時には石舘と鴨志田誉が特性を生かして難局を乗り切る一助となった。落合正幸と岡田を失ったファジアーノ戦も苦しいメンバー構成となったが、向慎一、赤井、稲葉とピチピチした若手が奮起し、勝点3を呼び込んだ。ただし、“背骨”となるGK小針清允、鷲田、佐藤、上野のベテラン勢の存在と、町田秀三、阪倉裕二コーチの熱血指導を忘れてはいけないと柱谷監督は付け加えた。

「ボクが何かをしなければいけないチームはよくない。皆が逞しくなっている」

現在のチーム状況を佐藤は、そう見ている。

開幕から固定メンバーで戦ってきたことで、一時はバイオリズムが落ち込んだ時期もあったが、主力が抜けるという逆境を乗り越えたことでチーム力は養われた。つまり、選手層は厚みを増し、全体の底上げが図れた。各ポジションに先発しても一定レベルのパフォーマンスができる、バックアッパーが控えていることは勝利が得難くなる今後へ向けて心強い。

昨季、続投が決まってから柱谷監督は常々大学生、しかもトップレベルでプレーする選手の質の高さを強調。資金面の問題もあるが大量に獲得する方向性を示していた。精力的に動きオフに行ったチーム編成が間違いではなかったことが、若手の台頭により証明されている。

若手とベテランの融合は緩やかに成され、強者になるための階段をまたひとつ上った。
  

戦評:対ファジアーノ岡山戦@栃木SC通信

2008年6月16日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

321.JPG1月のファーストミーティングで柱谷幸一監督が今季の理念として掲げたのは3つ。結果、内容、フェアプレーである。

とりわけ強調したのが結果。所属選手全員がプロ契約を結んだことで、「プロである以上、当たり前」と話し、突きつけた要求が「ホーム全勝」だった。勝負に徹するシーズンに相応しい、退転の決意が如実に表れている目標である。勝ち続ければクラブの財政基盤を安定させるのに不可欠な観客動員にも結び付く。だからこそ、スタジアムへ再び足を運んでもらうために、栃木のサッカー熱を上げるために、カタルシスを得られるゲーム内容と同等に勝利が必要とされることを声高に訴えた。

前期に組まれたホームゲーム9試合を、栃木SCは見事に全勝で終える。傷ひとつない、綺麗な白星が並んだ。指揮官の過酷なノルマを半分クリアした。

整えられた環境、熱狂的なサポーターの応援など、枚挙にいとまがないほどのプラス要素が集中力を高め、試合への入り方を滑らかにする。対照的にアウェーでは比較的リーグの中で恵まれた状況がマイナスに作用し、勝点が伸び悩む一因となっているのだが。

「負けたり引き分けたりした後に今季は必ず勝つからね。それが大きいよ」

コールリーダーのシゲルさんは、昨季との違いをそう語る。

選手達の中には芽生えつつある。敗戦を喫する、或いはドローで勝点を取り逃しても、ホームに戻れば立て直しが図れるという強い思いが。キャプテンの佐藤悠介は、現況をこんな風に感じ取っている。

「ホームで負けていないことで自信が出てきている」

いつかは途切れるかもしれない連勝に怯え、プレッシャーに押し潰されることなどない。根城に帰れば自分達は負けないという心理。その働きは思考をポジティブにし、気持ちの切り替えを促進している。ホームゲームでの勝利に対する強い意識が「ホーム力」を培い、優勝争いを繰り広げられている好循環を生んでいる。


久方ぶりのアウェーでの勝利と引き換えに、中盤のオーガナイザー落合正幸と右サイドで職人芸を披露していた岡田佑樹が揃って出場停止と、代えの効かない選手を2人も欠く事態を招く。佐藤の3試合出場停止に匹敵すると言っても過言ではない。前節、奪取した首位のまま折り返すには、乗り越えなければならない難しい試合に直面した。栃木SCの布陣はGK小針清允、DFは左から斎藤雅也、鷲田雅一、川鍋良祐、赤井秀行、中盤は底に向慎一と鴨志田誉、左ワイドに佐藤、右ワイドに高安亮介が据えられ、上野優作と横山聡が2トップを組んだ。5人もの大卒新人が先発起用され、最終ラインには鷲田を除き“北京五輪世代”が3人も名を連ねた。

さて、6月15日は栃木県民の日であり、クラブが株式会社化して1周年のメモリアルデーでもある。「県民の歌を1万人で大合唱」と大々的な告知を刊行。そのかいもあり1万人には達しなかったが、開幕戦の6338人を超える7253人が集う。恥ずかしい試合はできない。

異例の地域リーグ所属時代に「J2準加盟」の権利を得たのが、ファジアーノ岡山(以下、ファジアーノ)である。中国リーグ、全国地域リーグ決勝をトップ通過した実力に偽りなし。HondaFCを開幕で食すとカターレ富山、SAGAWA SHIGA FCも撃破した。一時は首位に立つほどの快進撃も、昨季の下位チーム相手に苦戦を強いられ、ズルズルと順位を下げた。どうやらチームの体質として強敵には高いモチベーションで挑めるが、その反面ちからが劣ると自己判断した相手には手を焼くようだ。

対戦前の順位では栃木SCが勝る。つまり、ファジアーノが闘志を剝き出しにする材料は整っていた。スタートダッシュに成功。左サイドを軸に攻撃を仕掛け、持ち味のひとつであるセットプレーの流れから、中盤に下がった喜山康平がヘディングシュートを放つ。ゴールを脅かされ、拙い立ち上がりの栃木SCも、特長であるセットプレーから上野が競り勝つなど応戦した。序盤はセットプレーの攻防が続いたが、徐々に互いの2トップを2CBが抑え込んだことで、試合は拮抗した展開となる。

サイドに上手く蓋をされ、手詰まりに陥っていた栃木SCであるが、開眼した高安が果敢にシュートを打つと活気が生じる。縦だけではなく内側へルートを開拓したことが奏功。圧を掛け、DF陣を揺さぶる。全体の動きも軽快になる。前線から骨惜しみない横山聡のフォアチェックが守備組織を強固にし、ファジアーノは打つ手がなくなる。

手綱を握ったはずだったが、41分に朝比奈祐作に至近距離から決定的なシュートを浴びる。ここはGK小針が腕一本で叩き落とすビックセーブで凌ぐも、44分にFKとカウンターから冷や汗をかかされるなど、相手に盛り返される後味の悪さを残した。

後半の立ち上がりもファジアーノのリズムで試合は進んだ。前を向いてのプレーを許してしまう。しかし、前傾姿勢になった相手の逆手を取り、スペースを利するボールと動きが目を引くようになると栃木SCは攻勢に出る。12分、鷲田から高安へと良質なロングフィードが届けられる。高安は迷わない。1対1を制し、PKを勝ち取る。これをGK李彰剛の間合いを外し、佐藤が左隅にきっちり沈める。

先制後も前半はミスの目立った向と鴨志田のダブルボランチがゴールに迫るなど、追加点を狙いに行く。畳み掛けてリードを拡げようとするも、単純なミスが重なったことでファジアーノに息を吹き返されてしまう。怒涛の反撃を守備陣が身を挺して脱するが、持ちこたえられなかった。29分に喜山の左クロスから小林康剛にヘディングをぶち込まれて同点とされる。失点直前、栃木SCは5人で攻め込んでいた。カウンターを打ち込むも、防がれると戻りが遅れる。鴨志田がディレイさせるも、味方は帰陣してこない。人数は足りていたが、バランスが崩れていたのも事実。一瞬、切れた集中力が仇となる。

後半の頭には既に疲労の色が濃かったという高安を下げて稲葉久人を投入。松田正俊を送り出してパワープレーの選択肢も用意されていたが、柱谷監督は稲葉に賭けた。この交代は吉と出た。

ドリブルで中へカットイン。左の佐藤にボールを預け、自身はゴール前へ。絶妙のタイミングでマーカーを振り切った佐藤のクロスを頭で叩いたのは稲葉だった。県民の日に地元、小山市出身のルーキーがゴールを決めたことでスタンドは爆発。手拍子は足が止まり始めていた選手を叱咤し、陣形を久保田勲と深澤幸次を入れて中盤に厚みをもたせる4―1―4―1(4―5―1)へシフトさせたことでセカンドボールが拾えるようになり、2次攻撃を阻んだ。ニューウェーブ北九州戦では5バックで逃げ切ったが、今回は中盤を肉厚にしたことで準加盟ダービーを勝ち切った。大観衆に勝利をプレゼントできたことに加え、ホームでの不敗が継続されたことに選手と柱谷監督は安堵の表情を浮かべた。

頬を緩めたのも束の間、引き締め直した柱谷監督は言った。

「得ているものはひとつない。しっかり勝って前期を締め括りたい」

まさにその通りである。16試合を消化した時点で首位に居るだけに過ぎない。次節、対アルテ高崎戦に勝利することで初めて天皇杯のシード権が得られる(ドローなどケチな考えは持っていないだろう)。栃木県のサッカー界のためにも首位ターンを叶え、枠をひとつ増やしたい。

JFL前期第16節 栃木SC2―1ファジアーノ岡山 観衆7253人 @栃木県グリーンスタジアム

〈栃木SC〉交代:高安(→稲葉)、向(→久保田)、横山聡(→深澤)

〈ファジアーノ岡山〉GK李彰剛、DF尾崎雄二(→大島翼)、伊藤琢矢、木村允彦、野本安啓、MF妹尾隆佑(→小林優希)、小野雄平、喜山康平、FW朝比奈祐作(→玉林睦実)、小林康剛
  

対ファジアーノ岡山戦@栃木SC通信

2008年6月15日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

前半:0-0。

後半:2-1。

ファイナルスコア:2-1。

佐藤、稲葉で勝利。

得点者:佐藤悠介、稲葉久人(栃木SC)、小林康剛(ファジアーノ岡山)

順位:首位(勝点38)◆2位:HondaFC(勝点35)

※お疲れ様でした。前期の9回分、マッチデーを読んで頂きありがとうございました。レポート&コラムに取り掛かります。

アジア3次予選@タイ対日本

2008年6月14日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

灼熱の地マスカットから多湿のバンコクへと移動した日本代表は、勝点3が絶対条件と些かのプレッシャーを背負いながらタイ代表と相まみえた。

長谷部のドリブル突進からのシュートがタイのゴールを脅かし、先制パンチをヒットさせた日本は延々とイニシアチブを握り続ける。ごっそりと奪ったセットプレーから均衡が破れたのは23分。ショートCKから遠藤と中村俊輔がパス交換し、遠藤がファーサイドへと蹴りこんだボールを叩きつける、お手本のようなヘディングシュートを闘莉王が決める。16分にも闘莉王は競り合いを制し、玉田のサイドネットを突くシュートを導き出していた。序盤から狙っていたカタチから先手を取る。その後もタイ陣内で試合を運び、遠藤の直接FKはクロスバーに嫌われるも、キックの精度の高さは38分にCKから中沢のゴールをお膳立てしたことで際立つ。右足の負傷をおして出場した中村俊輔に代わり2アシストをマーク。横の動きを入れず、縦へとボールを意図的に動かした日本は、高さとセットプレーという対アジアに最も有効な攻撃からリードを得て45分を折り返すが、内田のクロスは引っ掛かる回数が目に付き、大久保の愚行により先発のお鉢が回ってきた香川が空転と中心選手におんぶに抱っこの状態でチームとしてのパフォーマンスはさほど高くはなかった。

全くボールに関与できない。ピッチから消えてしまった中村俊輔を後半もピッチに立たせた岡田監督の采配が裏目に出る。どうして引っ張り続けたのだろうか。引っ込める決断を下してもよかったはずである。ボディブローのように気候条件が日本を苦しめ、数的不利に等しい状態で戦ったのだから、ホームのタイが優勢に試合を押し進められたのは偶発的なものではなかった。後手を踏むシーンが散見される。足が止まるチームメイトを尻目に1トップ起用の玉田は中盤まで下りてボールを落ち着かせ、サイドから果敢に仕掛けては香川の決定機を演出もした。機能停止した中村俊輔に足を攣った松井を交代させたのは24分と選手交代は遅かった。スタミナの切れないタイは時折、鋭い攻撃から日本ゴールへ詰め寄る。苦しい対応も耐え凌いだ44分に、中村俊輔に代わり投入された中村憲剛が背後を取りゴールネットを揺らす。ようやく3点目を手にする。終了間際に途中交代の矢野がカウンターから打ったシュートは枠を外れタイムアップ。

内容よりも結果が重視された試合で勝点3を奪えた。アウェー2連戦は疲労度を強め、本来のプレーを困難にさせるかもしれないが、あまりにも求めているものが低い。相手を侮ってはいけないけれど、勝利を掴んだことしか残らない、先が見えない試合だった。

アジア3次予選 タイ0-3日本 @バンコク

<日本>GK楢崎、DF駒野、闘莉王、中沢、内田、MF長谷部、遠藤、松井(→矢野)、香川(→今野)、中村俊輔(→中村憲剛)、FW玉田

EURO2008 グループC@イタリア対ルーマニア

2008年6月14日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

オランダとのグループリーグ初戦。3-0と蹂躙されたイタリアは布陣をいじる。4-3-2-1(4-3-3)から、1トップのトニの下に右からペロッタ、デルピエーロ、カモラネージの3枚を並べる4-2-3-1へ変更。更に中盤の底にデロッシ、DFラインの左にグロッソ、中央にキエッリーニを起用するなど、先の敗戦から5人を入れ替えて背水の陣でルーマニア戦に臨んだ。

シャドーストライカーのデルピエーロが的確なポジショニングからトニをサポートし、左右からグロッソとザンブロッタが再三再四クロスを供給。立ち上がりからイタリアはフルパワーでルーマニアを潰しにかかる。立て続けにセットプレーを得るが、しかし好機には繋がらず、逆に15分を過ぎるとルーマニアにゴールを脅かされる。スルーパスに反応したムトゥがGKブフォンと1対1を作り出したのを皮切りに、やや距離のあるところからタマシュが強烈なキックを打ち込み、キブが蹴ったFKはパヌッチに当たりゴール方向へ向かうもポストに嫌われる。イタリアとしては命拾い。押し込められながらも決定機では勝ったルーマニアであるが、ラドエが味方と交錯し、負傷退場すると流れは再びイタリアに。ラトが放った強シュートもポストをなめた。素早くクロスを入れてトニを活かそうとしたイタリアは強引なまでにゴールをこじ開けようと試みる。この策は功を奏する。38分にペロッタ、39分にキエッリーニがトニの落としたボールから詰め寄り、トニ自身もヘディングシュートを枠内へ飛ばす。が、GKロボントが立ちはだかりゴールは割れなかった。ロスタイムにはショートCKと変化をつけ、トニがネットを揺さぶるが判定はオフサイドでノーゴール。ミリ単位の判定にイタリアは泣くことになる。

トニの高さは冴え渡るも前半、飛ばしすぎたツケが後半の頭から如実に感じ取れたイタリア。10分、奪われてはいけない先手を許す。ルーマニア陣内から蹴られたFKをザンブロッタが頭でGKに戻すところを狙っていたムトゥがしたたかにプッシュ。抜け目のなさを披露する。窮地に追い込まれたイタリアであるが、すぐさまCKからキエッリーニの折り返したボールをパヌッチが執念で押し込み振り出しに戻す。自陣に引きこもっていた時間帯の長かったルーマニアだがリスクを背負い攻撃回数を増やし、イタリアはそれを逆手に攻める構図が繰り返された。ルーマニアはD・ニクラエが、イタリアはデロッシがPボックス内で突き放す機会を得るも、互いに決めきれずに迎えた34分。ショートCKからニアサイドに走りこんだD・ニクラエの首元を掴んで引き倒したパヌッチがPKを献上。命運尽きた、かに思われたがキッカーのムトゥのコースは甘く、GKブフォンが手足を使い渾身のセーブで危機を脱した。ショックの色を隠せないムトゥはベンチに下げられた。再び疲労が顔を覗かせイタリア。動きは鈍るも、トニの「頭」は依然として有効であり、嵩にかかって攻めたはいいものの、ルーマニアの壁を再度、突き破ることは叶わず、つまりイタリアは2戦を終えた時点で勝点1しか手に出来なかった。世界王者は絶壁へと追いやられた。逆転機を逃したルーマニアであるが強者に対して2戦連続のドローで着実に勝点を積み上げ、フランスがオランダに屈したことでグループ2位に浮上した。最終戦は次のラウンドへの進出が決したオランダと好都合。フランスとイタリアの勝敗次第ではあるものの、条件としては他の2チームに比べて優位に立った。アドバンテージを活用し、”死のグループ”を潜り抜けたい。

ユーロ2008 グループC イタリア1-1ルーマニア @ベルン

<イタリア>GKブフォン、DFグロッソ、キエッリーニ、パヌッチ、ザンブロッタ、MFデロッシ、ピルロ、ペロッタ(→カッサーノ)、デルピエーロ(→クアリアレッラ)、カモラネージ(→アンブロジーニ)、FWトニ

<ルーマニア>GKロボント、DFラト、タマシュ、ゴイアン、コントラ、MFキブ、ラドエ(→ディカ)、ムトゥ(→コチシェ)、ぺトレ(→ニコリア)、コドレア、FW D・ニクラエ

U-23日本代表対U-23カメルーン代表

2008年6月14日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

北京五輪本番で対戦するナイジェリアを想定した強化試合に、U-23日本代表は挑んだ。

トゥーロン国際を経てチームのベクトルが定まったのだろう。最終予選時よりも攻守において整理がなされていた。数的優位を攻撃、守備において作り出しては、カメルーンの身体能力の高さを引き出させなかった。プレスがしっかり機能していたのは以前よりも1トップに配された森本の守備への意識が格段に高まったからであり、トップ下に起用された谷口の存在が大きい。所属チームではボランチを務める谷口だが、競り合いや空中戦に負けないフィジカルの強さ、ミドルを狙えるシュート力、後方から機を伺い飛び出せる力など、ひとつポジションを上げてFWと流動的に絡めるのは面白いアイディア。距離感の修正を図れれば、攻撃に厚みが生じるのではないだろうか。

8分に梅崎の右クロスからの絶好機を外した森本。このチームは1トップへボールが収まらなければ攻撃力がダウンするだけに、Pボックス内のパワーと託されたボールを決死の覚悟でキープする力を限られた時間の中で養わなければならないだろう。森本への良質なクロスを上げた梅崎に今度は好機が訪れる。25分に左から田中がチャレンジして供給したクロスをコースを狙い済ましてボレー。的確にボールをとらえるもGKの好守に阻止された。決定機を2度も逸した日本だが、スピーディでアグレッシブなサッカーで終始、カメルーンを圧倒。守備陣もCKから危ないシーンを迎えるがGK西川がシュートを叩き落として事なきを得る。吉田と水本のセンターバックは相手FWにイニシアチブを与えず、逆に握る逞しさを披露した。中央の守備が強化されたのは好材料だろう。

森本のパスミスからカウンターを受けるなど後半立ち上がりの10分は、”不屈のライオン(カメルーン代表の愛称)”が牙を剥くも、上手くやり過ごし、李の投入でやや失速気味だったペースを取り戻す。その李は本田圭祐のパスからシュートを果敢に放つなど、持ち味を発揮して猛アピール。爛々と輝く瞳が蓄える闘争心はこのチームにとって不可欠なものとなりつつある。交代出場の李を筆頭に水野、上田、エスクデロ、伊野波(青山敏弘は出場時間が短すぎた)もスタートからのメンバーと遜色ない動きをした。伊野波は40分にオーバーラップから決定的なシュートを打つもブロックされてしまう。特色を出し切れなかったカメルーンであるが、最後の最後では足を伸ばしてシュートブロックするなど、元五輪王者の意地を垣間見せた。ロスタイムには水野がゴール前でFKを直接、蹴り込む。巻いて落ちる独特の軌道はゴールへ向かうも、クロスバーに嫌われ、ネットを揺らせなかった。好機を結果に繋げられなかったが、ゴールに迫れるように、脅かせる回数が増えたことは成長した証だろう。

平山というこの世代の核が抜けることになったが(最終メンバーの発表はまだだが選出は厳しい)、トップに安易にロングボールを蹴り込むサッカーからの脱却が図れ、局面をシュートパスで打開し、運動量とアジリティで勝負できるチームへと変貌を遂げられた。立ち上げ当時には全く存在しなかったワクワク感が、高揚感が伝わってくる。平坦ではない道のりを歩んできたことが無駄ではなかったことを、このチームは証明しつつあるのではないだろうか。確実に発展を遂げており、我々がカタルシスを得られるに足るパフォーマンスを見せ付けようとしている。

強化試合 U-23日本0-0U-23カメルーン @国立競技場

<日本>GK西川、DF田中、水本、吉田、森重(→伊野波)、MF本田拓也(→青山敏弘)、梶山(→上田)、本田圭祐、梅崎(→水野)、谷口(→エスクデロ)、FW森本(→李)

I LOVE EURO@ワンコインベッターの呟き

2008年6月13日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

開催国のスイスが早々と予選敗退。

予想外です(あの外人風味)。

これでベスト4予想は見事に外れてしまったわけで・・・。

原氏と中西哲生には負けられないので、ポルトガルには優勝してもらいましょう。

C・ロナウドのプレーはダイジェストでしか見ていない。

ゴールはいずれも綺麗なので今大会もゲームクオリティは高いのでしょうね。

「I LOVE EURO」

おぉ、すんげえジャージィ着てるじゃんと思ったらブーちゃんだった。

なぜに、あなたは、それを選んだの?

☆toto☆

草津対徳島:2 ドゥンビア炸裂してるね。

愛媛対水戸:1 蜜柑食いたい。

山形対仙台:0 譲らず

横浜FC対岐阜:1 徐々にすみわけ?

C大阪対甲府:1 甲府は苦戦中?

鳥栖対湘南:2 佐賀にも遠征してみたい。

広島対福岡:1 小倉はよかったよー。『東京タワー・・・』の舞台とは思えないほど。

水戸対広島:2 11月の遠征費をためないと。

草津対岐阜:0 どっちもどっち。

福岡対C大阪:1 小倉の子はなんで、あんなに綺麗なんだろう。コンビニの店員、美人すぎるから。

熊本対鳥栖:2 熊本2度も行きはぐったからなあ。

徳島対仙台:2 順当にはいかない?

愛媛対横浜FC:0 勘だね全部。

☆minitoto☆

草津対徳島:1、愛媛対水戸:2、山形対仙台:1、横浜FC対岐阜:1、C大阪対甲府:1

☆BIG☆

オイラの予想とほぼ一緒。つまりハズレ。

266

2008年6月13日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

会ったぞ。

「266ゴールの男」を撮った男に。

凄いいい人だった。

童顔だったので年下だと思っていたら、年長者でした。

外見では分からないものです。

6年もクラブを追っているとのこと。

オイラは今年で栃木SC5年目。

まだまだ、だねー。

てか、久々にぼやいたなあ。

ご無沙汰だったからねえ。

本家は結構、ぼやきまくってるみたいですな。

朝刊のスポーツ面は先ず、ぼやきから。

オイラだけだろうなあ。

フォト・ステーション@栃木SC通信

2008年6月11日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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ポスター等は多かったが観衆はちょっぴり寂しかった。

もっと盛り上がっているとばかり思っていたので。

 

 

 

 

 

nw2.JPG博多では、これのアビスパバージョンを見たなあ。

平和台球場跡地で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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グッズはどこのクラブのものでも欲しくなる。

JFLものは貴重で希少ですからね。

懐が温かければ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

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メッセージは書き込めないようだ(開場前に撮影したからかな?)。

栃木SCも昨年は同じようなことをやってたなあ。

小さなことからコツコツと。

こういうことはありがたいよねー、ビギナーには。

 

 

 

 

nw7.JPGのサムネール画像荒れまくってたピッチ中央。

これではポゼッションは無理だ。

簡単に引っ掛かってしまう。

アップ中、信じ難いバウンドを目にした。

楕円が弾むような。

 

 

 

 

nw8.JPG改修工事の真っ只中。

トラックがない陸上競技場に妙な違和感。

タチコはでかかった。

 

 

 

 

 

 

nw4.JPGのサムネール画像
取材先で「取材に来ていただきありがとうございます」と言われたのは初めじゃないかな?

運営の方は皆、温かかった。

全体的に少し「熱」が感じられなかったのは、まだ温まっていないからかな。

でも、このクラブにはポテンシャルがあると感じさせたのは、やはりかかわっている人の人柄がいいからだろう。

強くなるよ。

 

 

 

 

 

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開場して間もない頃の一枚。

キックオフ後に訪れる人も案外、多かった。

メイン中央は埋まってたぞ。

 

 

 

 

 

 

 

nw10.JPGセクシーダイナマイト!!

「旅人」のみならずサッカー選手は、パンツを捲り上げるのね。

やっぱり蒸し暑いと纏わりつくもんね。

気持ちは分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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代えが効かない存在。

落合正幸不在のゲームは未勝利。

といっても流通経済大学戦だけなのだけれど。

若手ボランチの奮起が望まれる。

 

 

 

 

 

 

nw13.JPGイエローダービー。

 

 

 

 

 

 

 

nw14.JPGのサムネール画像

攻守に堅実な岡田佑樹。

前期、影のMVP候補だと個人的には思っている。

この人も落合同様に不可欠な存在だけに出場停止は痛い。

赤井秀行に踏ん張ってもらうしかない。

岡田の場合、尻拭いといっては語弊があるが、割と厳しい判定からカードをもらうケースが多い。

セットプレー時、自陣に残ってカウンターに備えているから仕方がない部分もあるのだが。

この試合も相手のシミュレーションの餌食になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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じ~ときた。

「う~、ヤマザキ」に。

今季、公式戦、初出場だもんなあ。

柱谷幸一監督は前節も照井篤を入れて5バックで逃げ切る策を打つことを考えていたようだが、これはいつかどこかで使うための布石なのか。

 

 

 

 

 

 

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熱い!!

ユーロ2008 グループC@オランダ対イタリア

2008年6月11日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

激戦区のグループCの一戦、オランダ対イタリアは思わぬ大差がつき、オランダに凱歌があがった。

4-2-3-1のオランダがポゼッションで凌駕し、4-3-2-1のイタリアは守備を固めて攻撃を跳ね返す。「矛」と「盾」の構図は戦前の予想通り。オランダが優勢に試合を運ぶも、ゴール前でのシーンが目立ったのはイタリア。トニが空中戦を制するがシュートが枠に飛ばない。17分、ハードワーカーのカイトからの絶妙なスルーパスに反応したファンニステルローイがGKブフォンと1対1の局面を迎えるが、PKも覚悟の寄せにシュートを打ち切れない。倒れていればPKは確実だったがファンニステルローイは自らゴールをこじ開けてやろうと考え、突進を止めなかった。絶好機を逸するも、攻勢だったオランダが先にゴールを割る。FKは一旦、弾き返されるもセカンドボールからスナイデルが強シュート。これをオフサイドポジションに居たファンニステルローイがコースを変え、ネットが揺れた(この判定を巡り、様々な見解が示されているようだ)。トニの抗議も虚しく判定は覆らなかった。リードを得たオランダは攻撃の手を緩めない。CKを間一髪、ゴールライン上でクリアしたファンブロンクフォルストが左サイドを駆け上がり、供給したサイドチェンジのボールをカイトが頭で落とし、最後は狭い隙間をスナイデルがボレーで突き破る。イタリアのお株を奪う鮮やかなカウンターが炸裂。2点のビハインドを背負ったイタリアはトニとカモラネージにディナターレの前3枚の動きがぎこちなく、ディナターレが放ったシュート2本は反撃の狼煙とはならなかった。

前半の終盤にGKブフォンが再びファンニステルローイとの1対1の窮地を残した足1本で脱し、望みを繋いだ後半。リスクを冒し、高い位置からプレスをかけてはショートカウンターを繰り出したイタリアだが、集中力の落ちなかったオレンジの壁を打破できない。デルピエーロの途中投入で士気が上がり、立て続けに好機を作り出す。しかし、トニは1対1を決めきれず、交代出場のグロッソもPボックス内でのシュートを阻まれ、ピルロの直接FKはGKファンデルサールに叩き落とされてしまう。すると前半同様にセットプレー後にカウンターを浴び、カイトの右クロスをファンブロンクフォルストに頭で合わせられ決定的な3点目を食らう。ロスタイムに一矢報いようとトニのポストプレーからアンブロジーニが放ったシュートはDFにブロックされ、終ぞゴールを奪えずに3-0の大敗を喫し、初戦を落とした。カンナバーロを欠いたDFラインは決壊した。

左サイドバックに配されたファンブロンクフォルストがこの試合のキーマンだった。高位置に張り出しカモラネージを抑え込み、同時にボールの巡りをよくし、オランダのストロングポイントであるポゼッションを高めた。大胆不敵な攻撃参加と豊富な運動量を武器に2つのゴールに絡む活躍。あわや同点の危機も回避した。マン・オブ・ザ・マッチは彼で異論はないだろう。

ユーロ2008 オランダ3-0イタリア @スタットゥ・ドゥ・スイス・バンクドルフ

<オランダ>GKファンデルサール、DFファンブロンクフォルスト、マタイセン、ブラルーズ(ハイティンハ)、オーイエル、MFエンゲラール、デヨング、スナイデル、ファンデルファールト、カイト(アフェライ)、FWファンニステルローイ(ファンペルシー)

<イタリア>GKブフォン、DFザンブロッタ、マテラッツィ(→グロッソ)、バルザーリ、パヌッチ、MFアンブロジーニ、ピルロ、ガットゥーゾ、ディナターレ(→デルピエーロ)、カモラネージ(→カッサーノ)、FWトニ

あれだけで終わっては意味がない@栃木SC通信

2008年6月10日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

taka2.JPGのサムネール画像

・石舘靖樹

「(先制点は)相手のバックパスを読んでいた。チェイシングが効いた。(2点目は)左のアウトで流した。その時に相手が後ろから来て膝をひねってしまった。曲がってはいけない方向に。(試合は)こういう感じになっちゃいましたが、できれば3-0で勝ちたかった。(これまでアウェーでの勝利から見放されていたが)今日、勝ったことでアウェーで勝ち続ける流れを持続させたい。ボクはこの前のアウェー戦(カターレ富山)に出ていなかったので、その時の分も勝ちたいという思いがあった。2点目は(上野)優作さんからいいボールが来た。あれは流し込むだけでした。今までの連係が活きた。普段は優作さん、マツさん(松田正俊)と組むことが多いので2人の動きは分かっている。6ヶ月も経ちますからね、一緒にやって。(怪我の状態は)明日、病院に行きます。『石舘は出られる』と書いておいてくださいね」

・高安亮介

「相手が縦を切り過ぎていたので、中に入って相手を混乱させた。抜けた感じでゴールが前にあったから思いっきりシュート。あれ(前節のゴール)だけで終わっては意味がない。ゴールというカタチですが、積み重ねができたのはいいこと。来る前にチャンスはあった。打たないといけないという思いになり、次に来たら打ってやろうと。(今日はサイドチェンジのボールが多く供給されたが)サイドバックが上がっていたのでカウンターを狙うような感じで上がることを意識した。(2試合続けて結果が出た。次もゴールを期待したいが)ゴールを狙いながらもチームとしてやるべきことをやる。チャンスがあれば行きます。(ゴールシーンを振り返って。相手選手も唸っていたが)シュートが決まるところは見ていなかった。『凄い』と言われた。落ちましたよね?思いっきり振り切れた。まぐれでも1点は1点ですからね。コースを狙ってもあそこ(真ん中、上段)にはいかない。気持ちと思い切りの良さですね。(ゴール後のパフォーマンスが控え目だが)あまり調子に乗るタイプではない。今までそういうことは意識していなかった。大学では点を取っても喜んでいる場合ではなかったので。(深澤選手は派手なパフォーマンスを披露したが)ホームでヤクルトが目の前にあったら行きますよ(笑)。(今日はクロスゲームになってしまったが)勝ち越しているのに追い付かれた。DFラインだけの問題ではない。前線から『これでいいだろう』というプレッシャー、ちょっとした気持ち(の緩み)が後ろの負担になる。決めた時こそ気を引き締めないといけない」

・田村仁崇

「FWへのロングボールしかなかった。ボクとワシさん(鷲田雅一)のところで大きく跳ね返せていれば。PKのシーンもシンプルに、はっきりやれていれば(よかった)。後半ははっきりさせたことで修正ができた。(今日のプレーには)点数はつけられない。反省したい。(反省点は)繋ぎたかったがグラウンドがボコボコでセーフティにクリアした。もうちょっと前にがっつり行けた。インターセプトやヘディングなど。ラインが下がったことで中途半端なクリアばかりだった。後半はカモさん(鴨志田誉)とオチさん(落合正幸)を前に置くように意識したので問題なかった。前半、最初の10分で早く修正できればよかった。相手の出方を見て直ぐに連係がとれないといけない」

・佐藤悠介

「ロングボールを蹴り、セカンドボールを拾って、どうにかするだけ。裏にボールを蹴ると相手DFの足が速くなかったので、1点目のようにセンターFW2人で崩せて有効ではあった。後半はカットもできて守りきれた。修正が図れた。本来のサッカーとは違うが、負けたり引き分けるよりは勝点を取ることが大切。全試合いい勝ち方はできない。何時も言うように勝ったチームが強いチーム。いくらいいゲームをしても評価はその場だけ。勝点を取れないと苦しくなるのはJの他クラブでも肌で感じている。勝てたことで自信をつければいい。今日は田村が初先発。ミスもあったがよくやった。(次節は落合、岡田両選手が欠けるが)大事な選手が欠けるのはチームにとって大きいが、オチとオカの分まで3試合も休んでいたのだからボクがしっかりやればいい。残り2試合、首位で折り返せれば、上手くリラックスできるし、天皇杯予選も戦わずにすむ。チーム一丸となって戦いたい。準加盟チーム同士の対戦は自然と張り詰めたいい雰囲気になる。次はホームだし、いいゲームをする。ホームの連勝を止めないようにしたい」

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・与那城ジョージ監督(ニューウェーブ北九州)

「後半立ち上がりの失点が響いた。痛かった。全体の流れはよかったが、結果がついてこなかった。ボールが回り、シュートチャンスを作れていた。内容は悪くない。後半は1点を追いかける立場になり、放り込む作戦しかなかった。点を取るしかない。細かくやるよりも長いボールを放り込んで競ってセカンドボールを拾う。実らなかった。ここ3試合は失点が多い。ポジショニングの確認をして、失点を少なくすることを重点的にやる。先に点を取られると厳しい。失点を少なくしながら戦うのが我々のよさ」

『修正が図れた後半45分』@栃木SC通信

2008年6月 9日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

kyu.JPGJFLで戦うことの過酷さを柱谷幸一監督は改めて実感した。ニューウェーブ北九州戦(以下、ニューウェーブ)に限って言えば、劣悪なピッチコンディションが挙げられる。未整備の、普段とは異なる環境に順応することの難しさ。契約を結ぶ際、選手にはスタジアムとジャッジの厳しさを説明したが、整えられた状況でプレーしてきたことで、こびりついた感覚は容易に剥がれないのだろう。不慣れな部分がプレーに及ぼす影響は少なからずあり、アウェーで好成績を収められない要素のひとつになっている。指揮官は感じている。精神的な物足りなさを。

立ち上がりに脆弱さが顔を出した。

複数の事情が重なり集中力が保てない状態で試合に入ってしまう。神経が研ぎ澄まされていないから対応力は自然と落ちる。初先発、センターバック(以下、CB)に配された田村仁崇は述懐する。

「前半、最初の10分間で早く修正できればよかった」

序盤からPボックスにボールを集中させたニューウェーブの攻撃に後手を踏み続けた。石舘靖樹が先制点を奪っても、すぐさま追い付かれた。高安亮介のゴールで突き放しても、再び取り返された。自分達のペースで試合を運ぶことができず、ズルズルと劣勢の時間帯を引き摺ってしまったことが一因だろう。

「うちのCBが弱かった。情けない」(柱谷監督)

相手が2トップに素早くボールを入れ、DFが跳ね返したルーズボールから再度、攻撃を仕掛けてくることは分かりきっていた。だが、最終ラインが下がり気味だったことで蹴り込まれてきたボールをボランチラインよりも前へクリアできず、ボランチも前掛かりになっていたことでセカンドボールを拾えずに拾われた。反発力の乏しさとバイタルエリアの締めの甘さが波状攻撃を許してしまう。

「もうちょっと前に厳しく行けた。インターセプトやヘディングなど。ラインが下がったことで中途半端なクリアばかりだった」

田村の口を衝いて出るのは反省の弁ばかり。

ニューウェーブがポゼッションを放棄し、ロングボールを放り込み、圧力を掛けてくることは予想外だったという。しかし、置かれている状況は同じ。栃木SCもトレーニングを積んだポゼッションが困難だと判断し、作戦を切り替えたのだから、相手の手の内もある程度は読めたはず。前半45分が乱打戦になってしまったのは相手の出方を読み切り、適応する力が欠けていたからに他ならない。少し予想の範囲を超えただけで浮き足立つようでは心許ない。

「後ろがもたない」

そう見て取った柱谷監督。ハーフタイムに埋めきれなかったバイタルエリアへ落合正幸を残し、アンカー気味に構えるように伝える。更に落合が競った後にCBの2枚がカバーリングに入れるポジションを取ること、CBが競りに行ったらサイドバックがフォローに回り、落合がセカンドボールを拾うことも付け加えた。

結果的に守備組織の再構築は成功した。セカンドボールを先に奪い取ったことでニューウェーブは打つ手がなくなり、急激に失速した。シュート数は数えるほど、好機は皆無だった。

後半は守備の修正が図れ、勢いを断ち切るに至る。が、それは指示を仰いでのことだった。自分達で試合を構築する力の低さを如実に物語る。一方で、ポジティブに捉えれば水漏れ箇所をしっかりと修繕し、無失点に抑え込めたとも言える。

自発的に問題を解決できる力が備わっていないところが、「うちのチームは強くない」という佐藤悠介の発言に繋がるのだろう。相手が何を狙っているのかをいち早く察知し、対処していかなければ、思い通りに試合を展開できない。力強さは滲み出てこないし、恐ろしさを植え付けられないのは、言わずもがなである。 

戦評:対ニューウェーブ北九州@栃木SC通信

2008年6月 9日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

143.JPG高安亮介の自己分析結果は、こうだ。

「調子に乗るタイプではない」

だからだろうか。2戦連続してゴールを決めても、こう言うのである。

「まぐれの1点も1点ですからね」

悦に入ることはない。しきりに謙遜するのは、大学時代(国際武道)の監督の教えが染み込んでいるからだ。「点を取っても喜んでいる場合ではない」と。感情を露にしない高安であるが、充足感と確かな手応えを得ていたことが窺えた。質問に応える顔は精悍さを一段と増し、サッカーで飯を食っていく覚悟が色濃くなったからである。

「あれだけで終わってはいけない」

前節のゴールに匹敵、あるいは相当するプレーを次の試合でも持続させることの必要性を説いていた高安。きっちりと結果を残した。

「ゴールというカタチでしたが、積み重ねができたのはいいこと」

これまではサイドに張り付く嫌いがあり、必然と縦方向への動きが多かった。が、自らシュートを打ち切る、という新境地を切り開いたことは小さくなかった。サイドチェンジのボールが入る。「相手が縦を切り過ぎている。中に入って、相手の出方を見よう」。内側へ働いた意識が結局はDFを弾き飛ばし、勢いそのままに「ゴールが視界に入ったから思いっ切りシュート」に繋がり、ゴールネットを揺らすことになったのだから。

「打たなければいけない」、「次にチャンスが来たら打つ」。芽生えたゴールへの意欲が、どこか燻っていた高安を完全に覚醒させた。

硬かった高安の表情はほぐれ、控え目だった言葉が熱を帯びる。

「コースを狙っても難しいですよ。気持ちと思い切りの良さが大切です」

躊躇うことなく右足を振り抜けた。そのことにこそ価値がある。

アグレッシブなプレースタイルに比べ、ゴール後のパフォーマンスは控え目である。同僚でありライバルの深澤幸次は、ゴールを陥れるやいなや、一目散にヤクルトの置物に飛びついた。その話題を振ると高安の闘志に火が付いた。

「ホームで目の前にヤクルトがあったら行きますよ」

笑いを誘った。アマチュア感覚が抜けきれていなかったと痛感したパフォーマンスでも、今後は魅せることを約束。手にした自信は一層、深まった。


柱谷幸一監督はミーティングで選手達に伝えた。「アウェーで勝たないと連勝できない。波に乗れない。(勝てないという)悪い雰囲気を払拭しよう」。ホーム8戦全勝の輝きが、アウェーで2勝2敗2分けと分の悪さを際立たせる。内弁慶と揶揄されないうちに是が非でも勝利し、勝ち越したい。ピッチに散った11人はGK小針清允、DFは左から斎藤雅也、鷲田雅一、田村仁崇、岡田佑樹、中盤はボランチに落合正幸と鴨志田、左ワイドに佐藤悠介、右ワイドに高安の構成、上野優作と石舘靖樹が2トップに配された。累積警告によりCBの川鍋良祐が出場停止。代役に指名されたのは、チーム最年少20歳の「末っ子」田村だった。山崎透、照井篤の起用も考えたが、HondaFC戦で45分ながら鷲田とコンビを組んだことが、先発起用の決定打となった。

与那城ジョージ監督と藤吉信次をセットで獲得し、昨季ニューウェーブ北九州(以下、ニューウェーブ)は激戦の九州リーグで初優勝。駒を進めた全国地域リーグ決勝では土壇場でJFL昇格を果たした。「J2準加盟」申請も通り、福岡第2のJクラブ誕生へ向けて躍進を続けている。初参戦ながら高位置につけている一因は、△○○△△○とホーム無敗が挙げられる。「J2準加盟」ダービー、ユニフォームの基調が黄色であることからイエローダービーと銘打つより、「内弁慶」決戦と括った方がどこか収まりがいい。

栃木SCは今週、取り組んできたトレーニングの成果、ボールを繋いでビルドアップを図ることが出来なかった。荒れたピッチ、とりわけピッチ中央の痛みは激しく、ボールを回せばリスクを背負うことは明白。必然的にボールをトップに預けるサッカーを選ばざるを得なかった。それはニューウェーブも同様であり、互いにトップへロングボールを蹴り合うシーンが目に付いた。

序盤から奪ったボールを前線に供給し、セカンドボールを拾い2次、3次攻撃を滑らかに繰り返したのは、ニューウェーブだった。宮川大輔と中嶋雄大の2トップに佐野裕哉が絡んだ流動的な前3枚の動きが、多少強引さはあったものの推進力を生み出す。イニシアチブを握り、栃木SC陣内で試合を押し進める。

立ち上がりに躓いた栃木SC。23分にGK小針が目測を誤り佐野にかわされる。留守になったゴールへシュートを打たれそうになるも、斎藤のカバーリングで難を逃れる。するとその流れから蹴り込んだボールを石舘が必死にチェイス。「相手のバックパスを読んでいた」。DFがGK水原大樹に戻したボールを掻っ攫う。一旦シュートは阻まれるも、冷静にルーズボールをコントロールし、スライディングで流し込む。一度の好機をゴールに結んだ。

形勢を逆転させるには格好の材料であるゴールを奪うも、ピリッとしない。4分後に試合を振り出しに戻される。Pボックス内で粘られ、最後は宮川に左足でゴールを許してしまう。石舘と上野の2トップにボールが収まらなかった栃木SCは攻め手を欠くが、比較的芝の状態が良好だったサイドから侵略し、逆転弾を叩き出す。鴨志田からのサイドチェンジのボールを受けた高安はマーカーを揺さぶり、応対に戸惑う相手を尻目に右足を一閃。30分、豪快なシュートが突き刺さる。スタンドで観戦、数チームを渡り歩く流浪のストライカー藤吉も、「凄い」と唸ったほど強烈な一撃だった。

今度こそ悪しき流れを断ち、自分達のリズムで試合を運びたかったが、ニューウェーブのホーム力に飲み込まれた。前半終了間際に宮川ともつれながら倒れた岡田が決定機阻止の判定でPKを宣告される。これで岡田は次節出場停止。佐野が左へ沈めるも、蹴る前にPボックス内に味方が入ったとして蹴り直し。しかし、冷静さを失わなかった佐野は右を突いて同点に。

「得点後に失点。ゲームを作れる強いチームは、ああいうカタチで失点しない」

リードを保ちきれなかったことに柱谷監督は嘆き節。

予想外の点の取り合い、シーソーゲームとなった試合は、後半開始直後に帰趨が決する。右サイドからのスローインを上野がゴールに背を向けた状態で背後へ送る。ニアサイドに詰めていた石舘が左足を伸ばして押し込んだ。「後半、立ち上がりの失点が響いた。痛かった」とは与那城監督。

殊勲のゴールを挙げた石舘だが接触したことで左膝を痛める。負傷退場。横山聡が急遽投入される。アクシデントが重なる。ゴールの足掛かりとなるスローインを勝ち取った高安の鼻血が止まらない。すぐさま向慎一がピッチに送り出された。予想外の事態による選手交代など慌しさはあったが、ハーフタイムに守備の修正を施したことが奏功。ようやく望むような展開に持ち込んだことで、ニューウェーブを黙らせた。

ビハインドの状況。打つ手は限られていた。20分を残した時点で早々とパワープレーを敢行。193cmの大型DFドグラス等、空中戦に長ける選手を次ぎ込んだ。だが、栃木SCも田村、鷲田、落合が競り合いを尽く制したことで、窮地を招くことはなかった。相手のやり方が明確になったことで、守り易くなったことは間違いない。ニューウェーブは力勝負に出る時間が些か早く、采配が裏目に出た。前に人数を割いたことで攻撃力が殺がれ、脅威は薄まった。

ロスタイムに山崎を守備固めで入れ、念には念を入れた栃木SCが3―2で苦しい試合をものにする。ニューウェーブのホーム不敗記録を止めると同時に、リーグ通算100勝を達し、アウェーでは3月末のガイナーレ鳥取戦以来の勝利を飾った。

首位のHondaFCが引き分けたことで順位が引っ繰り返る。2位だった栃木SCが首位に躍り出た。

「この試合の前では他力だった。他会場の結果を気にせず、あと2試合は集中できる。首位で折り返したい」

今季初めて順位を意識するコメントを口にした柱谷監督。残り2試合を連勝すれば首位を譲ることなく、自力で天皇杯シード権を取得できる。勝点を3つずつ着実に積み重ね、首位でのターンとそのご褒美を狙う。

JFL前期第15節 ニューウェーブ北九州2―3栃木SC 観衆956人 @北九州市立本城陸上競技場

〈ニューウェーブ北九州〉GK水原大樹、DF永野諒(→岩倉一弥)、ドグラス(→加藤雅裕)、冨士祐樹、佐藤真也、MF桑原裕義、日高智樹、森本惟人(→古賀宗樹)、佐野裕哉、FW宮川大輔、中嶋雄大

〈栃木SC〉交代:石舘(→横山聡)、高安(向)、佐藤(→山崎) 

対ニューウェーブ北九州戦@栃木SC通信

2008年6月 9日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

前半:2-2。石舘先制。追いつかれ、高安ゴールで突き放すも、不可解なPKで同点に。点の取り合い。

後半:0-1。

ファイナルスコア:2-3。

後半、開始早々に石舘ゴールで勝利。

順位:首位(勝点35)◆2位:HondaFC(勝点34)

※お疲れ様でした。オオツカ、グロッキーです。疲労度が凄まじい。北九州取材から帰宅してレポート&コラムは難しいようです。申し訳ない。明日、アップしますので。軟弱だ・・・。

日本対オマーン@感想文

2008年6月 9日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

アウェーで先手を取られる。苦しい。不要なファールからのFKが契機。勿体ない。しかし、暑さは凄まじいんだろうなあ。選手のユニフォームの濡れ具合から窺える。ゴール前でショートパスから打開できそうな雰囲気もあるが壁は崩せないだろう。だから、おびき出すためにミドルを散発的に放つが、人数を割いたオマーンは執念で弾くに違いない。初戦のように対アジアの常套手段であるセットプレーと高さが鍵か。

ゴリゴリ押してPK獲得。振り出しに戻して攻勢に回るも、作り出した決定機を決め切れず。逆にPKを献上するが好守で難を逃れる。立て直しを図りたかったが大久保の蛮行が水をさす。オマーンも退場者を出すが、間延びした中盤を利してカウンターからゴールに迫られる。互いに決め手を欠き、スコア1-1は動かず。敵地で勝ち点1。悪くはないが勝ち点3に転換できるだけの好機があっただけに悔やまれる。

久々に日本代表を目にした。以前よりも内容は向上していたので安心。だが予選で問われるのは結果。勝ち切れなかったのは痛い。

アジア3次予選 オマーン1-1日本 @マスカット

無理だ、無理@ワンコインベッターの呟き

2008年6月 6日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

急激な暑さに溶けそう。

軟弱モノです。

☆toto☆

浦和対名古屋:2 頑張れクロアチア。

神戸対京都:1 古賀、元気かな。

磐田対清水:1 ジウシーニョが見たい。

札幌対柏:2 順当に。

千葉対川崎:1 明けてから頑張れ。

東京V対FC東京:1 いまいち乗れないねえ。

新潟対横浜Fマリノス:1 アウェーなので。

大分対大宮:0 なんとなく

山形対鳥栖:2 大勝したね。

横浜FC対徳島:1 ズーカが栃木に、かあ。

愛媛対岐阜:2 あえて。

熊本対福岡:2 ラグビーが福岡であるのね。

広島対湘南:0 もつれる。

☆minitoto☆

東京V対FC東京:2、新潟対横浜Fマリノス:0、大分対大宮:1、山形対鳥栖:0、横浜FC対徳島:1

☆BIG☆

無念。0ばかり。

怖い、かも

2008年6月 5日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

梅雨にDV。

精神的にまいる。

内容的には大したことないのに心が弱っていると、それでも敏感に反応してしまう。

実体験ではなく、ドラマの話ね。

実際にDVされた人を見たことあるけど、なんともコメントしにくい。

テレビで伝えられていることが、決して虚構ではないことが理解できた。

あの依存は一種の病だ。

傍から見ているとそう感じるんだけど、当事者ははまりこんでいるから正しいジャッジが出来ないんだなあ。

何を言っても上の空のような返事ばかりで。

と、書き続けるとエンドレスになりそうなので、このへんで店仕舞い。

さっさと『三国志』の続きを読みながら寝ますわ。

来年7月は行くかい?

2008年6月 5日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

個人的にラブな横浜Fマリノスとオランピック・リヨネが業務提携することになったそうな。

来年7月には親善試合も視野に入れているとか。

リヨネが来日かあ。

ちょいとワクワク。

「旅人」主催の試合に向けてモウリーニョやダビッツも来日。

ミーハー根性でダビッツには会いに行くべきだったかな?と些か後悔。

 

東京がオリンピック候補地の一次予選を通過した。

市民の熱が今後の選考に響くとか。

確かに最終局面で世界にアピールできる人材がいないだけに、その他の要素でどれだけ本命のリオデジャネイロやシカゴを上回ることができるかだもんねえ。

しかし、「熱」ってなんだ。

あまりにも漠然としている。

スポーツの世界も政治力がものをいいますからね。

どんな活動を展開するのやら。

早速、偉そうなオッサン達が人気取りのために集ったようだが・・・足だけは引っ張らないように。

過日に戻る

2008年6月 4日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

最近、トイレットでの愛読書は漫画『三国志』。

はまってます。

といっても中途半端に10巻までしかないので困ってます。

水滸伝等々、中国の書物は好きなんですよねー。

元世界史オタクですから。

どつぼにはまったら抜け出せないからほどほどにしないといけないのだけれど。

死ぬまでに歴史モノを書いてみたいなあ。

と思ったり思わなかったり。

本命ポルトガル、対抗フランス、穴クロアチア@ユーロ2008

2008年6月 4日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

いよいよ幕を開ける祭典、ユーロ2008。

恒例の3点予想は本命ポルトガル、対抗フランス、穴クロアチア。

チェコに期待したいが、天才ロシツキの不在は痛い。ドイツワールドカップでもコラーが欠けたことで攻撃力が半減したように小国の層は厚くなく、世界最高のGKチェヒを擁する守備陣が踏ん張ってもゴールを得られないようでは厳しい。

スペインは今回も期待を裏切るだろう。

 

グループA:スイス、チェコ、ポルトガル、トルコ

1位通過:ポルトガル、2位通過:スイス

グループB:オーストリア、ドイツ、クロアチア、ポーランド

1位通過:ドイツ、2位通過:クロアチア

グループC:ルーマニア、フランス、イタリア、オランダ

1位通過:フランス、2位通過:オランダ

グループD:スウェーデン、スペイン、ロシア、ギリシャ

1位通過:スウェーデン、2位通過:ロシア

 

準々決勝1:ポルトガル×クロアチア→ポルトガル

準々決勝2:ドイツ×スイス→スイス

準々決勝3:フランス×ロシア→フランス

準々決勝4:スウェーデン×オランダ→スウェーデン

 

準決勝1:ポルトガル×スイス→ポルトガル

準決勝2:フランス×スウェーデン→フランス

 

決勝:ポルトガル×フランス→ポルトガル

 

MVP:デコ、得点王:ベンゼマ、注目:モドリッチ

フォト・ステーション@栃木SC通信

2008年6月 4日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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カターレ富山戦では左瞼に青あざ。

SAGAWA SHIGA FC戦では脳震盪。

DFラインの前で体を張り続ける。

落合正幸の不在は守備力低下を招く。

若手ボランチの奮起が望まれる。

 

 

 

 

 

 

sagawa2.JPGトヨタカップ(現クラブワールドカップ)の将軍・プラティニを想起させるポーズも披露。

懲りない部分は嫌いではない。

 

 

 

 

 

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アップから気合入りまくり。

南コーチじゃなくて佐藤悠介が、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sagawa4.JPG復活祭で2アシストのパフォーマンスは圧巻。

高性能の左足は数多のゴールを生み、そしてネットを揺らすことだろう。

FKを枠に飛ばし、珍しくドリブルでカットインしてから右足を振り抜きもした。

プレーからはメッセージが伝わってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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持ち味の力強さが見られるようにはなったが、本人も我々も欲しているのはゴール。

大爆発してもいい頃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sagawa6.JPGシゲルさん曰く「今年の強さは負けたり、引き分けた後にきっちり勝つこと」。

ホーム力の一因はサポーターの声であることは言を俟たない。

 

 

 

 

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勇ましい。

集団のリーダーに相応しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

sagawa8.JPG鷲田雅一のパフォーマンスがここ数試合で際立つ。

川鍋良祐は累積警告により次節、出場停止。

ボランチがセンターサークル付近でボールを奪われ、やむを得ずカウンターを阻止したことによる。

ボランチラインで攻撃の芽を摘み取らないとしわ寄せが後ろへ来るだけに、踏ん張って欲しい。

鷲田のパートナーは田村仁崇か。それとも守備固めでベンチ入りしていた照井篤か。あるいはセンターも出来るという赤井秀行か。選手会長も見てみたい。

 

 

 

 

 

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劣勢だっただけに、先制弾は価値あり。

思い起こせば昨季の対三菱水島戦でも絶妙なトラップでDFを振り切っている。

本人は謙遜するがトラップも下手ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

sagawa10.JPGフォアチェックを要求されての投入のはずが、決勝弾を突き刺すことに。

上野優作は自分がヒーローになることよりも「1-0で勝ちたかった」とゲーム運びに不満げだった。

 

 

 

 

 

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丁寧な挨拶から人柄が滲み出る。

ファンサービスを怠らないところは、さすがである。

再び、見つかる

2008年6月 3日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

また、見つかった。

同級生に。

ありゃりゃだ。

皆さん役職に就いてるのねえ。

そりゃ、三十路前になればある程度の責任は背負うんだろうけど。

オイラもちびっと背中にあるかな?

無難な道を歩んでいたら年収が今の6倍だったのかあ・・・。

時間と夢を得る代わりに代償を払った。

体調が崩れてると、少し後悔したりもする。

なーんちって。

『一流になる人 二流でおわる人』

2008年6月 3日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

著者:野村克也、米長邦雄 満腹度:☆☆

とどのつまり一流になるには思考を停止せずに労を惜しまず、その道を探求しろというありがたいお言葉が並んでいるわけです。将棋の世界を垣間見られたような気になれたのがよかったかな。ちなみに、この当時ノムさんはタイガースの監督をしておりました。

臨機応変にプレーできないといけない@栃木SC通信

2008年6月 3日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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・鴨志田誉

「FWにつけるボールを増やしたかった。守備はボールが獲れていたので評価できる。(後半リズムが狂ったが)ボクと(久保田)勲さんがボールを獲られてしまうと置いていかれてしまう。(佐藤)悠介さんから前の選手へパスを出せば、そうならないと言われた。今日のパフォーマンスは評価できない」

・佐藤悠介

「(復帰戦は)意識していない。ゲーム数は残っている。まだ苦しいゲームがある。前節の試合は見ていないがシュート3本では勝てない。相手もいいところを消してくるが。オチ(落合正幸)が出た後、勲も頑張っていたがアンカーの部分での跳ね返す力が足りなかった。セットプレーは強み。89分、押し込まれていてもロスタイムにゴールして勝てばいい。90分を通して勝つ方が強いチーム。勝点の計算はしていない。目の前の試合をひとつずつやっていく。うちは強いチームではない」

・上野優作

「1-0で勝てればよかったですね。ロスタイムに(ゴールが)入ったのはよかった。このまま勝てればいいなと。Honda戦のゴールがオフサイドで取り消されたので、点を取りたいなと。(柱谷幸一監督からの指示は)リードしていたので守備を。相手DFにプレッシャーをかけるように。プレッシャーをかけないと自由にプレーされてしまう。持ち味なので、とにかくプレッシャーをかけました。(執念が凄かったが)半分しか出ていないし、そのへんは意識しました。年齢的にも臨機応変にプレーできないといけない。ここ何年もそういうプレースタイルでやっている。監督も信頼してくれている。次はアウェーで勝点3を取ります。(カターレ富山戦のシュート3本が発奮材料になったか)そうでもないですね。1-0、2-0で終われたらいいゲームだった。チーム全体が修正しなければならないところがいっぱいある。しっかりしたゲームをして勝ちたい。本来ならば1-0で勝って、ここに(ミックスゾーン)亮介が立っていなければならなかった。後半にボクが投入されたことで守備を意識しなければならなかった。結果的に点を取ったがJならば1-1、逆転されていてもおかしくはなかった。ピンチもありましたし。反省点がありますね。(ゴールシーンについて)前半からいいボールを蹴っていた。ワシ(鷲田雅一)にもいいボールを蹴っていたので、絶対に来ると信じてました。前に入ってくれといわれてもいた。どんぴしゃり。(佐藤選手の復帰は大きいと)セットプレーは大きな武器ですから」

・高安亮介

「何かを言われてやるよりも自分の意思でやることが大切。縦に行ったから後半は内へ行けた。使い分けが重要ですね。縦ばかりではなく。(ゴールを取ったことで吹っ切れたか)よかったが特に変わるわけではない。ひとつの自信にすればいいが。(最初からゴールを意識したのか)チームが勝てれば。自分がサイドを突破してクロスを上げられれば。でも、打つチャンスがあって打てた。自分が決めてやろうと思わないとボールも出てこない。右サイドにはいい選手がいる。(小林)成光さんが怪我をして出られなくて、その代わりに入ったと思われたくない。成光さんがいても出られるように。代役でやったと言われたくない。ハシラさんのファーストチョイスになりたい。(課題は)ラストパス。プラスとしてシュートも打てるように。両方できれば相手も困る。この先、縦、縦では難しい。(研究されていると感じるか)徹底的にやられているとは思わない。意識はしていない。(一皮剥けたと)正直、あの場面(ゴールシーン)だけ。トータルで考えて何をしたかと言われると・・・。それほど自信になっているわけではない。(プロ契約を勝ち取ってからこれまでを振り返って)やらされている。周りに合わせてプレーしていた。受身的なところがあった。成光さんがいなくて自分が使われているんじゃないか。プレーが受身になっていたし、周囲に合わせていた。自分のプレーができなかったのは、そこに繋がっている。気持ちの強さ。『やってろう』と。メンタル的な強さが必要。それを自分の意思で変えられた。気持ちがあればプレーが違ってくるし、観る側の人にも違う印象を与えられる。(昨年よりも躍動感が少し劣るように映るが)昨年に負けないように頑張ります(笑)」

・田中信孝監督(SAGAWA SHIGA FC)

「最後は栃木さんの勢いに呑まれた。ゲーム内容自体は五分五分。栃木の攻撃陣の爆発力は凄い。控えに上野選手がいる。タレントが豊富。セットプレーで決勝点を入れられた。うちの失点パターン。かなり(失点することが)多い。修正したい。(シュート数が多い割にはゴール数が少ない。アタッカーが抜けた影響は大きいと)そうですね。いるメンバーで戦うしかないですから。アタッカー陣が得点力をアップさせる。今日もチャンスは栃木さんよりも多かったと思う。決め切れないのがこの順位に現れていると思います」

『自己改革』@栃木SC通信

2008年6月 2日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

taka1.JPG昨季、柱谷幸一監督に才能を見出され、徐々に出場時間を増やし、ついには憧憬の対象である只木章広(現・ヴェルフェたかはら那須)からポジションを奪い去る。オフには幼き頃からの夢のひとつ、プロ契約を勝ち取りもした。様々なものを貪るように欲する思いは、アグレッシブなプレースタイルからひしひしと伝わってきた。その残像が鮮明に記憶されているからだろうか。殻を脱しきれない、足踏みをしているような停滞感が今季の開幕時から拭い去れなかったのは。対戦相手から要注意人物にリストアップされ、警戒をされているにしても。

高安亮介は思い悩んでいるのではないか。サッカーを心の底から楽しめていないのではないか。そんな疑問がむくむくと頭をもたげた。

「やらされている。プレーが受身になり、周りに合わせていた」

果敢に持ち味であるスピードを生かし、タッチライン沿いを駆け上がり、クロスを供給するも正確さに欠けた。技術的な問題もあるが、精神面が及ぼす影響は小さくなかったという。心に巣食うある思いが躍動感を損なわせ、決定的な仕事を果たすことを阻んだ。高安は偽らざる心情を吐露した。

「(小林)成光さんがいないから、自分が使われているんじゃないか」

右ワイドの位置を争うライバルは、開幕から好調をキープ。独特の、緩急をつけたドリブルは攻撃に絶妙なアクセントを加えた。アシストにゴールをマークするなど結果を残しもした。その小林が悪質なタックルを受け、戦線離脱することになる。故障した箇所のリハビリを終え、入れ替わるように先発起用されたのが高安だった。

サバイバルを勝ち抜いたわけではない。「代役」、「穴埋め」。そんな言葉が頭にこびりつき離れず、何時しか呪詛となり体を縛り付け、本来の特長を殺いでしまった。ライバル意識は足かせとしかならなかった。

「自分のいいプレーができなかったのは、そこに繋がっている」

競争原理はマイナスに働いた。ゴリゴリ対面のマーカーにドリブルを仕掛けるアタッカーが、ネガティブな感情を抱いてプレーしていては、結果がついてくるはずがない。

そこで、自己改革を断行した。対抗意識を燃やすことに神経を割くのではなく、己を見詰め直した。行き着いた思いは、シンプルなものだった。

「やってやろう」

心の中で起こった僅かな気持ちの変化が、プレーにも現れた。ポジティブに現状を、物事を捉えられるようになったことで脱皮が図れた。これまでシュートを打つ機会が巡ってきてもパス、或いはクロスを選択してきた。だが、前向きになったことが奏功し、優先順位の低かったシュートを打ち切れた。アシスト役が一転、フィニッシャーに変貌したのは前半19分のことだった。佐藤悠介からサイドチェンジのボールが届けられる。トラップでマーカーを外し、躊躇うことなく右足を振った。「気持ちを行動に移した」ことで、JFL初ゴールを2年目にして手にする。

「自分が決めてやると思わなければボールが出てこない」

痛感したのは挑んでいく姿勢の重要性だった。

後ろ向きの感情と決別する突破口となったゴールが、高安に自信を芽生えさせた。前半終了間際には左クロスからヘディングシュートを繰り出す。後半に入ると縦方向へのドリブルに、内側へ切れ込んでいく動きが加わる。カットインから左足でシュートを放ち、ゴールを脅かしもした。シュート3本は佐藤と並びチーム最多タイ。

「縦だけではなく中へ入ってシュート、ワンツー。スルーパスが出せるようになれば、レベルの高いプレーが出来る」

柱谷監督はプレーの幅が拡がる動きを見せた高安の成長を見て取った。圧倒的なスピードに付け加えられたゴールへの強い意識。引き出しが増えたことで、今まで以上に対峙するDFは対応に窮することになるだろう。危険度はより一層、高まった。

「何かを言われてやるよりも、自分の意思でやることが大切」

時間を要したがメンタル面の課題を克服できた。新たな武器を獲得もした。しかし、飢餓感を失わない。

一皮剥けた高安は決意を語る。

「ハシラさんのファーストチョイスになりたい」
  

戦評:対SAGAWA SHIGA FC戦@栃木SC通信

2008年6月 2日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)


yusaku2.JPG照れ隠しに違いない。

「意識はしていない」
 
刺激的な言葉は時としてマイナスに作用する。自己制御を欠き、審判に侮辱的な言葉を吐く。愚行が招いた3試合出場停止のペナルティ。明けた復帰初戦も普段と変わらぬ気構えで臨んだ、と佐藤悠介は言うが、実際には相当いれこんでいた。ウォーミングアップの段階から溢れんばかりに気迫は漲り、近寄り難い雰囲気を醸し出す。ひとり黙々と短いダッシュを繰り返した。自己証明の場でもあった開幕戦に負けず劣らず、自らを奮い立たせる。

犯した罪は消えない。背徳行為によりチームとサポーターへ多大なる迷惑をかけた。報いるには謝罪の言葉を並べることも大切であるが、フットボーラーである以上、やるべきことは、ただひとつ。ピッチで勝利に直結する仕事を果たす。失地回復にはボールを介し、思いの丈を語る方法が最も得策である。

佐藤は理解していた。そして、やってのける。先制点と決勝点は佐藤の左足から演出された。伸し掛かる重圧をものの見事に撥ね退け、蓋を開けてみれば主役の座に身を置いていた。目に見えるカタチで深謝をすませ、地に堕ちかけた信頼を取り戻した。

「ボクは、約束は破らない」

そう豪語する佐藤。勝点3、ホーム8連勝を引き寄せるパフォーマンスは圧巻であり、償いには十分すぎるほどだった。逆境で発揮される底力には感服するしかない。

「左足の精度の高さは点に繋がる可能性が高い、と改めて感じた」

柱谷幸一監督の佐藤評である。ダイレクトに影響力の大きさを口にしないことが、逆に指揮官とキャプテンの絆の深さを感じさせた。

 

アウェーでの連敗を2で止めるも、同じ「J2準加盟クラブ」のカターレ富山からは勝利を獲得できず。拾ったに等しい勝点1の価値を高めるには、昨季の覇者であるSAGAWA SHIGA FC(以下、佐川滋賀)に勝ち切ることが求められた。スタメンはGK小針清允、4バックは左から斎藤雅也、鷲田雅一、川鍋良祐、岡田佑樹が並び、ダブルボランチは落合正幸と鴨志田誉が組み、左ワイドに佐藤、右ワイドに高安亮介を据え、松田正俊と石舘靖樹が2トップに指名された。

王者は中位に甘んじる。原因は明白である。個人昇格した御給匠(横浜FC)、堀健人(水戸ホーリーホック)、嶋田正吾(FC岐阜)の穴を埋めきれないからである。トリオが叩き出したゴール数は57。決め手を欠き、勝点を伸ばせないのも致し方ない。

開始早々に鴨志田が失ったボールからカウンターを食らう。事なきを得るも、出鼻を挫かれ、佐川滋賀が手綱を握る。ポゼッションで優位に立たれ、4バックの両端のスペースを執拗に突かれる。大沢朋也、榎本周平、中村元が形成する左サイドのトライアングルは、栃木SCを大いに苦しめた。大沢の浮かせたパスから放った榎本のシュートはゴール前を横断。肝を冷やされる。

個の力量不足を連動性で補った佐川滋賀に押し込められたことで、栃木SCはトップにロングボールを蹴り込むしか手立てがなかった。「FWにつけるパスを増やしたかった」(鴨志田)が、思うに任せない。ボールが前に収まらないから中盤はサポートへ入れず、セカンドボール争奪戦でも後手に回った。

しかし、先にゴールを割ったのは栃木SCだった。GK小針からのキックを石舘が懸命に確保。左の佐藤へ叩き、サイドチェンジのボールを右へ送る。受け取った高安は胸でトラップしてからマーカーを振り切り、ゴールへ流し込んだ。高安の今季初ゴールを契機に畳み掛けたかったが、中盤の支配力で劣り、リズムを掌握できない。オーバーラップから斎藤、直接FKから佐藤、斎藤のクロスから高安がゴールに迫るなど好機をこしらえるも、形勢は逆転できなかった。

悪しき流れを断ち切るために後半の頭に上野優作を投入。起点の構築を図り、攻勢に転じる策を打つも、競り合いで負傷した落合が退場したことでバランスを崩す。急遽、ピッチに送り出された久保田勲と鴨志田の噛み合わせが悪く、安易なミスからフィニッシュへと持ち込まれる。バイタルエリアの緩さに乗じて1トップの竹谷英之が存在感を増すと、失点の気配は濃厚となり、ついに振り出しに戻される。34分、竹谷のポストプレーを利し、中村が供給したチップキックからのパスを交代出場の米倉将文がボレーシュート。あっさりと中央から失点を喫する。

佐川滋賀の勢いは止まず。クロスの処理にあたった岡田があわやオウンゴールの危機を迎える。辛うじて難を逃れ、ロスタイムにCKを獲得。「前半からいいボールを蹴っていた。絶対に来ると信じていた。どんぴしゃり」。佐藤の正確なキックを頭で合わせたのは上野だった。劇的な決勝弾が突き刺さり、王者を葬り去った。「うちの失点パターン」と敵将・田中信孝監督。2戦続けてセットプレーから被弾しての敗北に肩を落とした。

「結果的に点を取ったがJのチームならば1―1、或いは逆転されていたかもしれない」

値千金のゴールを決めても上野の表情は険しかった。例えば1―0で逃げ切れるような、「しっかりしたゲームをして勝ちたい」との思いは強く、劣勢に回った後半の時間帯を課題に挙げた。「(久保田)勲も頑張っていたが、アンカーの位置で跳ね返す力が足りなかった」と、落合が退いた後の進め方に佐藤も修正の余地があると話した。「真ん中でのポゼッション力が不足した」とは柱谷監督。久保田と鴨志田が落合にはない特長を生かして中盤を構成していれば、安定した試合運びが出来たと考えている。

佐藤は言う。

「強いチームではない」

そう感じるのは苦境に立たされた際、相手をいなす老獪さ、すなわちゲームマネジメント能力が備わっていない等々、物足りない要素があるからだろう。優勝に値するチームになるためには、数多の壁を打破しなければならない。

JFL後期第14節 栃木SC2―1SAGAWA SHIGA FC 観衆3453人 @栃木県グリーンスタジアム

〈栃木SC〉交代:松田(→上野)、落合(→久保田)、石舘(→横山聡)

〈SAGAWA SHIGA FC〉GK真子秀徳、DF榎本周平、冨山卓也、影山貴志、高橋延仁、MF中払伸吾(→吉村修平)、小幡正、大沢朋也(→根本知治)、中村元、田谷高浩(→米倉将文)、FW竹谷英之  

対SAGAWA SHIGA FC戦@栃木SC通信

2008年6月 1日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

前半:1-0。

後半:1-1。

ファイナルスコア:2-1。

上野のゴールで勝ち。

得点者:高安亮介、上野優作(栃木SC)、米倉将文(SAGAWA SHIGA FC)

順位:2位(勝点32)◆首位:HondaFC(勝点33)

※マッチデーを読んで頂きありがとうございます。風邪を治すためにレポート&コラムをさくっと仕上げたいと思います。