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戦評:対大宮アルディージャ戦@栃木SC通信

2008年9月21日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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9月17日から行われた秋季キャンプ(@御殿場)の総仕上げとして栃木SCは、サテライト中心の大宮アルディージャ(以下、大宮)とトレーニングマッチ(TM)を行った。主力が出場した1本目、メンバーを総入れ替えした2本目と、いずれも0-1(合計0-2)で敗れた。

1本目の布陣と交代は以下の通り。

GK小針清允、DF斎藤雅也、鷲田雅一、照井篤、岡田佑樹、MF稲葉久人、佐藤悠介、落合正幸、小林成光、FW上野優作、横山聡。

交代:小針→柴崎邦博(前半32分)。

栃木SCは配置転換を行った。左が主戦場だった佐藤を中盤の底へと下げ、佐藤の位置に稲葉を配した。狙いは一目瞭然である。佐藤をボランチに据えることで抜群のキープ力、精度の高いキックを利した展開力、そしてリーダーシップを発揮させ、その特異なキャラクターを活かしきる。TMということもあり、新機軸を打ち出した。

全体を圧縮した栃木SCの守備には安定感があった。最終ラインとFWの距離が程良く保たれたことで、左を軸に攻め立てようとした大宮に自由を与えなかった。サイドをえぐられ、際どいミドルを打たれもしたが大きな破綻はなく、FWと中盤、中盤とDFラインがサンドするなど連動した守備で進撃を阻んだ。

相手の攻撃を跳ね返し、勢いそのままに素早い攻守の切り替えを図りたかったのだが、「奪ってから最初のパスでミスが出てしまい、攻撃の回数が少なくなった」(柱谷幸一監督)。ボールを取るところまではよかったのだが、敵陣に入る手前、入ってからのプレーが雑だったことでフィニッシュに至れず、好機を生み出せなかった。佐藤が散らしたボールから小林が内側へカットイン、左の稲葉にあてて落としたボールを佐藤がミドル。上野のポストプレーからオーバーラップした岡田がシュートを放つが決め手を欠いた。佐藤が全体を引き締めたことでボールの循環は改善され、小林と岡田の右のユニットは効果的であったが、ボールを取ってから最初のパスと最後の部分の精度が不足した。カウンターへの反応も鈍かったことで、迫力にも乏しかった。

喫した失点はサイドから入ったグラウンダーのボールを潰しきれず、ソフトタッチで叩かれたパスを走り込んできた土岐田洸平にミドルを突き刺されたものだった。

総入れ替えした2本目の陣容と交代は下記の通り。

GK柴崎、DF田村仁崇、山崎透、川鍋良祐、赤井秀行、MF鴨志田誉、久保田勲、向慎一、深澤幸次、FW坂本勇一、松田正俊

交代:柴崎→武田博行(後半17分)、川鍋→入江利和(→同38分)

スタメンを虎視眈々と窺う深澤、久保田、向は前線から懸命にボールを追った。1本目に比べると2本目のメンバーからはアピールの意識が強く感じられ、組織として守ることは前提としてありつつも、個々がストロングポイントを出し切ることに重きを置いているようだった。先のカターレ富山戦で精彩を欠いた深澤は身上であるアグレッシブさを取り戻し、ドリブルで仕掛けるシーンが多々見られた。アプローチの速さに定評のある久保田は後ろを鴨志田に任せ、何度もボールに噛み付いた。攻守において最も精力的だった。坂本が粘って確保したボールから唯一の好機となったシュートを記録したのも久保田だった(絶好機だっただけに決めておきたかったところだろう)。左サイドバックの田村は機を見た攻撃参加から良質なクロスやフィードを供給した。対HondaFC戦でその実力は証明されているだけに、照井が好調を維持しているものの、スタートから見てみたいと思わせた。

10分に献上した追加点は自陣でのバックパスが切っ掛けだった。立ち上がりの失点は中断前からの課題だった。安易なミスが絡んでいることもあり、チーム全体に影響を及ぼさなければいいのだが。例えTMであっても締めるべきところは、しっかりと締めなければならない。

攻撃面ではボールの動かし方、守備面ではポジショニング、それに関連したプレスを掛ける場所のイメージの共有が出来ていたことを、柱谷監督は大宮とのTMでの収穫に挙げた。口にした課題はラスト3分の1での質と攻守の切り替えの部分。相手のプレッシャーをいかに掻い潜り、ゴールに繋がるような崩しのパス、クロス、スルーパスを出すことが出来るか。早急には解決されない問題ではあるが、意欲的に取り組む姿勢を保持することは不可能ではない。向上心を持ち、個々人のスキルを磨いていくべきである。

雨の影響により天然芝でトレーニングを積む機会が半減したものの、予定通りのメニューを全てキャンプでは消化できたようだ。同じ釜の飯を食い、風呂に入るなど裸の付き合いもしたことでコミュニケーションを深められた。有意義な時間を過ごせた、と上野は言う。攻撃に関しては物足りなさを感じるものの、一方で信頼関係が密になったことが幸いしたのか、不安定だった守備は持ち直しの兆しが見て取れた。ただし、栃木SCは格上、Jクラブが相手だと守りの面で綻びが露わにならないだけに楽観視はできない。そのへんのことは指揮官も十分に認識している。

「佐川(滋賀)のゲームで結果を残す。キャンプが、ブレーク期間がよかったというゲームをしてこそ、実りのあるキャンプだったと思える」

中断期間を無為に過ごしたと言わせないためにも、リーグ再開後のSAGAWA(SHIGA FC)戦は不得手なアウェーであろうと落とすわけにはいかない。

トレーニングマッチ 栃木SC(0-1、0-1)大宮アルディージャ @NTT東日本志木総合グラウンド

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