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『稲葉の活かし方』@栃木SC通信

2008年9月27日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

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バランスの取り易い4-4-2から、歪な4-2-3-1へと移行したのは、佐藤悠介の展開力と稲葉久人の突破力を武器とした攻撃を展開する狙いからである。完全にフィットしているわけではないが、佐藤のボランチ起用は一定の効果をチームにもたらしている。翻って、左ワイドに配された稲葉は、持ち味を発揮しきれているとは言い難い。

「オカ(岡田佑樹)、成光(小林)、オチ(落合正幸)で作り、悠介を経由してイナのスピードを使う。偏った攻撃が多かった」(柱谷幸一監督)

攻撃の大半は右サイドから。好機も右サイドから生み出された。岡田、小林、落合と3人トリオは連携が出来上がっており、阿吽の呼吸でのプレーが可能である。岡田と小林のクロスの精度が上がれば、強烈なストロングポイントと成り得るだろう。機能性は高い。だからこそ、際立ってしまう、粗が目立ってしまうのである。対面の、左サイドが。

稲葉はドリブルで持ち上がるだけの力を有しているが、利き足が右であるためクロスを上げるのに難儀している。深くえぐっても、クロスが引っ掛かっていたし、切り返しを読まれてはボールを奪われもした。スピードを活かしたドリブルで勝負を挑むことが求められる第一条件なのだろうが、縦に急ぎ過ぎている感もある。周囲のサポートが少なく、孤独な戦いを強いられているともいえるのだが(試合後、マンツーマンで指揮官から指導を受けていた斎藤のパフォーマンスは低調だった)。

フォローに回ろうかと悩んだ1トップの上野優作は言う。

「イナは個人での突破から流れを変えられる。ポゼッションよりも、悠介のサイドチェンジなどで1対1を作り、いいカタチでイナが受けられるようにしなければならない」

チーム全体として稲葉の使い方を見い出せていないのが現状である。個で挑めるが、高安亮介のように1対1に抜群の強みがあるわけではない。稲葉の特長を引き出すには、トライアングルを作ることが必要なのではないか。有機的な右サイドのように。上野が近寄ってあげてもいいし、背後の斎藤雅也が追い越しをかけてあげてもいい。佐藤が前に出てもいいだろう。そうすれば、ノッキング、クロスを窮屈な体勢で上げるケースは半減するに違いない。また、縦、縦の意識が少しでも薄まれば、ボールを落ち着ける、起点になろうとする選択肢が芽生えてもくるだろう。左でボールを収められるようになれば、攻撃に幅と厚みが加わる。

逆サイドからのクロスに対して内側へ絞り込んで飛び込む。稲葉に期待されている得点力の部分での成果は垣間見られるだけに、仕掛ける時とそうでない時の使い分けが出来るようになれば、味方が使い方を理解してあげられれば、柱谷監督が思い描くイメージにより近付けるのではないだろうか。

トライしている戦術は興味を惹かれるだけに、是非ともカタチにしてもらいたいものである。悠長に構えていられるほどの時間と余裕はないのだけれど。

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