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南アフリカワールドカップアジア最終予選@カタール対日本

2008年11月20日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

ラモス瑠偉、カズを引き合いに出し、代表の誇りと出場する以上は痛めた左膝を言い訳にしないと口にした中村俊輔。とはいえ、序盤は様子を窺いながらのプレー。目立ったのはゲームを作ることよりも、球際で競り負けないなどの守備面での貢献度。ラモスがそうであったように危険な匂いをかぎ取る能力が、リーダーとしての自覚が強くなったことで高まったのか、守備に脆さのある内田を上手くカバーしていた。ピンチの芽をサンドして早めに摘むことで、カタールに有効な攻撃をさせなかった。試合終盤にはカタールがGKに戻したボールに対して猛然とプレス。怪我を理由にしないとはいえ、雌雄は決しており、試合後のリバウンドも見ているものとしては気になるところだが、そんなことはお構いなしにチェイスした。代表とは、こうあるべき。背中で熱く語っていた。香川は何を感じたのだろうか。

チームで最もスキルの高い選手が泥臭くボールに食らいついていくのだから、周囲は守備をサボるわけにはいかず、玉田、田中達也、大久保とアタッカーは前線からボールを追い回し、守備陣を多いに助けた。寺田と闘莉王のセンターバックはカタールのストロングポイントであるセバスチャンを完封した。終盤、チーム事情もあったのだろうが、セバスチャンは特長を発揮できるゴール前から逃げた。日本のDFが遠ざけたとも言える。寺田は足元のミスが散見されたが、期待された空中戦は優勢に運んだ。核となる中沢を欠いたものの、大きな破綻はなく、久々に無失点に抑えたことから及第点の出来だったのではないだろうか。

最終ラインと密な関係性を築いたのはボランチに配された長谷部。こちらも巧みにボールを挟み込んではバイタリエリアでの仕事をさせなかった。推進力を働かせ、果敢に前線まで攻め上がりもした。先制点は内田が長谷部のランニングに合わせたボールを相手DFが見送り、田中達也がかっさらいゴールに流し込んだものだった。要所でゴール前に顔を出してはミドルを打つなど、攻守における存在感を示した。

キックオフからカタールが前傾姿勢を取ってくることは織り込み済みだった日本は、動じることなく、Pボックスに早めにボールを入れてくる攻撃に対処した。FKから遠藤がマークを剥がされてシュートを打たれるも、決定的なものではなく、序盤戦を振り返った中村俊輔が憮然と「問題ない」との趣旨の発言をしたのは、それほどの脅威を感じず、攻めさせていたという意識も少なからずあったのではないか。全体から戸惑い、浮足立ったところは見受けられなかった。

失点により(ことに玉田の2点目が痛かったとメツ監督は述べている)戦意を削がれたカタールは、旺盛に動き回っていた帰化組、ことに右サイドのアタッカーが大人しくなったことで怖さは失せた。もう少し歯ごたえのあるチームだと思っていたが、意外にもあっさりと3-0の勝利を譲ってくれた。

松井大輔の代役として左サイドに据えられた大久保は守備のタスクを忠実にこなすが、やはり中央でこそ持ち味を発揮できるだけにジレンマを抱えながら、しかし結果が必要とされ予選だけに我慢しながらプレーを続けていた。後半から玉田、田中達也と流動的にポジションを入れ替えたことで、中に入れるようになり決定機を生み出したことから、やはり中で起用するのがベストだろう。玉田、田中達也と二人が好調を維持し、松井も戻ってきたことから、出場機会すら危うい状態にあるのだが。

細かなミスは当然サッカーだけに避けられなかったが、ホームのカザフスタン戦をドローで終えたことを考えれば、アウェーで勝点3を積み上げられたことは評価していいだろう。岡田体制となってから漠然としていたコンセプトが、徐々に浸透していることも伝わってきている。

つくづく感じるのは、このチームのM体質。追い込まれた時にこそ本来の力を発揮する。負ければ解任との文字も躍った指揮官の体質が、そのままチームに反映されているのだろうか。

南アフリカワールドカップアジア最終予選 カタール0-3日本 @ドーハ 得点者:田中達也、玉田、闘莉王

<日本>GK川口、DF長友、闘莉王、寺田、内田、MF長谷部、遠藤、中村俊輔、大久保(→岡崎)、田中達也(→松井)、FW玉田(→佐藤)

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