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松田浩監督就任会見@栃木SC通信

2008年12月13日 大塚秀毅 | | コメント(0) | トラックバック(0)

md1.JPG栃木SCは来季から現場の指揮を今季までJ1のヴィッセル神戸を率いていた松田浩氏に託すことを発表した。

契約期間は2009年2月1日から2012年1月31日まで。3年契約で合意に至った。

松田浩氏はアビスパ福岡と神戸をJ2からJ1へ引き上げた実績を持つ。

要旨は公式HPをご覧ください。

 

難航していた新監督選びに終止符が打たれた。来季からJ2へ参戦する栃木SCは今季までJ1ヴィッセル神戸の監督を務めていた松田浩氏を迎え入れる断を下した。

柱谷幸一前監督との交渉が決裂した11月28日から1週間を目処に新監督を選出するはずだったが、Jリーグが12月6日まで開催されていたこともあり大幅にずれ込んだ。

遅々として進まなかった事態が急展開を見せたのは今週に入ってからだった。11日に松田氏をリストアップ。翌日に交渉する段取りを整えた上野佳昭強化担当責任者(以下、上野強化部長)は神戸に向かった。ホテルでの4時間弱の話し合いの中で上野強化部長は、「J2へ上がったシーズン、君の力が必要なんだ。君しかいない。君に託したい」と熱意を訴えた。そして、補強に関する進捗具合、練習環境などクラブの置かれている現況を説明し、来季のチームコンセプトである「ネバーギブアップ」、「ハードワーク」、「シンプル&スピード」の3点を元にしたチーム構築を願い出た。宇都宮に一旦戻った上野強化部長が夜中に松田氏に電話を入れると、「このコンセプトでやらせてください。一生懸命頑張ります」と快諾の返事をもらった。「嬉しかった」と上野強化部長は胸を撫で下ろした。柱谷前監督と物別れに終わってから2週間、当初の予定よりかなりの時間を要したものの漸く監督問題は解決した。それも信じ難いほどのスピードで。

新監督に就任した松田氏は「私にとって大きなチャレンジ。やりがいのある仕事」と監督を引き受けるに至った心境を語り、Jクラブとして産声を上げたばかりの栃木SCを率いることに「チャレンジ精神が湧いてくる」と高揚感を隠しきれない様子だった。

クラブ側は松田新監督に来季以降を託すにあたって、スチュアート・バクスター監督(元サンフレッチェ広島)の下でノウハウを学ぶなど戦術分析に長けた理論派であり、若手育成やメンタル面の強化にも優れていること、ディシプリン(規律)を重んじる点を評価した。

神戸時代に佐藤悠介、小針清允と仕事をし、その他数名の選手は福岡時代に対戦相手として知っている程度で、試合映像も見ていないことから現段階で情報は皆無に等しい。先ずは「戦力を見極めてから、どんなサッカーが出来るのかを考える」と松田新監督は話した。具体的な戦術には言及しなかったが、「全員攻撃と全員守備をベースとした、コレクティブ(組織的)に集団でハードワーク出来るサッカーとネバーギブアップの精神を持って戦う」と宣言。また、戦う以上は常に勝利を目指し、「勝てない試合でもファンに感動を与え、『全力を尽くしているな』、『手を抜いていないな』と思われるサッカー」を志向することを誓った。これは12月1日、J2入会が承認された席上、新井賢太郎社長が直近の課題として新監督選びとチーム編成を挙げた際に、「全力を尽くせるチーム、死ぬまで走り切れる選手がいるチーム作りを新監督には求めたい」と話したことに合致する。今季は垣間見られなかった栃木SCの独自色のひとつである、「馬車馬サッカー」の再考、復活を期待せずにはいられない。

「規律というと堅苦しく感じるが、広い意味がある」と松田新監督。ピッチ外の行動がピッチ内のパフォーマンス、例えば集合時間に遅れることがポジショニングなどに影響を及ぼすと考えており、「ピッチ外でも色々なディシプリンを求める」。一見すると厳格とも受け取れるが、しかし言っていることは至極当然のことである。「やるべきことやり、やるべきでないことはやらない。そういう部分が勝つチームには必要」と言い切った。

来季は18チームが鎬を削るJ2。過密日程、十分ではない戦力で戦い抜かなければならないことを承知の上でクラブは「ひとつでも多くのJ2クラブを食って欲しい」(上野強化部長)と望み、「9位」を目標に掲げる。松田新監督も「1年目で上位グループに入りたい野望がある」と、あらゆる策を講じながら上位に食い込んでいく腹積もりでいる。そのためには51試合と世界でも類を見ない試合数を消化する長丁場に向けての心構えとして「我慢が必要」と説く。3回も戦えば互いの手の内も分かってくる。終盤戦の戦いはより過酷さを極めることが予想される。今季のように9戦未勝利と勝てない時期が続くこともあるだろう。だからこそ、「忍耐」が重要性を帯びてくる。勝敗に一喜一憂することなく結果が出なくとも揺るぎない信念の下で自分達のサッカーを継続することを強調した。堪えることは我々にとっても不可欠な要素かもしれない。来季は前半戦に土台作りを行い、後半戦に軌道に乗せ、徐々に戦術がオートマティックになることを目指す。

既に来季へ向けた戦いは始まっている。戦力補強に関しては留任が決まった今季のコーチ陣、上野強化部長と話し合いながら必要な選手をリストアップし、獲得に動くという。出遅れを取り戻すことは容易ではないが、栃木SCに適した人材を確保して欲しい。

クラブが初めて打ち出した「5年でJ1」という指針。新たな指揮官を招聘したことで、更なる高みへ到達するためのプランが始動した。

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