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すっかすか
2009年6月10日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
移動があったにしても酷い試合だ。
でも、中沢が疲れを顔に出すくらいだからメチャクチャしんどかったんだろう。
W杯出場も決まってしまったし、モチが上がらんいいわけはあるわけで。
だけれど、プロである以上は一定のパフォーマンスを披露しないとね。
足の鈍り方が尋常でなく、球際の緩さに目が飛び出た。
あれじゃ、勝てないよ。
と消化試合で憤っても仕方ないけれど、4強へのチャレンジの第一歩だもんねえ。
幸先が悪い。
南アフリカワールドカップアジア最終予選@カタール対日本
2008年11月20日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ラモス瑠偉、カズを引き合いに出し、代表の誇りと出場する以上は痛めた左膝を言い訳にしないと口にした中村俊輔。とはいえ、序盤は様子を窺いながらのプレー。目立ったのはゲームを作ることよりも、球際で競り負けないなどの守備面での貢献度。ラモスがそうであったように危険な匂いをかぎ取る能力が、リーダーとしての自覚が強くなったことで高まったのか、守備に脆さのある内田を上手くカバーしていた。ピンチの芽をサンドして早めに摘むことで、カタールに有効な攻撃をさせなかった。試合終盤にはカタールがGKに戻したボールに対して猛然とプレス。怪我を理由にしないとはいえ、雌雄は決しており、試合後のリバウンドも見ているものとしては気になるところだが、そんなことはお構いなしにチェイスした。代表とは、こうあるべき。背中で熱く語っていた。香川は何を感じたのだろうか。
チームで最もスキルの高い選手が泥臭くボールに食らいついていくのだから、周囲は守備をサボるわけにはいかず、玉田、田中達也、大久保とアタッカーは前線からボールを追い回し、守備陣を多いに助けた。寺田と闘莉王のセンターバックはカタールのストロングポイントであるセバスチャンを完封した。終盤、チーム事情もあったのだろうが、セバスチャンは特長を発揮できるゴール前から逃げた。日本のDFが遠ざけたとも言える。寺田は足元のミスが散見されたが、期待された空中戦は優勢に運んだ。核となる中沢を欠いたものの、大きな破綻はなく、久々に無失点に抑えたことから及第点の出来だったのではないだろうか。
最終ラインと密な関係性を築いたのはボランチに配された長谷部。こちらも巧みにボールを挟み込んではバイタリエリアでの仕事をさせなかった。推進力を働かせ、果敢に前線まで攻め上がりもした。先制点は内田が長谷部のランニングに合わせたボールを相手DFが見送り、田中達也がかっさらいゴールに流し込んだものだった。要所でゴール前に顔を出してはミドルを打つなど、攻守における存在感を示した。
キックオフからカタールが前傾姿勢を取ってくることは織り込み済みだった日本は、動じることなく、Pボックスに早めにボールを入れてくる攻撃に対処した。FKから遠藤がマークを剥がされてシュートを打たれるも、決定的なものではなく、序盤戦を振り返った中村俊輔が憮然と「問題ない」との趣旨の発言をしたのは、それほどの脅威を感じず、攻めさせていたという意識も少なからずあったのではないか。全体から戸惑い、浮足立ったところは見受けられなかった。
失点により(ことに玉田の2点目が痛かったとメツ監督は述べている)戦意を削がれたカタールは、旺盛に動き回っていた帰化組、ことに右サイドのアタッカーが大人しくなったことで怖さは失せた。もう少し歯ごたえのあるチームだと思っていたが、意外にもあっさりと3-0の勝利を譲ってくれた。
松井大輔の代役として左サイドに据えられた大久保は守備のタスクを忠実にこなすが、やはり中央でこそ持ち味を発揮できるだけにジレンマを抱えながら、しかし結果が必要とされ予選だけに我慢しながらプレーを続けていた。後半から玉田、田中達也と流動的にポジションを入れ替えたことで、中に入れるようになり決定機を生み出したことから、やはり中で起用するのがベストだろう。玉田、田中達也と二人が好調を維持し、松井も戻ってきたことから、出場機会すら危うい状態にあるのだが。
細かなミスは当然サッカーだけに避けられなかったが、ホームのカザフスタン戦をドローで終えたことを考えれば、アウェーで勝点3を積み上げられたことは評価していいだろう。岡田体制となってから漠然としていたコンセプトが、徐々に浸透していることも伝わってきている。
つくづく感じるのは、このチームのM体質。追い込まれた時にこそ本来の力を発揮する。負ければ解任との文字も躍った指揮官の体質が、そのままチームに反映されているのだろうか。
南アフリカワールドカップアジア最終予選 カタール0-3日本 @ドーハ 得点者:田中達也、玉田、闘莉王
<日本>GK川口、DF長友、闘莉王、寺田、内田、MF長谷部、遠藤、中村俊輔、大久保(→岡崎)、田中達也(→松井)、FW玉田(→佐藤)
ゴール映像の垂れ流し
2008年11月15日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
昨日のシリア戦、録画ミスでダイジェスト映像しか目にしていない。
アンフェアを承知の上で少々、気掛かりな点に触れたい。
ゴールシーンばかりが垂れ流されているが、PKにより奪われた1失点の過程をもっと取り上げてもいいのではないだろうか。
カタール戦を前にネガティブキャンペーンを展開したくない映像メディアの思惑も分からないではないが。
決定力不足を嘆くことも重要であるが、失点が止まらないことにも目を向けるべきではないだろうか。
さて、そこでフォーカスされるのが、中沢の穴である。
容易に埋まらないのは先刻承知。
先のUAEとの親善試合では寺田が攻守にそつがないプレーをしていたものの、相棒が中沢だったことを忘れてはいけないだろう。
中沢とタイプの異なる闘莉王とコミュニケーションは図れていたのだろうか。
ゴールほどカタルシスを得られるものはないが、相手を無失点に抑える強さと逞しさも、そろそろ見てみたいものである。
M体質の日本@南アフリカワールドカップアジア最終予選 日本対ウズベキスタン
2008年10月16日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
シビアな状況下でなければ、南アフリカワールドカップを目指す今回のチームは力を発揮できないのだろうか。アジア最終予選2戦目となる対ウズベキスタン戦を控え、UAEとスパーリングを行うなど準備期間はたっぷりとは言わないまでも相応に用意されていた。コンディションを作る上でもホーム開催ということで地の利を生かせることから困難ではなかったはずである。しかし、蓋を開けてみれば、人もボールも動かない、試合開始前ピッチに水をまいたにしてもミスパスのオンパレード、相手がちょっと前に出てきただけで腰が引けた。置かれた状況が異なることから安易な比較はできないが、灼熱の地マナマでのバーレーンとの一戦の方がファイト出来ていた。そう考えると甘えが、気の緩みがあったと疑わずにいられない。代表はM体質なのだろか。
中村俊輔がハードタックルで潰されると、起点を喪失した日本は打つ手がなかった。玉田、大久保のアタッカーにボールが入らず、時折サイドチェンジを利し右から仕掛けるが単発に終わる。27分、闘莉王の不要な、魅せる必要のないエリアでの緩慢なクリアミスからカウンターを浴び、警戒していたシャツキフにゴールを割られた。距離の取り方を探り続けた日本は、必死にマークを掻い潜った中村俊輔への依存度が増す。しわ寄せを受けながら、それでも中村俊輔が左からふわりとしたクロスを供給し、大久保が折り返し、玉田が最後は押し込み同点とする。
ゴールにより前半終盤に息を吹き返した日本は、左に寄せてから右の内田を使うも、内田が上がった後に生じたスペースへとウズベキスタンの侵入を許す。左から圧を掛けたウズベキスタンの攻撃はシャープで、嵩にかかって攻め立てる様は先のユーロ2008で旋風を巻き起こしたロシアを彷彿とさせた。ピリッとしない日本はセットプレーに活路を見い出すも、途中交代の岡崎のヘッドが中沢に当たるなど決め切れず。最終手段である闘莉王を軸としたパワープレーにも徹しきれないまま、2連敗と後がないウズベキスタンの気迫を上回れずにホーム最低条件の勝点3を取り逃した。
好機は全て中村俊輔から。この悪しき事態を早急に改善しなければならないだろう。物おじしないプレーが求められている香川と内田。香川のプレーは継続性に乏しく、内田は積極性に欠けた。前半37分、中村俊輔の絶妙なスルーパスに飛び出したのは内田。シュートを選択すべきケースでファーサイドへの折り返しのパスを出した時には、誰もが頭を抱えるしかなかった。サイドバックはシュートを打ってはいけないとの約束事でもあるのだろうか。奮闘していたのは中沢、長谷部、中村俊輔と限られた選手のみ。全員のハードワークなくして勝利を掴めないことは、3次予選を通じて体験済みだったはずなのだが。不甲斐無い内容と結果に溜め息しかでなかった。
南アフリカワールドカップアジア最終予選 日本1-1ウズベキスタン @埼玉スタジアム2002
<日本>GK楢崎、DF阿部、闘莉王、中沢、内田、MF長谷部、遠藤、香川(→稲本)、中村俊輔、大久保(→岡崎)、FW玉田(→興梠)
日本対UAE@テストマッチ
2008年10月10日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
南アフリカワールドカップアジア最終予選、ウズベキスタンとのホームゲームを控える日本は、UAEとテストマッチを行った。後半27分に途中交代の香川がゴールを挙げるも、31分に警戒していたカウンターから被弾。1-1の同点に終わった。
4-2-3-1の日本は、G大阪と浦和がアジアチャンピオンズリーグの準決勝を戦ったことで遠藤や闘莉王、阿部を欠き、“新戦力”を並べた。北京世代の岡崎をスタートからトップ下に配し、ウズベキスタン戦は出場停止となる松井大輔の代役に代表復帰の大久保嘉人を左サイドに。長谷部とのダブルボランチを組んだのは先の対バーレーン戦でベンチ外となった稲本。センターバック中沢の相棒には追加招集の寺田が指名された。
玉田と岡崎の堅実なポストプレーを利し、右の中村俊輔が内に絞ってゲームを組み立てる。長友と内田のフレッシュな両サイドバックはオーバーラップを掛け、ダブルボランチのいずれか一人のセカンドボールへのリアクション、サポート意識がよかったことで、厚みのある攻撃が繰り出せた。UAEが裏を狙ったボールを送り込むも、闘莉王にも劣らぬ高さを披露した寺田のヘディングで跳ね返す力が、行く手を阻む。警戒人物であるエースのマタルにボールを入れさせなかった。優勢に試合を運べた一因だろう。大久保が精彩を欠いたことで左サイドは機能不全に陥ったものの、ボールを動かし続けた日本は、試合を支配する。Pボックス内に侵入した岡崎の反転シュート、FKから寺田が高打点からのヘディングシュート、長友の左クロスから大久保のヘディングシュート、と好機を生み出す。ネットこそ揺らせなかったが、ゴールへの高い意識が窺えた。
セットプレーを隠すと戦前に公言していた中村だが、後半の頭に枠内にFKを飛ばす。その後もプレイスキッカーを務めたものの、中村個人が直接ゴールを狙う際の軌道などは既に相手に知れ渡っていることから構わずに打っていったが、さすがにサインプレーなどは行わず、隠す部分はしっかりと隠していた。絶好機を大久保が外すなど、サイドから効果的に崩せてもゴールとして結実しなかった日本の攻撃。しかし、27分、右クロスを興梠がヘッドもポストに嫌われ、逸機するもセカンドボールを拾った内田がファーの香川へグラウンダーのパスを送り、これを難なく香川がプッシュ。平成生まれのA代表初ゴールが先制点となる。攻守にフレキシブルだった日本だが、些か前掛かりになったところを、UAEに突かれる。人数は足りていたものの、中東が得意とするカウンターとミドルシュートのセットから同点とされてしまう。前半にもマタルにショートカウンターからシュートにまで持ち込まれるシーンがあっただけに、しっかりとケアしなければならなかった。1点を死守しなければならない時間帯と状況での失点。立て続けに2点を献上したバーレーン戦の教訓が、メンバーが入れ替わっていようとも活かされていなかったといえる。勝利を追求した日本は香川が2度、佐藤、興梠も好機を掴むが決め切れず。勝ち越せないままタイムアップとなった。
失点を喫したことよりも好機の数に比例せず、追加点を奪えなかったことを岡田監督は課題に挙げていた。確かに決めなければならないシーンは数多あったが、バーレーン戦での蹉跌があっただけに、無失点で閉められなかったことの方が、むしろ問題なのではないだろうか。
さて、新戦力である。寺田のパフォーマンスは悪くなった。自身の持ち味を発揮し、安定していた。稲本も球際の強さ、ダイナミックな後方からの飛び出しと身上を押し出しつつ、バランスを取ることも忘れず、消えることも浮くこともなかった。北京世代の岡崎と興梠は、初めこそ硬さが見られたが、時間の経過と共にチームとして求められているもの、個人として要求されている部分を表現した。若きアタッカーはゴールへの渇望をチームに呼び起こし、新鮮な風を吹き込んだ。
親善試合 日本1-1UAE @東北電力ビッグスワン
<日本>GK楢崎、DF長友、寺田(→高木)、中沢、内田、MF長谷部、稲本(→中村憲剛)、大久保(→佐藤)、中村俊輔(→香川)、岡崎(→巻)、FW玉田(→興梠)
バランス崩す
2008年9月11日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
11年前の事故のトラウマに、持病による自律神経の乱れ。
9月は何かとバランスを崩し易い。
昨年はそれほどでもなかったが、今年は結構きてます、きてます。
なんとか波が穏やかになるよう早寝早起きと節制を心掛けないと。
夏バテは早期治療が効果的?
日本代表戦士の指導者を讃え、ペナントと感謝状を贈呈する日本サッカー協会。
これが若年層の育成促進に繋がることを願ってやまない。
遅延:アジア最終予選@バーレーン対日本
2008年9月 9日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
序盤の攻守に積極的な姿勢が実った試合だった。奪われたボールを田中が、松井がすぐさま奪い返しに掛かり、ゴールが視界に入ったら多少の距離があっても迷わずシュートを打つ。常に自分たちからアクションを起こしたことで、ホームのバーレーンにリズムを作らせなかった。中村俊輔の地を這う直接FKが突き刺さってから一時的にバーレーンに流れが傾きはしたが(際どいミドルが飛んだ)、CKの流れから阿部が果敢に枠内を捕らえるミドルを放ったことで堰き止めたことは小さくなかった。持ち直しそうになったバーレーンの勢いを止めたことで、中村俊輔がPKを獲得し、いまや遠藤の代名詞となったコロコロPKで突き放すことができたのだから。
後半、バーレーンは出力を上げ、両サイドから攻め立て、ロングボールも多用したことで押し込められるシーンも散見された日本。その後も2トップをそっくり交代し、放り込みサッカーから一転してポゼッションを重視するなどマチャラ監督は策を講じるが、バーレーンが一人退場者を出したこともあり、動じることなく試合を優位に進められた。アタッキングサードにボールを運ぶもフィニッシュに至れない時間帯が続き、ようやく田中と長谷部がPボックス内でシュートしたはいいがクロスバーに嫌われ追加点を奪えなかった。しかし、気力、体力とも限界のバーレーンに襲い掛かり、立て続けに好機を生み出し、途中交代の中村憲剛のミドルが相手DFに当たる幸運にも恵まれ、貴重な3点目を得る。このまま試合をクローズできればよかったのだが、ラスト5分で日本は急に浮足立ってしまう。右からのライナー性のクロスが逆サイドに届きゴールを割られ、その直後にはGK楢崎と闘莉王の連係ミスからオウンゴールで2点目を献上。雲行きが一気に怪しくなり、次々とシュートの雨を浴びた。ドリブルシュートに肝を冷やされるなどもしたが、辛うじて逃げ切りに成功。最後まで気を緩めずに戦い抜かなければ痛い目を見ることを、サッカーではゴールが疲労を取り除き波に乗せてしまうことを、改めて中東の地で思い知らされた。
勝点3を持ち帰れたことは勿論大きかったが、岡田監督は最終予選を突破するには相当の覚悟が必要であることを、間隔を空けずに2失点を喫したことにより初戦で「経験」の浅い選手たちが身を持って体感できたことを収穫に挙げていた。修羅場を潜り抜けた実績のある指揮官が言うのだから重みがあった。
守備固めに今野を投入したにもかかわらず、その効果が表れなかった。猛省が必要であり、徹底した検証もなされなければならないだろう。
アジア最終予選 バーレーン2-3日本 @マナマ
<日本>GK楢崎、DF阿部、闘莉王、中沢、内田、MF長谷部(→今野)、遠藤、松井(→中村憲剛)、中村俊輔、FW玉田(→佐藤)、田中
遅延:日本対ウルグアイ
2008年9月 6日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
突進力のあるドリブルに手を焼く。右サイド(日本の左)からスアレスに幾度も仕掛けられては、Pボックス内で辛うじてクリアするシーンが目に付いた。DFラインの左に阿部、中央に高木が入ったことで連係が図れなかったのかもしれないが、セットプレーやクロスの処理も総じて悪く、終始不安定だった。中沢の安定感は抜群だったが。
球際の強さで勝ったウルグアイは、中盤でボールの出所を潰し、日本のストロングポイントを消した。久方ぶりにブルーのユニフォームに袖を通した小野は何もさせてもらえなかった。日本は左サイドに相手を寄せてから右に叩いてワイドな攻撃を繰り出すまでの過程はよかったが、クロスの精度と高さに欠けた。頭を使い、工夫してクロスを上げるべきだった。初めから上背がないことは分かっていたのだから。
駒野がリスクを冒してカットインから左足を振ってゴールを脅かし、ウルグアイはクロスが抜けたところにスアレスが詰めるも、互いにゴールを割れなかった。45分の中でドリブルへの修正が利かなかったことは大いに反省すべきだろう。
CKのセカンドボールから中村憲剛が入れたクロスが相手DFに当たり、オウンゴールで先制した日本。しかし、ウルグアイの攻守の切り替えの速さについていけず、あっさりとトップに当てられたボールを後方から走りこんできた選手に叩き込まれる。同点とされるが一時的に盛り返し、中沢、小野、長谷部が好機を掴むが決め切れなかった。逸機した日本は次第に足が鈍り、運動量が低下。前半から散見された中盤でボールを取られる場面も増え始めると、37分、ロスタイムにカウンターから立て続けに失点を喫した。
試合の入りは悪くなかった。田中を背後へ走らせる、ワイドに展開することを使い分けることが出来ていたが、最後の部分、クロスの質などに問題があり、波に乗り切れなかった。積極性は買うが、攻撃はあまりにも単発過ぎた。
瞬間、瞬間で輝きは放つも、消えている時間が多い小野は、運動量が要求されるサッカーには不適格。代表から遠ざかっていたことを差し引いても、周囲を納得させられるだけの、絶対的な存在に成り得る可能性を示せなかった。どうしても淡白な印象は拭えない。
岡田監督も選手も強調していたのが1対1での対応。バーレーンも前を向いたらアタッカー陣はガツガツとドリブルで勝負を挑んでくることが予想される。局面でウルグアイ戦のように後手を踏んでいるようでは勝機は遠のく。受けに回らず、前から果敢にボール狩りを行い、出鼻を挫きたいところ。灼熱のマナマで90分、走り回ることは困難に近いが、滑らかなスタートダッシュは切れるはず。序盤で躓くことは許されない。
親善試合 日本1-3ウルグアイ @札幌ドーム
<日本>GK楢崎、DF阿部、中沢、高木、駒野、MF青木(→長友)、長谷部、中村憲剛(→佐藤)、小野、FW玉田(→大黒)、田中(→山瀬)
北京五輪男子サッカーグループリーグ@日本対アメリカ
2008年8月 8日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
グループリーグ初戦、日本はアメリカと対戦した。後半早々の失点により0-1で敗れ去り、ナイジェリア、オランダと強敵との残り2戦を前に苦境に立たされた。
フィジカルサッカーが身上のアメリカであるが、ムンムンとしたアジア特有の気候を考慮してか前から圧を掛けてこなかった。これにより日本は比較的スムーズに試合に入り込めた。互いにリスクを冒すことを恐れたことで、無難に試合を運ぶことを選択した。そんな中でも時間の経過とともに日本は、ストロングポイントである右の内田を効果的に利してゴール前に迫る。20分、ショートCKから絶好機を作り出した。本田圭祐から内田と渡り、香川とのワンツーから供給されたボールはゴール前を横切りファーサイドへ。これに森重が詰める。幸先よくゴールを奪ったかに思われたが、森重の伸ばした足はボールを捕らえ切れなかった。逸機するも中央の守備に比べて薄かったサイドを起点に組み立てた日本。内田が危険なクロスを入れ続けるがゴールには至らなかった。
一瞬の隙を突かれた。最初の10分は前後半で要注意。サッカーのセオリーに徹し切れなかった。後半の立ち上がり、あっさりと右を破られる。クロスはクリアするもセカンドボールからフリーでシュートを許し、GK西川は反応するがボールは脇を通過してコロコロとゴールに吸い込まれた。度々、好機に繋がっていたショートCKと右からのアタックを軸に、日本はビハインドを取り戻そうするが、最後の部分ではアメリカも体を張ったことでゴールをこじ開けることは叶わなかった。香川のクロスから裏を取った本田圭祐、途中交代の李が放ったヘディングシュートは枠を超えていった。アメリカがおとなしかった前半に生み出した好機を結実させららなかったことが敗因だろう。特にCKからのサインプレーはトレーニングを積んでの乾坤一擲、狙い済ましたプレーだけに決め切れなかったはショックは小さくなかった。女子の初戦もそうだったが国際舞台で先手を取られるとやはり苦しくなる。内容は悲観的になるほど悪くなかったのは救いであるが、次戦はナイジェリアと相見える。いいイメージは湧いてこない。
ニュージーランドとの一戦、なでしこジャパン苦戦の一因にDFリーダー・池田を外したことが挙げられる。人選ミスとまでは言い切れないが、大舞台で経験豊富な選手を外すことはギャンブルに等しかった。反町監督が選び抜いた11人。残念ながら覇気に乏しい選手が数人、見受けられた。初戦はメンタル面が重要性を帯びてくる。谷口は好機に絡みはしたが森本とのコンビは拙く、闘争心を剥き出しにする李を起用した方がチームに弾みをつけられたかもしれない。結果論に過ぎないのだが。
北京五輪男子サッカーグループリーグ 日本0-1アメリカ @天津
<日本>GK西川、DF長友、水本、森重、内田、MF本田拓也、梶山(→李)、本田圭祐、香川(→岡崎)、谷口、FW森本(→豊田)
サポート意識の改善を願う@U-23日本対U-23オーストラリア
2008年7月25日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
4-5-1の日本はワントップの森本と周囲とのコンビネーションに難があったものの、本田拓也と細貝のボランチラインでボールを引っ掛けられたことで優位に試合を進められた。押し込んではセカンドボールを拾い2次、3次攻撃を繰り出す。前線の選手のドリブル突破はオーストラリアにとっては厄介だったことだろう。本田圭祐が右の中盤、下がり目でゲームを作り、反対サイドの香川は左サイドの高位置に顔を出して起点を構築。攻撃的MFのバランス感覚は悪くなかった。しかし、吉田の緩慢なクリアから数的優位を保っていたにもかかわらずオーバーエイジのトンプソンにゴールを割られてしまう。ボールホルダーへアタックに行ってもよかったシーンだった。つまり、防げた失点だったといえる。先手を取られた日本だが序盤からみせたゴールへの意欲は衰えず、40分に同点に追い付く。内田のクサビを李がスルー。背後の森本が落としたボールを飛び込んできた香川が流し込んだ。勢いそのままに逆転を狙った日本は左から長友の折り返しから李、香川がミドルを放つがリードは拡げられなかった。
後半早々に肝を冷やされた日本だが、内田が右をえぐり交代出場の谷口がポスト直撃のスライディングシュートで盛り返すと、香川のスルーパスに反応した本田圭祐もゴールに迫るが左足アウトにかけたシュートは枠外へ。攻め手を見出せないオーストラリアに対し、攻勢の日本も決定機を演出できずに時間だけが過ぎた後半43分。途中出場の安田が左サイド深くまで侵入し、戻したボールを谷口がクロス。これを岡崎(本田圭祐と交代)が体をひねりながら頭で合わせる。無骨なプレースタイルと顔に似合わないテクニカルなシュートをねじ込んだ。互いに好機を作り出せず、膠着したゲームの雌雄を決する1点をマークした日本が勝利を掴んだ。
A代表では萎縮したのか存在が消えていた香川だが、同世代の代表ということもあり持ち味を発揮した。ドリブルで持ち上がれる力強さ、空いたスペースを見逃さずに柔らかいボールタッチから供給されるスルーパスは絶品だった。CKのキッカーも任され、ゴールにこそ繋がらなかったが、鋭いボールを入れていた。岡田監督、反町監督が惚れ込む理由が分かった気がした。
自らのミスから失点を招いてしまった吉田であるが、その後は下を向くことなくオーストラリアの高さに対応した。失敗を挽回するのは守備だけではないと、攻撃参加しては果敢にゴールを狙いもした。指揮官はハートの強さを選考理由のひとつに挙げていた。すぐにリカバリーできるメンタリティは大きな武器である。国際大会は致命的なミスにより俯きがちであるが(ユーロではムトゥがPK失敗により著しくパフォーマンスを落とした)吉田の負けん気は頼もしいばかりである。
ゴールに絡んだ森本であるが、まだまだチームにフィットしていない。森本自身にも問題があるし、サポートに入る選手にも課題が見て取れた。次の対アルゼンチン戦では少しでも改善の後が見られることを切に願う。
壮行試合 U-23日本2-1U-23オーストラリア @ホムスタ
<日本>GK山本、DF内田(→安田)、吉田、水本、長友、MF本田拓也、細貝(→梶山)、本田圭祐(→岡崎)、香川、李(→谷口)、FW森本(→豊田)
時期尚早ではないと思うが
2008年7月24日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
トレーニングキャンプに参加する24名が発表された。
初キャップが4名、岡田体制になってからの新顔も並ぶ。
中沢の相方は闘莉王で決まりそうだが、故障が多いために中田浩二をCBと左SBで試すのでしょう。どれだけフィットするのか。ボランチでの起用は今のところ考えていないのでは。
香川に続き金崎と若手を入れて刺激を与えようとするやり方は面白いのでは。先ずは間近に迫った最終予選を突破しないと話しにならないのだけれど。中盤の構成では仕掛けていける小川と村井に期待か。縦へのスピード、クロスの精度に乏しいチームだからね。
FWは同タイプの選手が多い。玉田、田中、佐藤など。そろそろ引き出しの豊富な前田には軸になってもらいところ。ワントップには適任の人材でしょう。怪我がちなところが頭痛の種だろうね。大黒は先日、目にしたが動きは鋭かったし、ゴール前での嗅覚も衰えていなかった。時期尚早ではないと思うが。
GK:川口能活、楢崎正剛、川島永嗣
DF:中澤佑二、中田浩二、高木和道、田中マルクス闘莉王、駒野友一、阿部勇樹
MF:村井慎二、中村憲剛、鈴木啓太、山瀬功治、青木剛、今野泰幸、小川佳純、工藤浩平、柏木陽介、金崎夢生
FW:玉田圭司、大黒将志、前田遼一、佐藤寿人、田中達也
削られたスペシャリスト
2008年7月15日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
北京五輪サッカー男子代表18名が発表された。
水野、梅崎と右サイドのアタッカーが揃って選から漏れた。
これには驚いた。
反町監督はグループリーグ突破を目標に掲げており、アメリカ、ナイジェリア、オランダと格上の相手との3戦を考えれば負けないサッカーを展開せざるをえない。
自ずと守備的で複数のポジションをこなせるユーティリティ性が求められてくる。
スペシャリストが削られたのも頷ける。
細貝か森重が右ワイドに配され、左ワイドに安田を起用することで右へ本田圭祐を回すことも考えられる。
先ずは失点を許さない。
守り倒して数少ない好機を確実にゴールへと結び付ける。
そんな戦いが続くのではないだろうか。
健闘を祈りたいが、僅差の展開に持ち込むことは困難を極めるだろう。
柏木を切って香川かあ。
岡田監督といい反町監督いい、買うねえ。
GK:山本海人、西川周作、DF:水本裕貴、長友佑都、森重真人、安田理大、内田篤人、吉田麻也、MF:本田拓也、谷口博之、梶山陽平、細貝萌、本田圭佑、香川真司、FW:豊田陽平、李忠成、岡崎慎司、森本貴幸
日本対バーレーン@アジア3次予選
2008年6月24日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
日本もバーレーンも最終予選進出を決していることから、3次予選最終戦は消化試合となった。
アウェー、マナマではサッカーをさせてもらえなかったというよりも、策におぼれ墓穴を掘ったことで屈した日本。内容には乏しいものの独自の色を見せ始めた指揮官がプライドを懸けた一戦は、先発起用の佐藤寿人が裏を取りPKを獲得するが、中村俊輔のキックはGKにセーブされてしまう。PK職人・遠藤もスタメンに名を連ねていただけに勿体ない。先制機を逃した。13分、小気味よいパス交換から左サイドを本田圭祐が駆け上がり、玉田がフィニッシュ。効き足の左ではなかったことでシュートの威力は落ち、GK正面を突くが躍動感のある攻撃だった。切り替えの速さを生かしてサイドをもっと活用したかった。中村憲剛がボランチに配されたことで遠藤、中村俊輔とオシムが作り上げたトライアングルのパス回しで日本は優勢に立ち、アジアでは絶対的な闘莉王の高さで好機を演出する。流れは日本にあったがバーレーンも自陣にこもることなく前に出てきたことで非常にオープンな展開で試合は進んだ。時折、繰り出されるカウンターの切れ味は鋭かった。ロスタイムに遠藤のFKはクロスバーに嫌われ、リバウンドに詰めた本田圭祐も空振りと逸機する。
後半はスリッピーなピッチコンディションをバーレーンが生かす。アグレッシブにミドルレンジから枠内を捕らえるシュートを放った。GK楢崎が尽く弾き出すが、あまりにも打たせ過ぎた。カウンター同様に警戒が必要だったはず。日本でピッチコンディションを味方にしたのは玉田だけだった。つまり、果敢にシュートを狙う姿勢に欠けた。0-0のままスコアは動かず、闘莉王を前線に上げ、巻も投入し、なんとしてでもゴールをこじ開けたにかかった日本は、思わぬカタチから決勝点を得る。クリアボールの跳ね返りをPボックス内へとヘディングで押し返した内田。これに巻が猛然と迫る。気迫に負けたのだろう。巻はバウンドしたボールにタイミングを合わせることは出来なかったが、GKもボールを掴みきれず。内田のパスはシュートに成り代わりネットを揺らした。なんとも幸運なカタチで勝点3が転がり込んできた日本は紆余曲折がありながらも、最終的に首位通過を果たした。
飛び出すタイプの選手を中盤に並べなかったことでモビリティは下がったが、パスはそこそこ繋がり、ポゼッションでは凌駕できた。しかし、ゴールを最も脅かしたのが闘莉王というところに攻撃陣の脆弱さが顕著に現れている。選手を入れ替えることで多少の改善は図れるだろうが、個人での打開にも限界はある。立ち上げ時にぶち上げたコンセプトを煮詰めるしかないだろう。
アジア3次予選 日本1-0バーレーン @埼玉
<日本>GK楢崎、DF安田(→今野)、闘莉王、中沢、内田、MF遠藤、中村憲剛、本田圭祐(→巻)、中村俊輔、佐藤寿人、FW玉田
アジア3次予選@タイ対日本
2008年6月14日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
灼熱の地マスカットから多湿のバンコクへと移動した日本代表は、勝点3が絶対条件と些かのプレッシャーを背負いながらタイ代表と相まみえた。
長谷部のドリブル突進からのシュートがタイのゴールを脅かし、先制パンチをヒットさせた日本は延々とイニシアチブを握り続ける。ごっそりと奪ったセットプレーから均衡が破れたのは23分。ショートCKから遠藤と中村俊輔がパス交換し、遠藤がファーサイドへと蹴りこんだボールを叩きつける、お手本のようなヘディングシュートを闘莉王が決める。16分にも闘莉王は競り合いを制し、玉田のサイドネットを突くシュートを導き出していた。序盤から狙っていたカタチから先手を取る。その後もタイ陣内で試合を運び、遠藤の直接FKはクロスバーに嫌われるも、キックの精度の高さは38分にCKから中沢のゴールをお膳立てしたことで際立つ。右足の負傷をおして出場した中村俊輔に代わり2アシストをマーク。横の動きを入れず、縦へとボールを意図的に動かした日本は、高さとセットプレーという対アジアに最も有効な攻撃からリードを得て45分を折り返すが、内田のクロスは引っ掛かる回数が目に付き、大久保の愚行により先発のお鉢が回ってきた香川が空転と中心選手におんぶに抱っこの状態でチームとしてのパフォーマンスはさほど高くはなかった。
全くボールに関与できない。ピッチから消えてしまった中村俊輔を後半もピッチに立たせた岡田監督の采配が裏目に出る。どうして引っ張り続けたのだろうか。引っ込める決断を下してもよかったはずである。ボディブローのように気候条件が日本を苦しめ、数的不利に等しい状態で戦ったのだから、ホームのタイが優勢に試合を押し進められたのは偶発的なものではなかった。後手を踏むシーンが散見される。足が止まるチームメイトを尻目に1トップ起用の玉田は中盤まで下りてボールを落ち着かせ、サイドから果敢に仕掛けては香川の決定機を演出もした。機能停止した中村俊輔に足を攣った松井を交代させたのは24分と選手交代は遅かった。スタミナの切れないタイは時折、鋭い攻撃から日本ゴールへ詰め寄る。苦しい対応も耐え凌いだ44分に、中村俊輔に代わり投入された中村憲剛が背後を取りゴールネットを揺らす。ようやく3点目を手にする。終了間際に途中交代の矢野がカウンターから打ったシュートは枠を外れタイムアップ。
内容よりも結果が重視された試合で勝点3を奪えた。アウェー2連戦は疲労度を強め、本来のプレーを困難にさせるかもしれないが、あまりにも求めているものが低い。相手を侮ってはいけないけれど、勝利を掴んだことしか残らない、先が見えない試合だった。
アジア3次予選 タイ0-3日本 @バンコク
<日本>GK楢崎、DF駒野、闘莉王、中沢、内田、MF長谷部、遠藤、松井(→矢野)、香川(→今野)、中村俊輔(→中村憲剛)、FW玉田
U-23日本代表対U-23カメルーン代表
2008年6月14日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
北京五輪本番で対戦するナイジェリアを想定した強化試合に、U-23日本代表は挑んだ。
トゥーロン国際を経てチームのベクトルが定まったのだろう。最終予選時よりも攻守において整理がなされていた。数的優位を攻撃、守備において作り出しては、カメルーンの身体能力の高さを引き出させなかった。プレスがしっかり機能していたのは以前よりも1トップに配された森本の守備への意識が格段に高まったからであり、トップ下に起用された谷口の存在が大きい。所属チームではボランチを務める谷口だが、競り合いや空中戦に負けないフィジカルの強さ、ミドルを狙えるシュート力、後方から機を伺い飛び出せる力など、ひとつポジションを上げてFWと流動的に絡めるのは面白いアイディア。距離感の修正を図れれば、攻撃に厚みが生じるのではないだろうか。
8分に梅崎の右クロスからの絶好機を外した森本。このチームは1トップへボールが収まらなければ攻撃力がダウンするだけに、Pボックス内のパワーと託されたボールを決死の覚悟でキープする力を限られた時間の中で養わなければならないだろう。森本への良質なクロスを上げた梅崎に今度は好機が訪れる。25分に左から田中がチャレンジして供給したクロスをコースを狙い済ましてボレー。的確にボールをとらえるもGKの好守に阻止された。決定機を2度も逸した日本だが、スピーディでアグレッシブなサッカーで終始、カメルーンを圧倒。守備陣もCKから危ないシーンを迎えるがGK西川がシュートを叩き落として事なきを得る。吉田と水本のセンターバックは相手FWにイニシアチブを与えず、逆に握る逞しさを披露した。中央の守備が強化されたのは好材料だろう。
森本のパスミスからカウンターを受けるなど後半立ち上がりの10分は、”不屈のライオン(カメルーン代表の愛称)”が牙を剥くも、上手くやり過ごし、李の投入でやや失速気味だったペースを取り戻す。その李は本田圭祐のパスからシュートを果敢に放つなど、持ち味を発揮して猛アピール。爛々と輝く瞳が蓄える闘争心はこのチームにとって不可欠なものとなりつつある。交代出場の李を筆頭に水野、上田、エスクデロ、伊野波(青山敏弘は出場時間が短すぎた)もスタートからのメンバーと遜色ない動きをした。伊野波は40分にオーバーラップから決定的なシュートを打つもブロックされてしまう。特色を出し切れなかったカメルーンであるが、最後の最後では足を伸ばしてシュートブロックするなど、元五輪王者の意地を垣間見せた。ロスタイムには水野がゴール前でFKを直接、蹴り込む。巻いて落ちる独特の軌道はゴールへ向かうも、クロスバーに嫌われ、ネットを揺らせなかった。好機を結果に繋げられなかったが、ゴールに迫れるように、脅かせる回数が増えたことは成長した証だろう。
平山というこの世代の核が抜けることになったが(最終メンバーの発表はまだだが選出は厳しい)、トップに安易にロングボールを蹴り込むサッカーからの脱却が図れ、局面をシュートパスで打開し、運動量とアジリティで勝負できるチームへと変貌を遂げられた。立ち上げ当時には全く存在しなかったワクワク感が、高揚感が伝わってくる。平坦ではない道のりを歩んできたことが無駄ではなかったことを、このチームは証明しつつあるのではないだろうか。確実に発展を遂げており、我々がカタルシスを得られるに足るパフォーマンスを見せ付けようとしている。
強化試合 U-23日本0-0U-23カメルーン @国立競技場
<日本>GK西川、DF田中、水本、吉田、森重(→伊野波)、MF本田拓也(→青山敏弘)、梶山(→上田)、本田圭祐、梅崎(→水野)、谷口(→エスクデロ)、FW森本(→李)
日本対オマーン@感想文
2008年6月 9日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
アウェーで先手を取られる。苦しい。不要なファールからのFKが契機。勿体ない。しかし、暑さは凄まじいんだろうなあ。選手のユニフォームの濡れ具合から窺える。ゴール前でショートパスから打開できそうな雰囲気もあるが壁は崩せないだろう。だから、おびき出すためにミドルを散発的に放つが、人数を割いたオマーンは執念で弾くに違いない。初戦のように対アジアの常套手段であるセットプレーと高さが鍵か。
ゴリゴリ押してPK獲得。振り出しに戻して攻勢に回るも、作り出した決定機を決め切れず。逆にPKを献上するが好守で難を逃れる。立て直しを図りたかったが大久保の蛮行が水をさす。オマーンも退場者を出すが、間延びした中盤を利してカウンターからゴールに迫られる。互いに決め手を欠き、スコア1-1は動かず。敵地で勝ち点1。悪くはないが勝ち点3に転換できるだけの好機があっただけに悔やまれる。
久々に日本代表を目にした。以前よりも内容は向上していたので安心。だが予選で問われるのは結果。勝ち切れなかったのは痛い。
アジア3次予選 オマーン1-1日本 @マスカット
品定め
2008年4月17日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
千葉合宿の候補メンバーが発表された。以下の通り。
GK:川口能活、楢崎正剛、都築龍太、川島永嗣
DF:寺田周平、中澤佑二、田中マルクス闘莉王、駒野友一、阿部勇樹、栗原勇蔵、徳永悠平、長友佑都
MF:中村直志、羽生直剛、西紀寛、中村憲剛、鈴木啓太、山瀬功治、茂原岳人、今野泰幸、山岸智、香川真司
FW:永井雄一郎、高原直泰、玉田圭司、巻誠一郎、高松大樹、大久保嘉人
2センターの一角、3バックのストッパーに本職ではない選手を据えたことが失点の遠因になったことで、本格的に中澤のパートナー探しに入ったのかな。闘莉王がファーストチョイスなのだろうけど、怪我が多いために計算が立たない。となると、クラブでコンビを組んでる栗原、今回は招集が見送られた鹿島の岩政、G大阪の山口など、候補はいるが決定打には欠ける。32歳の寺田が選ばれたのだから、松田直樹の復帰の可能性も消えていないことになる。クラブではボランチながら好調を維持しているようなので、是非とも1度は呼んで欲しいところ。経験と実績は申し分がないだけに。素行に関しては触れないことにして・・・。
長友、香川は先の対アンゴラ戦で目に留まったようだが、残念ながらまだ映像を目にしていないので、なんともコメントできない。香川はカナダの大会ではポテンシャルの高さを披露していただけに、楽しみな素材ではあるのかな。若い子をポツポツと招集するのは、ひとつの傾向なんだろうねえ。岡田監督の。独自路線がどんなものなのか。しっかり両の目で拝ませて頂きますよ。
こんなはずじゃない@南アフリカワールドカップアジア3次予選:バーレーン対日本
2008年3月27日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
ドバイで直前合宿を行いバーレーンとのアジア3次予選、アウェーゲームに備えた日本。海外から唯一、招集された稲本は怪我により辞退を余儀なくされ、加えてエース高原も負傷したことでベストメンバーを組むことは叶わなかった。
互いに3-5-2の布陣。中村憲剛のボール奪取が象徴的だったように中盤で引っ掛けてからの素早い攻守の切り換えは、それなりに見応えがあったものの、時間の経過と共に萎んでいく。チームとしての機能が著しく低下した。左ワイドの安田は高位置に顔を出すが、満足にクロスも上げられない。徐々にバーレーンの球際の強さ、前に出て行くパワーに押し込められる。リスクを軽減したかったのか、日本は攻撃のカタチすら満足に作れなかった。シュートが打てるはずもない。前半の終盤にはイスマイル・ハサン、ファタディと立て続けにゴールを脅かされる。
後半早々に左クロスをGK川口が弾いたセカンドボールからオマルがシュート。クロスバーに救われ、事なきを得るも日本は相変わらずの体たらく。攻撃では横の揺さぶりが見られず、守備では両ストッパーのパフォーマンスが酷かった。特に阿部は出足が遅れたことで安易に飛び込むなど軽い守備が目に付く。寄せが総じて甘いことから次々と遠い位置からのシュートを許してしまう。遠藤の投入も起爆剤とはならず。33分にゴールを割られてしまう。左サイドゴールライン際からイスマイル・ハサンが上げたクロスをGK川口が手に当てるもクリアし損ない、A・フバイルに頭でねじ込まれてしまう。Pボックス内の人数は足りていた。今野もマークにはついていたが、厳しい対応をしなかったことが仇となる。緩さが決定的なシーンで露呈した。勝点1を拾いたい日本は切り札の玉田を送り出すも、ゴールを奪うはずの選手がなぜか低い位置に構えた。数人のDFが足を攣らせていたバーレーンにとっては好都合だった。結局、ゴールを得られないどころか、好機すら生み出せずに惨敗を喫した。アジア相手の試合では近年ワースト1の試合内容だったのではないだろうか。1-0の敗戦により日本はグループ首位から陥落した。
バーレーンが決してよかったわけではない。何もさせてもらえなかったのではなく、何も出来なかったのだ。試合後、インタビューに答えた中村憲剛は何度も首を振った。こんなはずじゃない。
アジア3次予選 バーレーン1-0日本 @マナマ
<日本>GK川口、DF今野、中沢、阿部(→玉田)、MF鈴木、中村憲剛、安田(→山岸)、駒野、山瀬(→遠藤)、FW巻、大久保
ネタがないので……。
2008年3月26日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
岡田監督のバーレーン記者に対する強気な姿勢が頼もしい。
しかし、マチャラにアウェー、そして中東お得意の帰化選手多数と不気味さは北朝鮮を凌ぐのでは。
スカウティングにぬかりはないのだろうけれど。
噛み合わせは悪くないだけに好ゲームが期待できる。
スコアは2-2で痛み分けか。
覇権争いに敗れる@東アジア選手権:日本対韓国
2008年2月25日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
悲願の東アジア選手権制覇へ。タイトルを懸けてまみえたのは宿敵・韓国だった。日本が優勝するには勝利する以外に道はなかった。
フォーメーションは4-2-3-1でダブルボランチは中国戦と同様だったが、負傷した安田が控えに回り、代わりに橋本に先発のお鉢が回ってきた。遠藤、初先発の橋本に鈴木と中村憲剛と4人のボランチが並べば必然的にモビリティは落ちる。縦に勝負できる、飛び出していけるのが山瀬だけでは破壊力に乏しい。それは織り込み済み。「3」の右に配された橋本がボールを収め、内田のオーバーラップを引き出したかったのだろうが、思うに任せない。ふわりとした立ち上がりの日本は、韓国のゴールへ向かう姿勢に侵食される。気持ちの入れ方の違いが失点とは無関係だったとは言い切れない。あっさりとサイドを攻略され、ボレーシュートから先制を許した。中村憲剛がミドルをポストに当てたあたりから持ち直し、再び中村憲剛が枠内を捕らえるシュートを放つが、GKの好守に阻止される。エンジンのかかりが遅過ぎた。
攻撃をフィニッシュで終わらせることが可能な韓国と、そうではない日本の構図はなかなか崩れない。安田の投入により流れを手繰り、ショートCKからいまやひとつのオプションと化しつつある山瀬の強烈なシュートがネットを揺さぶった。試合を振り出しに戻し、矢野に播戸を送り込んで前線に厚みをもたせるが、極端なまでのパワープレーを仕掛けられなかった。一気呵成に攻め立て、ゴールを割ってしまう。勢いは感じられたが、しかし勝利への渇望が十分足りえたかは疑問が残った。同点に持ち込んだが、3度目の正直とはならず、つまり東アジアの覇権争いに屈した。
勝負師・岡田武史は当然ながら不満顔だった。「残念です」と言い残し、画面から早々と消えた。内容度外視の決戦に敗れたのだから、感情を押し殺せなかったのも無理はない。
3戦して1勝2分けの成績は、負けなかったことは乱暴に言ってしまえばどうでもいい。タイトルを獲れれば、もちろんよかったのだろうが。結果よりも濃い内容のゲームを期待したのだが、日本の根底に流れるものがどういったものなのか。3試合を通じて基本的な部分がぼんやりしたままで、伝わってこなかったことは残念である。手にしたものは多くはなかった。
東アジア選手権 日本1-1韓国 @重慶
<日本>GK川口、DF加地、今野、中沢、内田、MF鈴木、中村憲剛(→安田)、橋本(→矢野)、遠藤、山瀬(→播戸)、FW田代
日本対中国@東アジア選手権
2008年2月21日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
東アジア選手権の初戦、対北朝鮮戦を1-1のドローで終えた日本。2戦目をホスト国の中国と戦った。
日本は1ボランチの4-4-2から、中盤の底を鈴木と中村憲剛が担い、CF田代の下に左から安田、山瀬、遠藤を配する4-2-3-1に変更。中国はボランチにプレッシャーをかけては推進力のあるアタックを繰り出し、日本も田代をターゲットに明確な意図の下に攻撃を仕掛けた。初戦のモヤがかかったような印象は受けない。一進一退の攻防の中、先制したのは日本だった。左サイドから駒野が上げたクロスをニアサイドで田代が潰れ、GKが弾いたボールを山瀬が叩き込んだ。先手を奪うもイニシアチブは中国に渡る。右から左へのサイドチェンジを効果的に使われ、何度も良質なクロスを供給されてしまう。ボールの出所への寄せの甘さが目に付く。再三、突破を許したのは内田のサイドだった。トラップで簡単に入れ替わられるなど脆弱な守備は修正が施されていない。3次予選で対峙する中東勢は果敢に1対1の勝負を挑んでくる。内田では心許無い。育成しながら結果も残さなければならない。岡田監督も葛藤していることだろう。
後半9分、中村憲剛の背後へのパスに安田が飛び出す。GKと1対1になるも、飛び蹴りを食らい負傷退場。前半からアフター気味に荒いプレーを連発していた中国。激しさの範疇に収まらない目に余るプレーには辟易である。サッカーに対する解釈が異なるのだろう。前半のサッカーが整理されたことで日本はリズムを掴み、FKから遠藤が直接ゴールを狙ったシュートは僅かに枠を反れ、中村憲剛と遠藤が絡んで最後は山瀬がシュートを放つものの、これも枠を捕らえるには至らなかった。ラフプレーに苦しみながら、パワープレーを凌いだ日本は1-0の勝利を飾る。これで勝敗は1勝1分となり韓国と並んだ。最終戦の日韓対決を制すれば3度目の正直で東アジアのタイトルを手中に収めることができる。
様々なトライを行う場として設定された今大会。ダブルボランチにワントップと陣形をいじり、さらには初戦からメンバーを大量6人も入れ替えた。どうやら、主眼は戦力の把握に置かれているようだ。これまで消化した試合で浮かび上がった問題点をクリアにしながら戦術を煮詰めるには格好の機会だと思っていたが、核となるメンバーの離脱により方向転換を図ったとみるのが妥当だろう。
代表監督は時間と戦わなければならない。世界を驚愕させるサッカーに辿り着くには時間を要するはずなのだが。
東アジア選手権 日本1-0中国 @重慶
<日本>GK楢崎、DF駒野(→加地)、今野、中沢、内田、MF鈴木、中村憲剛、安田(→羽生)、山瀬(→橋本)、遠藤、FW田代
遅延:東アジア選手権@日本対北朝鮮
2008年2月20日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
東アジア選手権と名称を変えてから2位が2回と優勝したことがない日本。中国は重慶で初戦の北朝鮮戦に臨んだ。
アグレッシブに前から来た北朝鮮の勢いに日本は飲み込まれる。厳しいプレスに晒され、パスミスを連発するなど及び腰。受けに回ったことであっさりと失点を喫する。チョン・テセに前を向かれ、ゴリゴリとドリブルを許し、人数が足りていたにもかかわらず左足を振り抜かれてしまった。へっぴり腰が前半6分、先制点を与える要因となった。ワントップのチョン・テセにボールを集めるサッカーに迷いのない北朝鮮とは対照的に日本は手探りの状態が続く。ボールを運ぶスピードに欠け、人数を割かれ、スペースも埋められてしまい手詰まりに陥る。中沢がCKを頭で合わせ(DFのクリアで阻止)、播戸もボレーシュートを放つなど好機を終盤にこしらえるも、煮え切らない45分だった。
羽生、遠藤が立て続けにシュートを放つなどゴールに対する意識の高まりをみせた後半。前線がボールを誘引、パススピードと運動量も徐々に上がり、イニシアチブを握る。リズムが好転したところで途中投入された安田が左から仕掛け、上げたクロスをGKが弾いてこぼれ球になったとことを前田が頭でプッシュ。ようやく同点に追い付く。北朝鮮はGKの守備に難があっただけに、DFとGKの間にクロスを供給できれば、ミスを誘発することが可能だった。しかし、それができていなかったのは、やはり日本が拙攻を重ねていたということに他ならない。前田が1.5列目でボールを収めながら攻撃を活性化させた日本に、北朝鮮は少ない人数でのカウンターで応戦。互いに手を出し合うが結局、その後は決定打は繰り出せずにタイムアップ。1-1のドローに終わる。
バックアッパーの羽生、水本、初キャップの田代、川島がスタメンに起用され、本来は右サイドバックの加地を左に回すなど、メンバーとポジション変更などで「チャレンジ」したにしても(FW陣の相次ぐ離脱が多分に影響しているのだが)、あまりにもサッカーがお粗末だった。戸惑いを感じるのは当然。だが、志向するサッカーが揺らいでしまうことは避けなければならなかった。岡田体制となってから取り組んできたことが、全く見えなかった。むしろ霧が濃くなってしまった印象。これは、いただけない。山のように用意されていた言い訳。逃げ道に気を取られるあまり、自らが道を切り開くトライを怠った。そのようにしか映らなかった。
東アジア選手権 日本1-1北朝鮮 @中国・重慶
<日本>GK川島、DF内田(→駒野)、中沢、水本、加地、MF鈴木、遠藤、山岸(→安田)、羽生、FW播戸(→前田)、田代
感情を揺さぶれ
2008年2月15日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
東アジア選手権に臨む日本代表。
FW陣の大量負傷離脱により播戸竜二の先発が濃厚となったようだ。相方は矢野だろうか。
これまで一様にムードメーカー的な扱いをメディアからされてきたが、本人が千載一遇の好機を逃さないと気合を入れているように、アピールすれば序列を引っくり返す事だってできる。
初戦の相手は北朝鮮。
前回大会では0-1と苦杯を舐めた。
チョン・テセなど日本でも馴染みのある選手が選出され、ここ数年での対戦機会が激増したことで、すっかり謎の軍団という不気味さは失われてしまった。
今大会はワールドカップアジア3次予選に向け、様々な実験が行える。
おそらく岡田監督も色々なチャレンジをすることだろう。
1試合毎にチーム内の環境が変わることで選手は「やり難さ」を感じるかもしれないが、それでも播戸は言い訳などせずに結果だけを求めてボールを追っ掛け回すことだろう。
代表に感情移入できなくなった昨今、熱かった時代の魂を継承する播戸には是非とも我々の感情に訴えかけるようなプレーをして欲しい。
1ボランチの功罪
2008年2月 8日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
あっさりと中央をかち割られての失点。南アフリカワールドカップアジア3次予選、対タイ戦において日本は度肝を抜かれるミドルシュートを叩き込まれた。4-4-2の中盤をこれまでのボックス型からダイヤモンド型へと移行したことで、ボランチが2枚から1枚になった。1ボランチになった際、サイドに引っ張られるなどバイタルエリアは自ずと薄くなる。そのウイークポイントを上手く突かれた格好となった。
1ボランチの功罪を挙げるならば、4バック+ダブルボランチが形成するブロックの強度が多少落ちるものの、攻撃に割ける人数は増すということになる。極端に攻め込まれるケース、ポゼッションで劣ることのないアジア勢との対戦を考慮すれば、プラス面が大きい極めて合理的な策である。初戦のタイとは力量に幅があった。引いて守りを固めてくることは戦前から分かりきっていた。攻勢に立てるのだから厚みのある攻撃を継続させれば、いずれは破綻をきたす・・・はずだったが、崩しきれなかったことで流れの中からゴールは奪えず。サイドアタックも不発。だが、やろうとするサッカーの方向性は伺えた。世界をアッと驚かすのだから、僅か3試合で岡田監督が思い描いているサッカーが具現化されるはずがない。易々と事が運んでしまっては面白みに欠ける。
今後のことに目を向けてみる。バーレーン、オマーンとタイよりも格上の相手と対戦しなければならない。試合展開は日本優位で進むだろうが、攻守の切り換え時に鋭利なカウンターが繰り出される可能性が高い。タイとの大きな違いである。カウンターを浴びても中沢、阿部の2CBと1ボランチ鈴木の3枚で対処できるのか。容易ではないだろう。となると、所属チームではボランチを担う遠藤と中村憲剛のサポート、さらに両サイドバックの内側への絞込みのタイミングが重要になってくる。幸い、東アジア選手権があることで、戦術を深める機会は用意されている。攻撃での行き詰まりの改善、守勢に回った際に連携を図り連動して窮地を凌げるか。最高のシミュレーションが行える。浮き彫りになってきた課題に対して、どうのようなアプローチをするのか。注視したい。そして、例え毎試合、失点を喫しても極上の果実を得るために、安直にボランチを2枚に戻すのではなく1枚でいけるところまでチャレンジしてもらいたい。世界と同じことをしていても追い付くことはできても、追い越せないのだから。オリジナリティを出すにはリスクは必ず伴う。モヤモヤ感は当分の間、払拭されないだろう。それでも今は耐え忍ぶしかないのだ。
錆付いていない武器と行き詰まりのサイドアタック@日本対タイ アジア3次予選
2008年2月 7日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
2010年南アフリカワールドカップの切符獲得を巡るアジア1次、2次予選が終わり、シード国が登場する3次予選が幕を開けた。3次予選からの登場となった日本は初戦をタイとホーム、埼玉スタジアムで戦った。
気温2度、空からは雪が舞い落ちる。双方に厳しいコンディションの中、キックオフの笛が吹かれた試合は、予想通り日本がイニシアチブを握る。左サイドを軸に組み立てては、序盤から立て続けにセットプレーを得る。が、好機に結び付けられない。極端に守備的に構えたわけではないタイだが、クロスに対して中央の守りを固め、日本のサイドバックが利するスペースを消去してきた。相手に対策を練られ、初戦の硬さからか縦に急ぐ嫌いがあったことで拙攻を重ねた。21分、遠藤がゴールほぼ正面から鮮やかなFKを突き刺すも、直後に遠藤の芸術的なFKが霞むほどの強烈なミドルシュートを叩き込まれ、あっさりと振り出しに戻される。失点したことで我に返ったのか、焦りは徐々に薄くなりパスが回り始めるも、サイド攻略は個の力によることが多く、引かれた時の攻撃のオプションも限られていたことで試合は膠着した。
1-1で迎えた後半は、パススピードが速くなり、攻撃に裂く人数も増えたことで連続攻撃が可能となる。ハーフタイムを挟んでの微調整が行えていた。ゴールを意識したサイドチェンジもアクセントを加える。本来の動きに近付き始めた9分、山瀬が左サイドのゴールライン際でドリブル勝負。中村憲剛へのパスはカットされるも、クリアボールが中村憲剛の伸ばした足に当たり、詰めていた大久保の目の前にこぼれる。これを大久保が押し込んで2-1とする。リードした日本はFKから中沢、ロスタイムにはCKから巻が共に頭でゴールを割り、点差を広げた。4-1で初戦を勝利で飾り、勝ち点3をゲットした。
サイドアタックとセットプレー
調整試合のチリ、ボスニア戦に引き続き、サイドでの行き詰まりが目に付いた。ボールを運ぶ。数的不利。それでも無理矢理に狭い局面を打開しようとする意固地な姿勢は、依然として改善されないままだった。また、サイドに展開されてもサポートが遅く、後半にはいくらかフォローに回る意識が垣間見られたが、クロスから決定機を演出するには至らなかった。サイドバックと周囲の連携不足が浮き彫りに。解釈が難しいのだろうか、岡田監督の戦術が浸透していないことが露呈した。駒野と内田の両サイドバックの判断も悪かった。Pボックスの人数が足りていない状態でもアーリー気味に上げる機会があってもよかったが、突破かクロスかで躊躇うシーンが散見され、有効な攻撃手段とは成り得なかった。
崩しきれなかったサイドからのアタックとは対照的に、4ゴールのうち3ゴールがセットプレーからと、相も変わらずアジアではFKとCKが日本の強味であることが再確認された。壁の上を巻いて落とした遠藤のFKは完璧であり、中沢のポジショニングと高い打点からのヘディングは破壊力十分。また、非公開練習で磨き上げたプレーがカタチとなったのが巻のゴール。ニアで釣ってファーからゴールを狙う。後半10分に一度、大久保が試み、GKのセーブにあったが、2度目は巻がダイビングヘッドでゴールネットを揺らした。流れの中でのゴールが1本もなかった(大久保のゴールをカウントしてもいいのだが)ことには不満と不安が残るが、武器が錆付いていないことは厳しい予選を戦う上では拠り所となる。依存度が高いようでは困るのだが。
切り替え
遠藤の先制弾、大久保の決勝ゴールが決まる過程において、奪われたボールをすぐさま奪い返す、素早い攻守の切り替えが生かされていた。大久保がファールをもらって獲得したFKは中沢のボール奪取が切っ掛けであり、大久保のラッキーともとれるゴールはパスミスが起こってからでも足を出した中村憲剛の諦めない気持ちが結実したものだった。思い起こせばドイツワールドカップ予選、初戦の対オマーン戦。土壇場で久保が挙げた決勝点も、中村俊輔の泥臭い守備が契機だった。親善試合と異なるシビアな予選では、華麗さは不要なのだ。いかに貪欲にゴールを目指せるか。カタチにこだわっていると足元を掬われる。
貴重で希少な存在
予選モードに気持ちを切り替え、最も闘志を剥き出しにしていたのが、後半36分に交代出場した播戸。雪の粒が大きくなってもお構いなし。ひとり半袖でピッチに立つ。気迫を前面に。分かり易さはひとつの大きな武器である。外見だけでチームを鼓舞するのではなく、遠藤との息の合ったプレーから背後を突き、失ったボールを追っ掛けてはスライディングを見舞いもした。僅かな出場時間でも、懸命に、己の役割を全うする。単なるムードメーカーでは収まらない、際立った存在感を示した。これだけ、ハッスルしてくれれば、監督としては途中交代カードとして重宝できる。出れば何かしらやってくれる。期待感を抱かせる貴重で、希少な選手である。
アジア3次予選 日本4-1タイ @埼玉スタジアム2002
<日本>GK川口、DF駒野、阿部、中沢、内田、MF鈴木、遠藤、中村憲剛、山瀬(→巻)、FW高原(→播戸)、大久保(→羽生)
サイドに運んだ。それから、どうする?@日本対ボスニア・ヘルツェゴビナ
2008年1月31日 大塚秀毅 | この記事のページ | コメント(0) | トラックバック(0)
2月6日にいよいよスタートする南アフリカワールドカップアジア3次予選。初戦のタイ戦に向けた調整試合、2試合目の相手はイビツァ・オシム前監督の母国であるボスニア・ヘルツェゴビナだった。
日本は29日のチリ戦と同じ中盤をダイヤモンド型にした4-4-2でトップ下には大久保が配された。対するボスニアは4-5-1(4-4-1-1)を選択した。
チリ戦の後半から登場。ダイナミズムをもたらした大久保が果敢に裏を狙う。対照的にほろ苦いA代表デビューを果たした内田。先発2試合目は対面のプレッシャーが弱かったことで機を見ては頻繁に攻撃に絡んだ。サイド攻撃をリードする。自陣に引いて守りを固めたボスニアだが攻撃には欲がない。阿部の目測ミスからシュートを放ったのが唯一の好機だった。他方、日本も決定機を演出するまでには至らない。閉塞感の漂う45分間だった。若手主体ということではチリと変わらなかったボスニアであるが、時差調整が難しかったのか覇気に乏しかった。
後半も軸は右サイドの日本。内田を介してゴールに迫る。23分にショートCKから中沢が岡田体制初ゴールをマークして先制し、38、42分には負傷した巻に代わって出場の山瀬が連続ゴールで3-0とボスニアを引き離して勝利した。先制点の中沢、追加点を叩き出した山瀬、その山瀬のゴールをお膳立てしたのは今野に播戸と“岡田チルドレン”だった。愛弟子の活躍により、第2期政権における初勝利を岡田監督は手にした。高原と巻の怪我は心配ではあるが、歯応えのないボスニアであろうとゴールを奪い、勝利したことで本選のタイ戦に臨むには、そこそこの準備が出来たのではないだろうか。
代表キャップ2つ目の内田は3-4-3の左ウイングの選手が張り出していたことで、チリ戦では守備に回る機会が多かった。持ち味がオーバーラップだけに、ウイークポイントの守備面での粗が目立った。ボスニア戦では守備時に背中を簡単に見せることで一瞬、相手を見失ってしまう悪癖や、ゴール前での軽い応対など課題がまたしても浮き彫りとなったが、チームとしてイニシアチブを握れたことで攻撃では周囲に生かしてもらえた。高い位置を取ることが可能となり、前半34分には中村憲剛が叩いたパスからPボックスへの侵入が叶う。シュートも打てるシーンだったが、遠慮したのかマイナスのクロスを選択。アグレッシブさが身上なだけに打ってもよかった。当面の修正点はやはり守備だろう。敵陣に入った際には単にクロスを上がるだけではなく良質なパスも出せる。強味があるだけに安定感のある加地からポジションを奪うには、ストロングポイントでアピールしながら拙い部分も磨いていかなければならない。攻守におけるアンバランスはトップカテゴリーでは致命的。
岡田監督が志向する狭いエリアをショートパスで打開する。このテーマに選手は縛られ過ぎてしまった。サイドにボールを運んだ。それから、どうする?局面をパスで潜り抜ける意識が高いことは伺えたが、臨機応変に一旦ボールを下げてからサイドチェンジを図ってもよかった。指揮官はサイドチェンジを織り交ぜることを禁じているわけではないし、「接近、展開、連続」の理論に照らし合わせれば大胆にサイドを変えてもなんら問題はない。皆無に等しかったチリ戦よりも大きなサイドチェンジを使う機会は増えはしたが、例えば左サイドで詰まったから右サイドへ振る、といったようなことではなく、ビルドアップの段階で使われるケースがほとんどだった。チームが始動したばかりであることから、ひとつのことを突き詰めることは悪くはない。実験を行わなければ成果は得られない。ただし、柔軟な発想が殺がれるようでは困る。サイドで密集を作った。次にどうするのか。高度なスキルが要求される高速パスで突破するのか、或いは逆サイドに預けるのか。まだ使い分けが、状況に応じた判断は時間的な問題もあるが備わっていない。独自色が出てくるまでには、時間を要しような気配が漂うだけに忍耐力が必要か。
国際親善試合 日本3-0ボスニア・ヘルツェゴビナ @国立
<日本>GK楢崎、DF駒野、阿部、中沢、内田、MF鈴木、遠藤、中村憲剛(→今野)、大久保(→羽生)、FW高原(→播戸)、巻(→山瀬)
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